ADワークス Research Memo(3):収益拡大が順調に進み経常利益の増益率は3期連続で20%超え
[15/06/15]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■決算動向
(1) 2015年3月期業績概要
5月13日付で発表された2015年3月期の連結業績は、売上高が前期比6.9%減の10,735百万円、営業利益が同4.0%減の759百万円、経常利益が同20.0%増の540百万円、当期純利益が同23.3%増の333百万円となった。期初計画に対しては収益不動産販売の未達により売上高が下回ったものの、利益ベースではいずれも上回って着地した。経常利益の増益率は3期連続で20%を超え、収益拡大が順調に進んでいる。
エー・ディー・ワークス<3250>の売上高は減収となったが、収益性の高い賃料収入の増加や収益不動産販売事業の利益率向上により、売上総利益は前期比18.6%増となり、売上総利益の売上比は18.5%から23.6%に上昇した。営業利益が前期比4.0%減となったが、これは事業規模の拡大に備えた人材投資(前期末比31名増の99名)や、本社フロアスペースの増床を実施するなど先行投資を行ったことで、販管費が前期比32.0%増と増加したことによる。人件費については前期比210百万円増の910百万円となり、販管費増要因の約半分を占めている。
営業外収支は前期比121百万円の改善となった。有利子負債の増加に伴い金融収支が34百万円悪化したが、株式発行費用144百万円がなくなったことが改善要因となった。この結果、経常利益は前期比20.0%増益となっている。事業セグメント別の動向については以下のとおり。
○収益不動産販売事業
収益不動産販売事業の売上高は前期比2.2%減の9,388百万円、EBITDA※が同0.5%減の1,073百万円、営業利益が同0.6%減の1,071百万円となった。2015年3月期は国内外合わせて8,713百万円の収益不動産を仕入れ、期末の収益不動産残高は前期末比27.7%増の12,931百万円に、期中平均残高は同61.7%増の11,692百万円と大幅に拡大した。
※EBITDA(償却前営業利益):会計基準の違う米国事業を本格化したことに伴い、会計基準の違い(償却費や税金の処理方法など)を取り除いたベースでの収益を見るうえで、2015年3月期よりEBITDAの開示を開始している。EBITDAは償却費などのキャッシュアウトを伴わない費用も含むため、実質的な収益力を示す指標として、企業価値の算定などに用いられることが多い。
販売棟数は29棟と前期比3棟減となったが、個人富裕層を中心に収益不動産への投資意欲が高まるなかで価格上昇傾向が続いており、EBITDAマージン(EBITDA÷売上高)は11.4%と前期比で0.2ポイント上昇した。なお、2015年3月期より事業を本格開始した米国市場では2棟を日本の富裕投資家層に販売し、期末の保有不動産残高も約1,300百万円(6棟)に積み上げており、順調な滑り出しとなっている。
○ストック型フィービジネス事業
ストック型フィービジネス事業の売上高は前期比30.9%増の1,451百万円、EBITDAは同68.2%増の545百万円、営業利益は同70.2%増の536百万円と大きく伸長し、EBITDAマージンも2014年3月期の29.2%から37.5%へと大きく上昇した。前述したように収益不動産の平均残高が前期比61.7%増と拡大したことで、収益性の高い賃料収入が同55.9%増の717百万円と拡大したことが主因だ。賃貸収入のEBITDAマージンはほぼ2014年3月期並みの69.2%となった。
また、プロパティ・マネジメント事業など賃貸収入以外の事業に関しても、不動産管理戸数が3,293戸(前期末3,000戸)に積み上がったこと、また、2014年3月期に実施した構造改革の効果などもあって、売上高が前期比13%増の734百万円に、EBITDAは2014年3月期6百万円から49百万円に増加した。
○その他事業
その他事業は売上高が54百万円(2014年3月期916百万円)、営業利益が4百万円(同41百万円)となった。総合居住用不動産事業の撤退により、2015年3月期第1四半期(4月−6月期)までで新築戸建の在庫についての販売をすべて完了している。また、JICA(独立行政法人国際協力機構)より「ベトナム工業団地中小企業向けレンタル工場整備運営事業」に関して一部受託していた準備調査業務の完了による収入も含まれている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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(1) 2015年3月期業績概要
5月13日付で発表された2015年3月期の連結業績は、売上高が前期比6.9%減の10,735百万円、営業利益が同4.0%減の759百万円、経常利益が同20.0%増の540百万円、当期純利益が同23.3%増の333百万円となった。期初計画に対しては収益不動産販売の未達により売上高が下回ったものの、利益ベースではいずれも上回って着地した。経常利益の増益率は3期連続で20%を超え、収益拡大が順調に進んでいる。
エー・ディー・ワークス<3250>の売上高は減収となったが、収益性の高い賃料収入の増加や収益不動産販売事業の利益率向上により、売上総利益は前期比18.6%増となり、売上総利益の売上比は18.5%から23.6%に上昇した。営業利益が前期比4.0%減となったが、これは事業規模の拡大に備えた人材投資(前期末比31名増の99名)や、本社フロアスペースの増床を実施するなど先行投資を行ったことで、販管費が前期比32.0%増と増加したことによる。人件費については前期比210百万円増の910百万円となり、販管費増要因の約半分を占めている。
営業外収支は前期比121百万円の改善となった。有利子負債の増加に伴い金融収支が34百万円悪化したが、株式発行費用144百万円がなくなったことが改善要因となった。この結果、経常利益は前期比20.0%増益となっている。事業セグメント別の動向については以下のとおり。
○収益不動産販売事業
収益不動産販売事業の売上高は前期比2.2%減の9,388百万円、EBITDA※が同0.5%減の1,073百万円、営業利益が同0.6%減の1,071百万円となった。2015年3月期は国内外合わせて8,713百万円の収益不動産を仕入れ、期末の収益不動産残高は前期末比27.7%増の12,931百万円に、期中平均残高は同61.7%増の11,692百万円と大幅に拡大した。
※EBITDA(償却前営業利益):会計基準の違う米国事業を本格化したことに伴い、会計基準の違い(償却費や税金の処理方法など)を取り除いたベースでの収益を見るうえで、2015年3月期よりEBITDAの開示を開始している。EBITDAは償却費などのキャッシュアウトを伴わない費用も含むため、実質的な収益力を示す指標として、企業価値の算定などに用いられることが多い。
販売棟数は29棟と前期比3棟減となったが、個人富裕層を中心に収益不動産への投資意欲が高まるなかで価格上昇傾向が続いており、EBITDAマージン(EBITDA÷売上高)は11.4%と前期比で0.2ポイント上昇した。なお、2015年3月期より事業を本格開始した米国市場では2棟を日本の富裕投資家層に販売し、期末の保有不動産残高も約1,300百万円(6棟)に積み上げており、順調な滑り出しとなっている。
○ストック型フィービジネス事業
ストック型フィービジネス事業の売上高は前期比30.9%増の1,451百万円、EBITDAは同68.2%増の545百万円、営業利益は同70.2%増の536百万円と大きく伸長し、EBITDAマージンも2014年3月期の29.2%から37.5%へと大きく上昇した。前述したように収益不動産の平均残高が前期比61.7%増と拡大したことで、収益性の高い賃料収入が同55.9%増の717百万円と拡大したことが主因だ。賃貸収入のEBITDAマージンはほぼ2014年3月期並みの69.2%となった。
また、プロパティ・マネジメント事業など賃貸収入以外の事業に関しても、不動産管理戸数が3,293戸(前期末3,000戸)に積み上がったこと、また、2014年3月期に実施した構造改革の効果などもあって、売上高が前期比13%増の734百万円に、EBITDAは2014年3月期6百万円から49百万円に増加した。
○その他事業
その他事業は売上高が54百万円(2014年3月期916百万円)、営業利益が4百万円(同41百万円)となった。総合居住用不動産事業の撤退により、2015年3月期第1四半期(4月−6月期)までで新築戸建の在庫についての販売をすべて完了している。また、JICA(独立行政法人国際協力機構)より「ベトナム工業団地中小企業向けレンタル工場整備運営事業」に関して一部受託していた準備調査業務の完了による収入も含まれている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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