平和不動産 Research Memo(4):ビル賃貸業の市場環境は好転、“面開発”で実績示す
[15/06/22]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
(3)賃貸事業の市場環境と同社のビジネスモデル
賃貸ビル事業の市場環境は改善傾向にある。東京都心5区(中央区、千代田区、港区、新宿区、渋谷区)のオフィスビルの空室率は9.2%(2011年3月)から4.7%(2015年3月)に回復。賃料相場に関しても、16,325円/坪(2014年3月)から17,195円/坪(2015年3月)に上昇に転じた。同社の所有物件に関しては、見かけ上の空室率は4.4%(2015年3月、首都圏)になるが、再開発のための貸し止め物件の影響を除くと、1.4%(2015年3月、首都圏)となり、市場を大きく上回る実績である。これは一棟貸しが多い同社の特長も反映している。同社の賃料単価(首都圏)は市場(都心5区)とほぼ同レベルである。
平和不動産<8803>の所有物件は東京、大阪、名古屋、福岡などの証券取引所とその周辺のオフィスビルを所有する点に特徴がある。一方で、賃貸事業資産の入替えと新規物件の取得によるポートフォリオ管理を積極的に行っており、資産規模は広がる傾向にある。現在、賃貸事業用の固定資産は2,155億円(2015年3月末)である。市況の改善もあり、賃貸等不動産の含み益が417億円(2015年3月末)となり、昨年の264億円(2014年3月末)から増加した。
賃貸事業はビル単体で考えるだけでなく、街全体を開発することにより付加価値を上げていく側面がある。同社は大都市の金融街に集中して物件を所有するため、このような“面開発”で強みを発揮する。名古屋(栄地区)での事例では、証券取引所に隣接する地区において2004年から10年に渡り再開発を行っており、街並みが整備され、延床面積も3.5倍(11,300 平方メートル→39,700 平方メートル)に増え、賃料収入も大幅にアップした。今後の日本橋兜町再開発、その他の市街地再開発を占う上で、先行事例として注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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(3)賃貸事業の市場環境と同社のビジネスモデル
賃貸ビル事業の市場環境は改善傾向にある。東京都心5区(中央区、千代田区、港区、新宿区、渋谷区)のオフィスビルの空室率は9.2%(2011年3月)から4.7%(2015年3月)に回復。賃料相場に関しても、16,325円/坪(2014年3月)から17,195円/坪(2015年3月)に上昇に転じた。同社の所有物件に関しては、見かけ上の空室率は4.4%(2015年3月、首都圏)になるが、再開発のための貸し止め物件の影響を除くと、1.4%(2015年3月、首都圏)となり、市場を大きく上回る実績である。これは一棟貸しが多い同社の特長も反映している。同社の賃料単価(首都圏)は市場(都心5区)とほぼ同レベルである。
平和不動産<8803>の所有物件は東京、大阪、名古屋、福岡などの証券取引所とその周辺のオフィスビルを所有する点に特徴がある。一方で、賃貸事業資産の入替えと新規物件の取得によるポートフォリオ管理を積極的に行っており、資産規模は広がる傾向にある。現在、賃貸事業用の固定資産は2,155億円(2015年3月末)である。市況の改善もあり、賃貸等不動産の含み益が417億円(2015年3月末)となり、昨年の264億円(2014年3月末)から増加した。
賃貸事業はビル単体で考えるだけでなく、街全体を開発することにより付加価値を上げていく側面がある。同社は大都市の金融街に集中して物件を所有するため、このような“面開発”で強みを発揮する。名古屋(栄地区)での事例では、証券取引所に隣接する地区において2004年から10年に渡り再開発を行っており、街並みが整備され、延床面積も3.5倍(11,300 平方メートル→39,700 平方メートル)に増え、賃料収入も大幅にアップした。今後の日本橋兜町再開発、その他の市街地再開発を占う上で、先行事例として注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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