DVx Research Memo(5):今期も過去最高の営業利益を更新へ、円安の影響は限定的
[15/06/24]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
(1) 2016年3月期業績見通し
ディーブイエックス<3079>の2016年3月期の業績は、売上高が前期比10.3%増の31,589百万円、営業利益が同7.0%増の1,530百万円、経常利益が同5.0%増の1,530百万円、当期純利益が同8.0%増の993百万円となる見通し。売上高では29期連続の増収となり、営業利益も連続で過去最高を見込んでいる。
市場環境としては、高齢化の進展に伴い循環器系領域の患者数の拡大傾向が続くなかで、高い技術サポート力を強みに、今後も新規顧客の開拓を進めながら、業績の拡大を進めていく戦略だ。営業利益率は前期比0.2ポイント低下の4.8%となるが、これは今期もキャリア人材の積極採用を継続するほか、本社機能の強化などにより30名程度の人員採用を予定するなど、人件費の増加を見込んでいるためだ。とりわけ、大阪営業所は人員を従来の約2倍となる10名程度に増員する。キャリア人材の採用により、7〜8件の大規模病院の新規開拓に成功しており、今期はこれら新規顧客の対応に注力することで関西エリアの売上拡大を進めていく。なお、新規顧客の増加に伴って今来期中に和歌山、もしくは奈良を候補として営業拠点の新設も検討している。
その他の取り組みとしては、社内の業務効率向上に向けたIT投資を実施していくほか、新規商材の独占販売権確保につながる医療機器製造ベンチャー企業への投資も積極化していく。
なお、為替前提レートは1ドル120円としており、今後さらに円安が進行した場合は利益圧迫要因となる可能性があるが、輸入売上高は全体の10%弱程度であり、インパクトとしてはさほど大きくない。仮にコスト増要因になったとしても、その他の経費圧縮などで十分カバーできるとみている。
事業セグメント別の売上計画では、不整脈事業が前期比9.5%増の25,470百万円を見込んでいる。関西エリアでの新規顧客開拓の効果が期待できるほか、既存顧客の深耕も進めていく。また、仕入コストの低減も継続して取り組んでいく。商品別では引き続き冷凍アブレーションカテーテルを中心にカテーテル類の伸びを見込んでいる。ペースメーカやICDなども数量ベースで微増を見込んでいる。
虚血事業は前期比13.0%増の4,961百万円と2ケタ増収となる見通し。自動造影剤注入装置「ACIST」の買い替え需要を獲得していくほか、エキシマレーザ血管形成システムの導入を進めることで、コロナリーカテーテルなど消耗品の販売増を見込む。ただ、円安による仕入れコストの上昇で利益率は若干の低下を見込んでいる。
エキシマレーザ血管形成システムの導入台数は前期末比10台増の79台を目指している。1台当たりの価格が高く、導入に慎重になる医療施設も多いため、レンタルでの導入も推進していく方針だ。現在、薬事承認申請準備中の下肢末梢動脈治療用レーザカテーテルが予定通り2017年から販売開始となれば、同じエキシマレーザシステムで冠動脈形成術※1、心内リード抜去術※2と合わせて3通りの術式が利用可能となるため、医療施設側も導入を進めやすくなる。このため、同システム及び関連消耗品に関しては2017年以降に、一段の成長が期待できる商品として注目されよう。
※1冠動脈形成術・・・心臓に血液を運ぶ冠動脈が動脈硬化や血栓によって狭窄または塞栓した場合に、同部位にエキシマレーザを照射することで、血栓を分子レベルで分解し冠動脈の血流を改善する術式。
※2心内リード抜去術・・・ペースメーカやICD等のデバイスが菌に感染すると、デバイスと心臓をつなぐリード線を通じて全身に菌の感染が広がる恐れがあり、感染を抑えるために、感染源となるリード線を抜去する必要が出てくる。ただ、長期間心臓内に留置されたリード線は心臓の組織に癒着しており、抜去することが従来は困難であった。同社の製品はエキシマレーザをカテーテル先端部から照射することでリード線を心臓組織からはく離する術式となる。
その他事業は前期比17.3%増の1,156百万円を見込んでいる。引き続き脳外科関連商品やシネ装置の売上拡大を見込んでいる。今期は営業体制の強化を図り、静岡エリアだけでなく隣県の神奈川エリアにも進出する予定となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<HN>
(1) 2016年3月期業績見通し
ディーブイエックス<3079>の2016年3月期の業績は、売上高が前期比10.3%増の31,589百万円、営業利益が同7.0%増の1,530百万円、経常利益が同5.0%増の1,530百万円、当期純利益が同8.0%増の993百万円となる見通し。売上高では29期連続の増収となり、営業利益も連続で過去最高を見込んでいる。
市場環境としては、高齢化の進展に伴い循環器系領域の患者数の拡大傾向が続くなかで、高い技術サポート力を強みに、今後も新規顧客の開拓を進めながら、業績の拡大を進めていく戦略だ。営業利益率は前期比0.2ポイント低下の4.8%となるが、これは今期もキャリア人材の積極採用を継続するほか、本社機能の強化などにより30名程度の人員採用を予定するなど、人件費の増加を見込んでいるためだ。とりわけ、大阪営業所は人員を従来の約2倍となる10名程度に増員する。キャリア人材の採用により、7〜8件の大規模病院の新規開拓に成功しており、今期はこれら新規顧客の対応に注力することで関西エリアの売上拡大を進めていく。なお、新規顧客の増加に伴って今来期中に和歌山、もしくは奈良を候補として営業拠点の新設も検討している。
その他の取り組みとしては、社内の業務効率向上に向けたIT投資を実施していくほか、新規商材の独占販売権確保につながる医療機器製造ベンチャー企業への投資も積極化していく。
なお、為替前提レートは1ドル120円としており、今後さらに円安が進行した場合は利益圧迫要因となる可能性があるが、輸入売上高は全体の10%弱程度であり、インパクトとしてはさほど大きくない。仮にコスト増要因になったとしても、その他の経費圧縮などで十分カバーできるとみている。
事業セグメント別の売上計画では、不整脈事業が前期比9.5%増の25,470百万円を見込んでいる。関西エリアでの新規顧客開拓の効果が期待できるほか、既存顧客の深耕も進めていく。また、仕入コストの低減も継続して取り組んでいく。商品別では引き続き冷凍アブレーションカテーテルを中心にカテーテル類の伸びを見込んでいる。ペースメーカやICDなども数量ベースで微増を見込んでいる。
虚血事業は前期比13.0%増の4,961百万円と2ケタ増収となる見通し。自動造影剤注入装置「ACIST」の買い替え需要を獲得していくほか、エキシマレーザ血管形成システムの導入を進めることで、コロナリーカテーテルなど消耗品の販売増を見込む。ただ、円安による仕入れコストの上昇で利益率は若干の低下を見込んでいる。
エキシマレーザ血管形成システムの導入台数は前期末比10台増の79台を目指している。1台当たりの価格が高く、導入に慎重になる医療施設も多いため、レンタルでの導入も推進していく方針だ。現在、薬事承認申請準備中の下肢末梢動脈治療用レーザカテーテルが予定通り2017年から販売開始となれば、同じエキシマレーザシステムで冠動脈形成術※1、心内リード抜去術※2と合わせて3通りの術式が利用可能となるため、医療施設側も導入を進めやすくなる。このため、同システム及び関連消耗品に関しては2017年以降に、一段の成長が期待できる商品として注目されよう。
※1冠動脈形成術・・・心臓に血液を運ぶ冠動脈が動脈硬化や血栓によって狭窄または塞栓した場合に、同部位にエキシマレーザを照射することで、血栓を分子レベルで分解し冠動脈の血流を改善する術式。
※2心内リード抜去術・・・ペースメーカやICD等のデバイスが菌に感染すると、デバイスと心臓をつなぐリード線を通じて全身に菌の感染が広がる恐れがあり、感染を抑えるために、感染源となるリード線を抜去する必要が出てくる。ただ、長期間心臓内に留置されたリード線は心臓の組織に癒着しており、抜去することが従来は困難であった。同社の製品はエキシマレーザをカテーテル先端部から照射することでリード線を心臓組織からはく離する術式となる。
その他事業は前期比17.3%増の1,156百万円を見込んでいる。引き続き脳外科関連商品やシネ装置の売上拡大を見込んでいる。今期は営業体制の強化を図り、静岡エリアだけでなく隣県の神奈川エリアにも進出する予定となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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