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CDG Research Memo(5):前期は増収増益、O2Oマーケ強化で案件大型化

注目トピックス 日本株
■業績動向

(1)2015年3月期業績

CDG<2487>の2015年3月期の連結業績は、売上高が前期比7.8%増の10,948百万円、営業利益が同6.1%増の778百万円、経常利益が同8.0%増の794百万円、当期純利益が同11.5%増の501百万円と増収増益決算となり、ほぼ会社計画の範囲内での着地となった。

企業業績の回復など国内の景況感が上向きとなるなかで、SP市場においても需要は引き続き堅調に推移した。こうした環境下において、同社では販促グッズの供給に加えて、WEB関連やPOP、イベントキャンペーンなどマーケティングソリューション分野の営業強化を進めたことが、業績の拡大につながった。特に、スマートフォンの普及を背景に、SNSを利用したWEBプロモーションと、店頭での販促施策を連動させたO2Oのマーケティングソリューションを強化したことで、受注案件の大型化が進んだことが当期の特徴として挙げられる。

顧客の産業分野別売上高でみると、全体の6割強を占める衣食住・流通産業向けが前期比17.3%増の6,714百万円と大きく伸び、情報・通信産業や金融・保険業などその他分野の減収分をカバーした格好だ。

特に当期は、サッカーのワールドカップに合わせてスポーツ用品メーカー向けにウェアや雑貨類など合わせて115種のグッズを企画、販売したほか、大手コンビニエンスストアと人気キャラクター「エヴァンゲリオン」を用いた販売プロモーションを全国規模で展開するなど、大型受注案件の増加が目立った。また、製薬業界向けでは外資系企業を中心にPOPやフィールドマーチャンダイジングの需要が旺盛だったほか、自動車業界向けも消費増税の逆風が吹く中で販促施策が活発化し好調に推移した。情報通信業界向けでは全体ではやや減収となったが、新たに通信キャリア大手1社の顧客獲得など新規顧客の開拓は順調に進んでいる。同様に不動産・住宅分野でも、O2Oによるマーケティング施策の効果が高いことから、戦略的に開拓を進めている。一方、低調だったのは化粧品業界向けで、景品の需要減少が響いた格好だ。また、金融・保険業界向けも減収となっているが、これはNISA特需の反動減が出た格好となっている。

なお、製薬業界向けではSPの政策変更により販促用ギミックの減少が続いているが、ITシステムを使った新たなSPソリューションの強化が進んでいる。具体的には、調剤薬局で薬剤師が投薬の際に必ず確認する電子薬歴システムの画面に、ポップアップで「アドヒアランス※」情報を表示することで、患者の服薬を継続させる仕組みを製薬メーカーに提案している。
※アドヒアランス・・・治療方針の決定について、患者自身が積極的に参加し、その決定に沿って治療を受けること。

薬局向けにマーケティング支援事業を行うサンクスネットと業務提携し、「アドヒアランス」情報を表示するプログラムを開発、2013年4月より約1,500店舗の薬局で実証試験を開始してきたが、2015年3月時点で4,000〜5,000店舗に同システムの導入が進んだことで、外資系メーカーを中心に受注実績が増加している。同社では導入店舗が10,000店舗を超えてくれば、マーケティングツールとしての重要性も高まり、受注のさらなる拡大につながっていくものとみている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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