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アドバネクス Research Memo(4):自動車用精密ばねは同社経営体質に最適

注目トピックス 日本株
■事業戦略

(2)自動車をコア領域とする成長戦略

大手の自動車用ばねメーカーは、シャシばねなど大型製品を得意としており、精密ばね分野で同社との直接的な競合は少ない。同社の競合先は、3,000から4,000社あると言われている中小零細メーカーになる。これらの企業は、おおむね海外に進出する体力がない。一度採用されれば、その車種の生産が続く限り安定的な需要が見込まれるものの、人命にかかわることもあるため厳格な品質管理が必要となる。また、継続的なコスト削減が求められる。これらのビジネス特性を考慮すると、自動車用精密ばね事業は同社の経営体質に適していると言える。自動車の市場別売上構成比(プラスチック事業を除く)を、2014年3月期の30%から2020年3月期に40%へ高める計画としている。

日本国内で製品開発や試作品の製作が行われても、量産は海外という要望が多い。同社は、郡山試作センターと新潟工場が連携をして、海外工場における量産のサポートをしている。試作センターは、試作時から自動加工を念頭において開発する。海外工場のスタッフは、新潟工場での研修経験があり、意思の疎通がしやすい。新潟工場は海外工場の設備や生産レベルを熟知しているため、事前に問題点を検討できる。また、日本と海外工場と同じマシンを設置していることが、ワールドワイドの対応を可能にしている。

アドバネクス<5998>は、自動車向け事業の一層の拡大のため、専用工場を埼玉県に建設している。本庄市を選んだ理由の1つは、日系及びドイツ系部品メーカーとの取引拡大を想定してのことだ。同工場内には研究開発機能を併設する。自動車産業向け品質マネジメントシステムISO/TS16949を取得する予定である。新工場の概要は、敷地が12,000平米、延べ床面積が約5,000平米、投資額が約1,300百万円、従業員が約30名、生産予定額は2〜3年後に3,000百万円としている。国内の既存工場から生産設備の一部を移設することに加え、NCフォーミングマシンなど新規設備も導入する。線ばね、板ばね、深絞り等の製品を生産する。重点製品の 自動車用締結部品(インサートカラー)は、自動車軽量化に伴う需要の拡大に加え、材料幅で加工でき、スクラップになる部分が少なく、また、カットと曲げを1工程で済ませることが出来るマルチフォーミング加工という工法で製造していることから従来の切削加工品と比べ大幅なコストダウンも実現しているなど、同社の戦略製品として位置づけられている。製造工程では、極力人手を排し、自動化する「スマートファクトリー」を目標としている。専用工場の開設により、自動車業界におけるプレゼンスを高め、事業拡大を目指す。

他の市場別売上構成比は、2014年3月期から2020年3月期への変化を見ると、OA機器が30%→20%、医療機器が6%→10%、インフラ/住設機器が5%→10%、その他が29%→20%となっている。自動車向けは、民生用電子機器に比べて需要が安定している。規模も大きい。反面、取引先はTier 1の自動車部品メーカーなどの大企業であり、継続的なコスト削減の要請から、高収益性は追求しづらい。一方、医療機器やインフラ/住設機器は、製品の要求レベルが高い反面、技術力を生かしてサプライヤーの地位を獲得すれば、長期的な需要が見込める。製品のモデルチェンジも頻繁でなく、高収益を上げる余地がある。

その好例が、英国子会社の医療用精密ばね製品である。売上高の4割強を占め、同子会社の高収益に寄与している。1977年に医療品事業に進出したが、1999年に欧州の大手医薬品メーカーから喘息薬の定量噴霧式吸引器に使われる精密ばねを受注したことが飛躍のきっかけとなった。他社製品では基準をクリアできなかったが、新潟工場の開発したばねが合格し、受注に成功した。製造用装置を英国に移送し、量産を開始した。同社は、英国での成功例を、日本を始めとする他の地域にも展開する考えだ。国内シェア60%を持つ留置針用コイルばねは、今後10年は仕様の変更がないようだ。

インフラ分野でも、同社の製品力が発揮される。ボルト・ナットの緩み・脱落防止スプリング「ロックワン(旧商品名「タモント」)」は、NAS3350(米国宇宙航空規格)に準拠した衝撃型振動試験機を用いた試験に合格した。鉄道総研が行った線路のボルト・ナット緩み防止部品の半年から1年間にわたるフィールドテストの結果で、最も良い結果を出したのは同社のロックワンだった。また、高速道路の遮蔽板や案内板の脱落防止用途も期待できる。高速道路のように振動が多い場所では、ボルト・ナットの緩みが生じやすい。他社製品では、ナットに緩み防止機能を内蔵させているものがあるが、ナットごと替えなければならない。同社の場合は、市販のソケットレンチを使用してナットの上からタモントを簡単に装着でき、作業も楽で、コストも低くて済む。ユーザーは緩みの点検頻度を少なくできる。住設設備市場では、新築のマンションのバルコニーのアクリル板等に使用されるナットの緩み止めに用いられている。形状が複雑であることから現在、ロックワンを量産化出来るのは当社だけである。

代表取締役社長の柴野恒雄(しばのつねお)氏は、お客様が満足する使い勝手の良いものを追求していくと、その結果として製品に機能美が現れる「美しい作品」になると言っているが、ロックワンはそのような機能美を体現している。

(3)自社製品(規格品)の開発強化と売上拡大

商社経由やネット販売による規格品の販売を強化している。製品ラインナップは、3,000種余りに増えた。前述のロックワンも販売している。海外への展開も行う。小売のB2Cで同社並びに製品の認知度を高め、海外を含めB2Bに発展させ、特注品の受注につなげていく計画としている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)



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