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キャリアリンク<6070>---マイナンバー関連の出遅れ

注目トピックス 日本株
ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』6月18日放送において、キャリアリンク<6070>を取り上げている。主な内容は以下の通り。

■注目ポイント
派遣法改正などで再度関心が高まりつつある人材関連業界の一社として注目。また、マイナンバー関連の出遅れとして位置づけられることも妙味と考えたい。

■事業概要
キャリアリンク<6070>は1996年に創業した人材派遣会社で、現在は「BPO 関連事業」「CRM 関連事業」「一般事務事業」「製造技術系事業」と4 つの事業を展開している。各事業別の売上構成比は、BPO 関連事業が60.3%、CRM 関連事業が21.8% と両事業で全体の80% 以上を占めている。

■BPO 関連事業
BPO (Business Process Outsourcing) とは、企業や官公庁などが業務の効率化、コスト削減、あるいはサービスの質の向上などを目的として、特定の業務プロセスを外部の専門業者に委託することで、受託する事業者をBPO 事業者という。同社はBPO 事業者が請け負ったBPO 業務への人材派遣、業務効率化等の企画提案を踏まえたインセンティブ契約に基づく人材派遣、官公庁や企業等の業務プロセスの業務請負などを行っている。

企業や官公庁等がBPO を導入するメリットは、固定費の流動化や管理コストの削減が挙げられ、また、窓口業務やコールセンター業務などでは、利用客に対するサービスの品質向上といった効果も期待できる。

■同社の強み
1,000 人を超える大量動員を要する大型プロジェクトでも、1 ヶ月程度の短期間で立ち上げることができる運用ノウハウを持っていることである。派遣スタッフの採用に関しては、独自の人材マッチングシステムによって、短期間で最適な人材を集めることを可能とし、また、派遣スタッフの労務管理も含めた現場での運用能力、さらには社員を現場に常駐させることによって、業務効率向上につながる改善施策を迅速に提案、実行できることも強みとなっている。

■CRM 関連事業
CRM (Customer Relationship Management) とは、企業が顧客満足度の向上を目的に、顧客との良好な関係を構築していくための経営手法を指す。同社においては、テレマーケティング事業者が請け負ったテレマーケティング業務への人材派遣・紹介、企業等のコンタクトセンターへの人材派遣・紹介、テレマーケティング業務の請負などを行っている。

■その他事業
一般事務事業は一般事務職をターゲットとした人材派遣、紹介予定派遣、人材紹介並びに一般事務の請負を行っている。製造技術系事業は企業の製造拠点等において、組み立て作業や製造・物流に関するすべての業務についての人材派遣、請負業務を行っている。同社では、BPO 案件の受注獲得につなげていくためのフック役として、これら事業を位置付けている。

■2015年2月期決算
2015年2月期の業績は、売上高が前期比20.3%増、営業利益が同179.9% 増と大幅な増収増益決算となった。主力のBPO 関連事業において、売上高が前期比35.9% 増収と好調に推移したほか、業務処理の効率化が進展したことで収益性が向上したことが大幅増益につながった。また、会社計画に対しても売上高、利益ともに上回る格好で着地している。BPO 関連事業増収の主たる要因は、民間企業向けの主力大型案件(復興関連、金融関連、事務処理センター関連等) の業務量がいずれも順調に拡大したことが挙げられる。

■2016 年2 月期業績見通し
2016 年2 月期の業績は、売上高が前期比17.4%増、営業利益が同14.4%増の951百万円と好業績が続く見通し。引き続き、BPO 関連事業が収益拡大のけん引役であり、民間向けの大型案件が堅調に推移するほか、「マイナンバー制度」導入に向けたプロジェクトが今夏以降に動き出す官公庁向けの回復も見込まれる。なお、会社計画については現段階でほぼ受注が確定している案件のみを計画に織り込んだ保守的なものとなっており、市場環境に今後大きな変化がなければ、増額となる可能性は大きい。

■マイナンバー関連分野の展開
「マイナンバー制度」導入に向けたスケジュールとしては、2015 年10 月より法人・個人向けに番号通知が開始され、2016 年1 月より個人番号カードの交付や地方公共団体での利用開始、2017 年以降に情報ネットワークシステム、マイポータルの運用が開始される予定となっている。

BPO 案件としては、まず10 月からの番号通知書発送に関わる業務が8~9 月頃に各地方公共団体で開始されることになる。10 月以降は発送書類に関する問い合わせセンターが、2016 年以降は個人カードの交付に関連する業務などが相次いで立ち上がることになる。業務内容からすると当初は簡易な作業となるため、派遣スタッフ動員数はさほど多くはないが、2016 年以降はスタッフ数も大量動員が必要になってくるものとみられる。

このため、マイナンバー関連の売上高に関しては今下期以降、右肩上がりで拡大していくことが予想される。今期の計画ではごく一部の売上高のみを計画に織り込んでいるが、各地方公共団体で今後開始される入札状況次第では、上積みされる可能性もある。

■中期計画
新たに2018年2月期までの中期経営計画では、数値目標として売上高が25,090 百万円、営業利益が1,520 百万円を掲げている。

業績拡大のけん引役はBPO 関連事業となる。同事業の売上高は2015 年2 月期比で104.3% 増と2 倍増を見込み、売上構成比では前期実績の60% から、2018 年2 月期に69%まで高めていく計画となっている。過去の業績ピークは官公庁向け大型BPO 案件が貢献した2013 年2 月期(売上高17,898 百万円、経常利益981 百万円) だが、それを大きく上回ることとなる。当時は同案件だけで売上高の半分近くを占めていたが、今回は民間企業向けBPO 案件の拡大に加えて、マイナンバー関連が貢献してくる格好となる。

マイナンバー関連全体の業務規模は、大量動員による短期間での立上げ及び安定した運用が求められるため、過去において官公庁向け大型プロジェクト案件の短期間立上げ及び安定運用経験のノウハウを持つ同社が一定のシェアを獲得する可能性は高い。同社では、それに備え、現場で監督・管理する社員を前期で40 名程度中途採用し、人材育成を進めている。

ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送





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