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ODK Research Memo(1):独自のビジネス領域に特化した情報処理アウトソーシングサービス

注目トピックス 日本株
ODKソリューションズ<3839>は情報システムの運用を中心に、開発及び保守等も手掛けるITサービス企業。学校法人の入学試験業務をはじめ、証券会社等のバックオフィス業務の受託といった独自のビジネス領域に特化した情報処理アウトソーシングサービスを提供する。2015年の入試では約80万人の志願者データを処理、8年連続して大学入試センター試験の志願者数を上回る処理実績を有し、民間企業でシェアトップ。2010年以降、教育業務拡大を図るため、リクルートホールディングス<6098>、学研ホールディングス<9470>、ナカバヤシ<7987>等と業務提携を積極化している。

東京証券取引所と大阪証券取引所の統合にともなうグループ会社再編により過去数年間にわたり業績は低迷を余儀なくされてきた。2015年3月期の連結業績は、このマイナス影響があったものの、主力の教育業務と証券・ほふり業務の受注拡大により売上高は前期比2.5%増の3,319百万円と増収を確保し、2009年3月期以来6期ぶりに増収に転じた。営業利益は同38.9%減の177百万円と2ケタ営業減益となったが、主力の教育業務を中心に成長投資の費用負担があったためだ。

2016年3月期の連結業績は、売上高が前期比14.5%増の3,800百万円、営業利益は同15.4%減の150百万円と、2ケタ増収ながら営業減益を見込んでいる。証券金融会社統合等によるマイナス要因が一巡することに加えて、受注増や協業によるプラス効果により主力の教育業務が拡大すると見ていることが増収の主要因。対照的に、営業減益が続くのは、積極的な成長投資を継続していることによる。

今年4月に発表した中期経営計画(2016年3月期から2018年3月期:目標は2018年度単体売上高4,600百万円、経常利益300百万円、年10円の安定配当を堅持)では、国がすすめる教育ICT政策やマイナンバー制度導入等をビジネスチャンスと捉え、主力の教育業務、証券・ほふり業務を拡大させる「新しいODKへのモデルチェンジ」を目標とする。その基本戦略は、(1)アライアンス・M&Aを活用した新規事業創出(2)商品力強化(3)業務推進方法の見直し、固定費の削減。

既に連携強化・リソース共有の施策の中には想定以上の成果を上げ始めているものも散見され、今後収益柱である入試アウトソーシングサービスの受注拡大につながってくれば、新たな成長ステージに突入したことを確認できると弊社では考える。このため、同社が推進する提携先との連携強化・リソース共有の今後の具体的な成果に注目している。

■Check Point
・独自業務のウエイトは90%を超える水準
・模擬試験向けシステムサービス等により教育業務が拡大
・教育ICT政策やマイナンバー制度導入をビジネスチャンスと捉える

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)



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