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ODK Research Memo(5):教育ICT政策やマイナンバー制度導入をビジネスチャンスと捉える

注目トピックス 日本株
■中期経営計画

ODKソリューションズ<3839>では、成長分野で国がすすめる教育ICT政策※1やマイナンバー制度導入※2等をビジネスチャンスと捉え、「新しいODKへのモデルチェンジ」を目標とする2016年3月期−2018年3月期の中期経営計画(目標:2018年度単体売上高4,600百万円、経常利益300百万円、年10円の安定配当を堅持)を4月28日に発表した。
※1文部科学省が2011年4月に策定した「教育の情報化ビジョン」で次期学習指導要領がスタートするとされる2020年までに全国の小中学校で1人1台のタブレット端末の整備を目標としている。
※2社会保障・税番号制度。社会保障・税制度の効率性・透明性を高め、国民にとって利便性の高い公平・公正な社会を実現するための社会基盤。今年10月に国民一人ひとりに12ケタの個人番号を割り当て、16年1月から社会保障、税、災害対策の行政手続きで順次利用開始が予定されている。

独立系IT企業となった同社は、収益構造改革に向けた基本戦略として、(1)アライアンス・M&Aを活用した新規事業創出(2)商品力強化(3)業務推進方法の見直し、固定費の削減、を掲げている。それを実現するための重点課題は、(1)提携先との連携強化・リソース共有、(2)教育ICT・マイナンバー制度への対応強化、(3)機能別オペレーションへの段階移行、拠点の機能明確化と集約、の3点としている。

教育業務では、提携先との連携強化・リソース共有の具体的な動きとして(株)学研メディカル秀潤社との協業によりテスト事業へ参入したほか、ナカバヤシとの協業で資格・検定分野へ参入することにより新サービスの開発及び顧客拡大をすすめる。加えて、教育ICTへの対応強化では学研ホールディングスと協業し教育コンテンツのラインナップ拡充をすすめることで、教育関連事業領域の拡大を図り新規ユーザーの獲得を狙う。最終的には、リクルート、学研と協業している出願システムのユーザーである大学や中学、高校や新規事業のユーザーに対するターゲット別提案営業を積極化させることで、主力サービスである入試アウトソーシングサービスの受注につなげる戦略。一方、システムのオペレーション面ではユーザー別になっているシステムエンジニアを、提供するサービス単位の機能別に振り分けることで生産性を高める計画。加えて、教育業務の拠点を五反田オフィスに集約することで効率を一段と高める改革に着手している。

証券・ほふり業務では、(1)既存サービスの強みを切り出した新たなサービスの提供体制を構築、(2)マイナンバー制度への対応支援サービス提供を行うことにより、収益の拡大を狙っている。

中計初年度である2016年3月期は成長投資の負担がマイナス影響を与えるため、2ケタ営業減益を見込んでいるが、リクルートとの協業のWeb出願システムは想定以上の成果を上げ始めており、今後収益柱の入試アウトソーシングサービスの受注拡大につながってくれば、新たな成長ステージに突入したことが確認できると考える。このため、同社が推進する提携先との連携強化・リソース共有の今後の具体的な成果に注目したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)



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