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ダイコク電機 Research Memo(1):他社の追随を許さない圧倒的な優位性

注目トピックス 日本株

ダイコク電機<6430>は、パチンコホール向けコンピュータシステムの開発・製造・販売、並びにパチンコ・パチスロ遊技機の表示・制御ユニット、パチスロ遊技機の開発・製造・販売等を2本柱としている。主力のホールコンピュータ分野では、デファクトスタンダードとなっている管理手法の提供等により、業界No.1の市場シェア約35%を握る。また、パチンコホールの経営を支援する業界唯一の会員制情報サービス「DK-SIS」では、会員ホール数3,719店(2015年3月期末現在)とのネットワークを形成し、同社の事業基盤を支えている。自社開発パチスロ遊技台の製造・販売にも本格参入した。

同社は、年々縮小傾向にあるパチンコ市場等をふまえ、中長期を見据えた事業改革に着手した。事業改革の柱は、1)次世代ホールコンピュータの開発、2)ストック収益モデルへの転換、3)自社開発パチスロ遊技機の拡大である。特に次世代ホールコンピュータは、数年間で約100億円(周辺機器を含む)の開発費を投入する計画を進めているが、クラウドサーバーを駆使したビッグデータ対応による高度な分析機能を有しており、他社の追随を許さない圧倒的な優位性により市場シェアの拡大を目指す。

2015年3月期の業績は、売上高が前期比5.1%減の54,043百万円、営業利益が同73.3%減の1,425百万円と減収減益であった。売上高はほぼ計画線であり、研究開発費等による利益水準の押し下げも想定内であったものの、取引先遊技機メーカーの自己破産に伴う損失など一時的なコスト要因がさらに利益を圧迫した。したがって、注力する周辺機器の伸長や自社開発パチスロ遊技台の順調な立ち上がりに目を向ければ、同社の業績は概ね計画どおりに進捗しているとみていいだろう。

2016年3月期の業績予想について同社は、売上高を前期比11.0%増の60,000百万円、営業利益を同40.3%増の2,000百万円を見込んでいる。年度後半に予定されている業界の自主規制の影響※が懸念されるものの、自社ブランドによるパチスロ遊技台の本格展開が同社の業績の伸びをけん引する計画となっている。
※射幸性の高い機種を制限するものであり、パチンコ遊技台が2015年11月より、パチスロ遊技台は2015年12月より適用が予定されている。

弊社では、自主規制の影響とパチスロ遊技台の販売動向が同社の業績を左右するものとみているが、これまでの実績や計画の前提条件等を勘案したうえで、同社の業績予想の達成は可能であると判断している。

■Check Point
・パチンコホールコンピュータ業界No.1の市場シェア
・情報システムは3期連続で過去最高の売上
・今期はパチスロ遊技機の本格展開が大きく寄与

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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