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ダイコク電機 Research Memo(6):今期はパチスロ遊技機の本格展開が大きく寄与

注目トピックス 日本株

■決算概要

(3) 2016年3月期の業績予想

ダイコク電機<6430>は2016年3月期の業績予想について、売上高が前期比11.0%増の60,000百万円、営業利益が同40.4%増の2,000百万円、経常利益が同27.7%増の2,000百万円、当期純利益が同60.2%増の1,400百万円と増収増益を見込んでいる。

期初時点の前提条件として、業界の自主規制の影響が懸念されるものの、パチンコ・パチスロ業界は総じてほぼ横ばいで推移するものとみているようだ。

事業別売上高では、情報システム事業が、前期までの新商品効果の一巡などにより減収を見込むものの、制御システム事業におけるパチスロ遊技機の本格展開が増収に大きく寄与する想定となっている。

また、損益面では、次世代ホールコンピュータ向けの開発費や、パチスロ遊技機の販売台数増加による業務委託費、販売促進費及び販売手数料により販売管理費が18,000百万円(前期比26.5%増)に拡大するものの、前期の一時的なコスト要因の解消等により営業利益率は3.3%(前期は2.6%)に改善する見込みである。

事業別の業績予想は以下のとおりである。

情報システム事業は、売上高を前期比5.7%減の35,000百万円、セグメント利益を同31.7%減の2,900百万円と見込んでいる。ホールコンピュータの販売台数は150台(前期比14.5%増)を想定している。ただ、前期まで新商品効果より想定を上回るペースで拡大してきた周辺機器(CRユニットや情報公開機器)の一巡や稼動利益の縮小を保守的に見積もったことが減収予想となった要因である。一方、同社が推進している経営支援サービス(MGサービス)の売上高は3,720百万円(前期比10.0%増)と着実な伸びを見込んでおり、利益率の高いサービスが業績の下支えになるものとみられる。

また、損益面では、減収による利益の下押しに加えて、次世代ホールコンピュータ向けの開発費を3,700百万円(前期比36.5%増)に拡大する計画であり、セグメント利益率は8.3%(前期は11.4%)に低下する見込みである。

制御システム事業は、売上高を前期比47.5%増の25,000百万円、セグメント利益を1,000百万円(前期は1,105百万円の損失)と大幅な業績の回復を見込んでいる。前期に引き続き、表示ユニットの販売台数が機種数の伸び悩みやリユース品比率が昨年並と見込むものの、自社ブランドによるパチスロ遊技機の本格展開が業績の伸びを大きくけん引する想定となっている。具体的には、4機種で合計30,000台の販売計画の下、売上高10,000百万円と黒字転換を見込んでいるようだ。

また、損益面では、研究開発費が1,900百万円(前期比69.0%増)と拡大するものの、増収により吸収するとともに、前期の一時的なコスト要因の解消等により、セグメント利益率は4.0%(前期は1,105百万円の損失)に大きく改善する見込みである。

弊社では、自主規制の影響とパチスロ遊技台の販売動向が今期の業績を左右するものとみている。前者は年度後半に向けてネガティブインパクトとなる可能性があるが、同社では十分にその影響を分析したうえで予想に織り込んでいることから、業績の下振れ要因にはならないものと判断している。また、後者についても、前期のヒット作品「ささみさん@がんばらないすろっと」の実績が示すとおり、同社ブランドがアニメに特化したハイクオリティのブランドとして認知されてきており、1機種平均7,500台の販売計画は、さほど高いハードルではないものとみている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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