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BBT Research Memo(6):国際バカロレア認証取得を進め、アジアNo.1インターナショナルスクールへ

注目トピックス 日本株
■成長戦略

ビジネス・ブレークスルー<2464>は今期以降の経営重点施策として、「国際バカロレアの普及・拡大に向けたインターナショナルスクール事業の拡大、及び生涯教育プラットフォームの構築」、「BBT大学/大学院等のコア教育プログラムの拡充」、「法人営業の強化」の3つを挙げている。

(1)国際バカロレアの普及・拡大に向けた取り組み

同社は、まず自社のインターナショナルスクールで国際バカロレアの認証取得と教育の質向上を進め、「アジアNo.1のインターナショナルスクール」を目指す戦略である。その後、蓄積したノウハウやコンテンツを共有し、国際バカロレアの認証取得を目指す教育機関に対してプラットフォームサービスを提供する構想を描いている。

○インターナショナルスクール事業の拡大
今後、幼児教育の体制を強化する方針だ。アオバの幼児教育の拠点は、光が丘、青葉台の両キャンパスのほかに、2014年11月に子会社化した「JCQバイリンガル幼児園」(JCQ)がある。JCQにおいても、2016年度中にPYPプログラムの認証取得を目指している。さらに、5年以内には東京都心部を中心に10ヶ所程度の幼児園開設を進める計画である。

幼少期の子女をもつ若い世代の親を中心にグローバル教育への関心は急速に高まっている。「JCQバイリンガル幼児園」は現在、中央区晴海にキャンパスを構えるが、現在は定員数(150名)に対して、約130名の園児数と安定した稼働率を維持する。幼児園の場合、通園範囲が半径3km程度と狭い。今後、拠点数の拡大により、拡大する需要を取り込みたい意向だ。

定員数150名程度の幼児園を開設したと仮定すると、初期投資額は200百万円程度が必要となり、売上高は250〜300百万円程度、営業利益率は15%程度が想定される。新規開設だけではなく、M&Aなどの活用も選択肢として考えており、2016年3月期から拠点拡大に向けた取り組みを進めていく方針だ。新規開設校であれば、収益化まで1〜1.5年程度、既存校の子会社化の場合でも半年から1.5年程度で収益化できるものと予想される。

国際バカロレアに対応した幼児園となるため、園長や先生などの良質な教員の確保が課題となるが、同社では採用ノウハウと研修プログラムをすでに確立しており、更に既存校からの応援体制も充実することにより、十分対応可能とみている。

国際バカロレアの初等教育プログラム(PYP)認定校は東京で4校※のみであり、参入障壁も高い。インターナショナルスクール事業の拡大(生徒数の獲得・拡大)を進めていくうえで、幼児教育の体制強化を進めることは、今後の重要な差別化要因になると考えられる。なお、小・中・高校部の拠点については現状を維持する方針である。
※取材後の2015年6月10日現在、PYP認定校は東京で5校

○プラットフォームサービスの提供
同社は、直営のインターネットスクールを軌道に乗せた後に、そのノウハウやコンテンツを活用して、国際バカロレアの認証取得を目指す教育機関に対して、eラーニングのプラットフォームサービスを提供する事を計画している。eラーニングであるため潜在的な対象顧客は、国内外を問わない。サービス開始時期は、2〜3年後を目指している。

国際バカロレア認定校は、シンガポールや中国、インドなどのアジア各国において、安定的に増加傾向にある。これら各国は、国策として教育のインフラ整備が重要と考えており、国際化が進展するなか、外資系企業の進出によって在留外国人の増加が進んでいることが背景にある。日本は、こうした教育のグローバル化への取り組みが遅れていることは否めず、昨今のアジア各国の大学の国際的な評価が向上しているのに対して、日本の大学の地位低下につながる一因と考えられている。

政府は「日本再興戦略(改訂2014)」の中で、「国際的に活躍できるグローバルリーダーの育成」を旗印に大学の改革を進める方針を打ち出している。具体的な成果目標として、今後10年間で世界大学ランキング100に10校以上入ること、2020年までに海外への日本人留学生を6万人(2010年時点)から12万人へ倍増し、また、国内への外国人留学生を倍増させること(2013年5月時点で13.5万人)、国際バカロレア認定校を200校まで増やすこと、などを挙げている。教育のグローバル化への対応が今後進展していくなかで、いち早く国際バカロレア認証取得を進める同社の取り組みは、一段と重要性が高まるものと予想される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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