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EMシステムズ Research Memo(9):医療システム事業の拡大で新たな成長ステージ

注目トピックス 日本株
■中長期展望

(2)戦略の具体的な動き

(a)調剤システム事業
主力の調剤システムが旧システムの「Recepty」から「Recepty Next」へのリプレースが2015年3月期に完了したことに伴い、同事業部門の拡大を継続するためには、他社、新規ユーザーの獲得が必要不可欠であるであることを踏まえて、営業体制の見直しを断行。コスモシステムズ(株)と中四国支店の合体や販売代理店支援組織新設、メディカルシステムネットワークグループとの業務提携などを行っている。

(b)医科システム事業の事業規模拡大
医科システム事業は2013年9月に(株)ユニコンを子会社化したことにより事業規模が嵩上げされた。14年4月に営業体制を一元化したのに続き、製品の融合(2016年3月期上半期に予定されている「ユニメディカル クラークスタイル」の投入はその一環)を果たすことでシナジー効果を追求する体制を確立しようとしている。さらに、2016年3月期からは医科営業部門の独立採算化による収益改善を目指す体制とした。特に、首都圏と関西圏では直販による拡販を推進する一方で、その他の地域は販売代理店の活用により販売積み上げを図る戦略だ。今後は、メディパルホールディングスへの第三者割当増資に代表されるような関係強化が、その他の医薬品卸、医薬品ネットワーク事業会社、臨床検査会社等とも加速すると見られる。

(c)EHR及びPHRなどによる医療情報連携の拡大
EMシステムズ<4820>は新たな情報通信技術戦略工程表に記載されている「どこでもMY病院」構想の実現に関して、処方箋情報の電子化に伴うEHR(Electronic Health Record:電子医療記録の連携)及びPHR(Personal Health Record:個人健康記録の連携)に関する研究開発や実証事業に積極的に取り組んでいる。医科システムの拡大が進めば、「どこでもMY病院」の実現時にユーザーである調剤薬局、診療所・クリニックと患者を結びつけるハブとして同社のデータセンターが重要な役割を果たす仕組みを作るのが狙いと考えられる。

弊社では、新中期経営計画の初年度である15年3月期業績は消費税増税特需の反動減や医療制度改革の影響などから計画未達となったが、営業体制強化、メディパルホールディングスやメディカルシステムネットワークとの関係強化、業務提携などに見られる基盤拡充策の効果が今後顕在化してくると予想、医科システム事業の拡大に伴って新たな成長ステージに突入したと考えている。16年3月期にどれだけ医科システム事業を拡大させられるかどうかが、今後の成長ペースを占うカギとなろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)



<YF>

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