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フォーカスシステムズ Research Memo(2):サブ・コントラクターの役割を担う中堅システムインテグレーター

注目トピックス 日本株
■会社概要・沿革

(1)会社概要

フォーカスシステムズ<4662>は独立系の中堅システムインテグレーター。情報システムに関するコンサルティングからシステム開発、運用・保守までのサービスを一貫して提供する。主力事業のシステムの受託開発のほか、ITサービス、C4暗号技術※1やデジタル・フォレンジック※2などの情報セキュリティ関連製品の開発、販売なども手掛けている。主要顧客はプライム・コントラクターであるNTTデータや日本IBMなどの大手システムインテグレーターであり、当該大手が、官公庁、金融機関、民間企業などのエンドユーザーから受注したプロジェクト開発に参画しプログラム開発を行う、いわゆるサブ・コントラクターとしての役割を担う。1996年12月に株式を店頭登録(現東京証券取引所JASDAQ・スタンダード市場上場)、2015年5月に東京証券取引所市場第2部へ上場した。
※1 C4暗号技術(C4S及びC4Custom)は、安全で強度の高い独自の暗号方式。安全で処理速度の速いセキュリティ環境を、マルチプラットフォームで実現できる暗号アルゴリズム。
※2 不正アクセスや機密情報漏えいなどコンピュータに関する犯罪や法的紛争が生じた際に、原因究明や捜査に必要な機器やデータ、電子的記録を収集・分析し、その法的な証拠性を明らかにする手段や技術の総称。

(2)沿革

同社の前身は、1977年4月にソフトウェア開発を目的に、前同社経営陣の東光博(ひがしみつひろ)氏・柿木龍彦(かきぎたつひこ)氏により設立された(株)フォーカスシステムズ。なお、社名の「フォーカス」には、ソフトウェア開発を請け負うに当たり、「ユーザーの求めるニーズに的確に焦点(フォーカス)を合わせる」、「時代が要求する技術に的確に焦点(フォーカス)を合わせる」という気持ちが込められている。

1986年4月にフォーカスシステムズを存続会社として、同様にソフトウェア開発を行う、前出の東光博(ひがしみつひろ)氏が設立した国際ソフト(株)と、専務取締役の畑山芳文(はたやまよしふみ)氏が設立した(株)アクトリソースの3社が合併し現在のフォーカスシステムズとなる。その沿革は、a)創業から1990年ごろまで:システムインテグレーション事業拡大による事業・顧客基盤確立期、b)1990年代:ITサービス事業拡大により総合情報サービス企業への事業基盤拡大期、c)2000年以降:情報セキュリティ事業拡大注力期の3つのステージに分けることができる。

a) 創業から1990年ごろまで:システムインテグレーション事業拡大による事業・顧客基盤確立期
1977年の設立当初は制御系ソフトウェア開発が主体であったが、1978年にOKI(沖電気工業)<6703>向けの電子交換機のソフトウェア開発業務の直接受注を開始し、通信向けソフトウェア開発で技術力、ノウハウを蓄積。さらに、1987年に電力設備系制御ソフトウェア開発で富士ファコム制御(株)(現(株)富士通アドバンストエンジニアリング)、1988年には官公庁向けシステムのソフトウェア開発でNTTデータの前身である日本電信電話<9432>のデータ通信事業本部へ取引先を拡大した。取引先の拡大に合わせてエンドユーザーは通信機器メーカーから官公庁へ広がった。

b)1990年代:ITサービス事業拡大による総合情報サービス企業への事業基盤拡大期
1997年には日本IBMと取引を開始し、システム保守・運用業務を受託。システムの高度化、大規模化、ネットワーク化を背景にシステム構築だけでなく、開発、運用、保守を含めた情報システムに関するトータルなITサービスを提供する体制を構築し、総合情報サービス企業としての事業基盤を確立した。

c)2000年以降:情報セキュリティ事業拡大注力期
1999年にセキュリティ事業に参入し、2001年にC4暗号技術の採用を決定。2004年9月には新分野デジタル・フォレンジック商品の販売を開始するなど、情報セキュリティ製品の開発・販売事業の拡大に注力している。

(3)大株主の状況

大株主の状況について見ると、会社の設立メンバーで経営者であった東光博氏(元会長、筆頭株主)、柿木龍彦氏(元社長、第4位)、石橋雅敏(いしばしまさとし)氏(元社長、第7位)の3名が上位に名を連ねるが、現在は経営にはタッチしていない。2位のUBIC<2158>は、同社がデジタル・フォレンジック事業に参入した2004年当時に協業していた関係から、2005年10月に株式取得したことによるもの。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)



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