ダイナック<2675>---積極的に新業態の開発や業態転換を行う
[15/07/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』7月2日放送において、ダイナック<2675>を取り上げている。主な内容は以下の通り。
■会社概要
ダイナック<2675> はサントリーグループの外食事業関連の中核子会社である。店舗展開として、「響」や「燦」といった和食レストラン、鳥料理の「鳥どり」、英国風パブの「ザ・ローズ& クラウン」など、異なる業態の店舗を次々と出店し、多業態型の発展を遂げてきた。最近では近畿大学による完全養殖クロマグロを扱う「近畿大学水産研究所」の業務運営を受託したことが話題となった。
■事業内容
レストランやバーの運営が主力事業。そのほか、各種イベント向けに数名から数千名規模のパーティーを引き受け、飲食の提供や企画・設営・運営を行う「ケータリング」事業、サマーギフトやおせち料理の販売などを行っている。
■主力事業
同社の主力事業はバー、レストランの経営だが、内容は大きく2 つに分けられる。1 つは同社自身が店舗の設備投資を行って運営する、いわゆる直営のバー・レストランの店舗運営である。もう1 つはゴルフ場やリゾート施設、文化施設、高速道路のサービスエリアなどのレストラン施設の運営のみを受託する、いわゆる受託ビジネスである。5月末現在、257 店舗を営業しているが、その内訳は、バー・レストラン直営店舗が5分の3、ゴルフクラブレストラン及びその他の運営受託店舗が5分の2となっている。
■受託ビジネス
受託事業では同社側は運営だけを行い、施設は委託者が用意する。同社からすれば設備投資の負担がないというメリットがある。収益性について同じ指標で比較するのは難しいが、直営に比べて安定的で投資効率が良いということは可能であろう。受託ビジネスではゴルフ場レストランやテーマパーク、文化施設等のレストランを受託している。ゴルフ場レストランの受託運営事業者としては、運営拠点数において全国でもトップクラスの地位にあるとみられる。
■直営店
同社は約160 店の直営店舗を抱えるが、その業態は多岐にわたっており、いわゆる多業態型の事業者と言える。また、時代の移り変わりや消費者の嗜好の変化に合わせて、積極的に新業態の開発や業態転換を行っていることも特徴的である。代表的な直営店舗ブランドには、主力業態として「響」「燦」「パパミラノ」などのほか、戦略業態として「魚盛」、ワイン倶楽部グループなど、小型店舗業態として「とりやき 源氣」や「HIGHBALL’ S」など、コラボ業態として「ラ・メール・プラール」や「近畿大学水産研究所」などがある。店舗の特徴は業態によっても異なるが、街の個人事業主の店舗や大手居酒屋チェーンなどと比較して、食事やサービスの質を若干高めた高付加価値型を追及していることと、一方で富裕層から超富裕層ゾーンには向かわず、平均よりも余裕のある都会のサラリーマン層といった中間層 を主たるターゲットにしている点だ。それを反映して、店舗の分布も、大阪では梅田近辺、東京では千代田・港・中央・新宿の各区といった都心部に集中している。
■事業戦略
外食産業の業績は、短期的には天候や経済動向の影響を受けやすいことは否定できない。しかし同社は、骨太の収益構造を構築するため、中期経営方針における重点施策として以下の4 つのポイントに注力している。すなわち、(1) 受託ビジネスの拡大、(2) 高付加価値業態の強化、(3) 基盤となる機能・サービスの革新、(4) 強みの源泉のブラッシュアップ、の4 点だ。2015 年12 月期は現行の3 ヶ年中期経営計画の最終年に当たるため、以上の4点の重点施策を着実に遂行し、2016 年12 月期からの次期中期経営計画における一層の業績飛躍に向けた基礎固めの年としたい考えだ。
■具体的な戦略
受託ビジネスでは、近年は文化施設や宗教関連施設、地方自治体関連など新たな領域にも展開している。高付加価値型業態の強化では、立地・物件の厳選、高付加価値小型業態の投入、他社とのブランド協業業態の開発などに取り組んでいる。機能・サービスの革新では、会員組織「倶楽部ダイナック」を活用したブランディング強化とリピーター率の向上だ。倶楽部ダイナックの会員は、飲食代金の10% 相当のポイントを獲得することができ、一定の数に達すれば飲食代金に充当できる。2014 年12 月末現在、会員数は23 万人、2014 年度の会員売上高は7,500 百万円、夜間来店客の会計客の40%がメンバーという状況にまで成長してきている。強みの源泉のブラッシュアップ分野では、人材の研修・教育が最も基本的な施策となる。
■前期業績
2014 年12 月期決算は、天候不順や円安による食材費や光熱費の高騰などの影響で苦戦したものの、3 期連続の増収増益を達成した。注目すべき点は、売上原価率が0.1 ポイント低下したこと。天候不順による売上高の伸び悩みや、円安による食材原価上昇などのマイナス要因を、食材共通化等による原材料仕入単価の削減や、人員のシフトコントロール徹底による生産性の向上で吸収した結果であるとみられる。
■今期業績見通し
2015 年12 月期通期は、売上高36,000 百万円(前期比3.5% 増)、営業利益1,150 百万円(同41.5% 増)を計画。2014 年12 月期は天候不順の影響が大きかったため、天候要因が例年どおりであれば、それだけで増収増益のベース要因となると期待できる。食材原価や労務費においてはコストアップ要因があるが、前期にそれらをコントロールしたという実績があることは、期待感が高まる。
他方、トップライン成長に関しては、2014 年に引き続き積極出店・業態転換が計画されている。特に2015 年12 月期は2014 年に検証・熟成を重ねた小型業態(「とりやき 源氣」や「HIGHBALL’ S」など) がどの程度伸びるかに注目。小型業態では、2014 年のパイロット店舗の実績はいずれも坪当たり月商20 万円〜 30 万円超の極めて良好な実績を残しており、従来型業態に比べて高い売上実績を挙げている。出店コストや立地の制約の点で、収益性は高くなる潜在力があるとみられる。
■今第1四半期実績
第1四半期業績は、「倶楽部ダイナック」などの販売促進活動により、売上高は8,141百万円(前年同期比4.3%増)となった。利益面では、原材料価格の高騰やゴルフ場レストランの季節的な要因の影響もあるが、営業損失は71百万円(前年同期は営業損失138百万円)と赤字幅は縮小している。
■株主還元策
株主還元について同社では、配当による還元を基本方針として年間10 円の配当を行っている。加えて、株主優待制度も実施しており、所有株式数に応じて食事券またはお米(コシヒカリ) を株主に贈呈している。最低投資単位である100 株を保有している場合、株主優待として1,000 円の食事券2 枚(2,000円相当) またはコシヒカリ2kg が贈呈されることになる。
ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送
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■会社概要
ダイナック<2675> はサントリーグループの外食事業関連の中核子会社である。店舗展開として、「響」や「燦」といった和食レストラン、鳥料理の「鳥どり」、英国風パブの「ザ・ローズ& クラウン」など、異なる業態の店舗を次々と出店し、多業態型の発展を遂げてきた。最近では近畿大学による完全養殖クロマグロを扱う「近畿大学水産研究所」の業務運営を受託したことが話題となった。
■事業内容
レストランやバーの運営が主力事業。そのほか、各種イベント向けに数名から数千名規模のパーティーを引き受け、飲食の提供や企画・設営・運営を行う「ケータリング」事業、サマーギフトやおせち料理の販売などを行っている。
■主力事業
同社の主力事業はバー、レストランの経営だが、内容は大きく2 つに分けられる。1 つは同社自身が店舗の設備投資を行って運営する、いわゆる直営のバー・レストランの店舗運営である。もう1 つはゴルフ場やリゾート施設、文化施設、高速道路のサービスエリアなどのレストラン施設の運営のみを受託する、いわゆる受託ビジネスである。5月末現在、257 店舗を営業しているが、その内訳は、バー・レストラン直営店舗が5分の3、ゴルフクラブレストラン及びその他の運営受託店舗が5分の2となっている。
■受託ビジネス
受託事業では同社側は運営だけを行い、施設は委託者が用意する。同社からすれば設備投資の負担がないというメリットがある。収益性について同じ指標で比較するのは難しいが、直営に比べて安定的で投資効率が良いということは可能であろう。受託ビジネスではゴルフ場レストランやテーマパーク、文化施設等のレストランを受託している。ゴルフ場レストランの受託運営事業者としては、運営拠点数において全国でもトップクラスの地位にあるとみられる。
■直営店
同社は約160 店の直営店舗を抱えるが、その業態は多岐にわたっており、いわゆる多業態型の事業者と言える。また、時代の移り変わりや消費者の嗜好の変化に合わせて、積極的に新業態の開発や業態転換を行っていることも特徴的である。代表的な直営店舗ブランドには、主力業態として「響」「燦」「パパミラノ」などのほか、戦略業態として「魚盛」、ワイン倶楽部グループなど、小型店舗業態として「とりやき 源氣」や「HIGHBALL’ S」など、コラボ業態として「ラ・メール・プラール」や「近畿大学水産研究所」などがある。店舗の特徴は業態によっても異なるが、街の個人事業主の店舗や大手居酒屋チェーンなどと比較して、食事やサービスの質を若干高めた高付加価値型を追及していることと、一方で富裕層から超富裕層ゾーンには向かわず、平均よりも余裕のある都会のサラリーマン層といった中間層 を主たるターゲットにしている点だ。それを反映して、店舗の分布も、大阪では梅田近辺、東京では千代田・港・中央・新宿の各区といった都心部に集中している。
■事業戦略
外食産業の業績は、短期的には天候や経済動向の影響を受けやすいことは否定できない。しかし同社は、骨太の収益構造を構築するため、中期経営方針における重点施策として以下の4 つのポイントに注力している。すなわち、(1) 受託ビジネスの拡大、(2) 高付加価値業態の強化、(3) 基盤となる機能・サービスの革新、(4) 強みの源泉のブラッシュアップ、の4 点だ。2015 年12 月期は現行の3 ヶ年中期経営計画の最終年に当たるため、以上の4点の重点施策を着実に遂行し、2016 年12 月期からの次期中期経営計画における一層の業績飛躍に向けた基礎固めの年としたい考えだ。
■具体的な戦略
受託ビジネスでは、近年は文化施設や宗教関連施設、地方自治体関連など新たな領域にも展開している。高付加価値型業態の強化では、立地・物件の厳選、高付加価値小型業態の投入、他社とのブランド協業業態の開発などに取り組んでいる。機能・サービスの革新では、会員組織「倶楽部ダイナック」を活用したブランディング強化とリピーター率の向上だ。倶楽部ダイナックの会員は、飲食代金の10% 相当のポイントを獲得することができ、一定の数に達すれば飲食代金に充当できる。2014 年12 月末現在、会員数は23 万人、2014 年度の会員売上高は7,500 百万円、夜間来店客の会計客の40%がメンバーという状況にまで成長してきている。強みの源泉のブラッシュアップ分野では、人材の研修・教育が最も基本的な施策となる。
■前期業績
2014 年12 月期決算は、天候不順や円安による食材費や光熱費の高騰などの影響で苦戦したものの、3 期連続の増収増益を達成した。注目すべき点は、売上原価率が0.1 ポイント低下したこと。天候不順による売上高の伸び悩みや、円安による食材原価上昇などのマイナス要因を、食材共通化等による原材料仕入単価の削減や、人員のシフトコントロール徹底による生産性の向上で吸収した結果であるとみられる。
■今期業績見通し
2015 年12 月期通期は、売上高36,000 百万円(前期比3.5% 増)、営業利益1,150 百万円(同41.5% 増)を計画。2014 年12 月期は天候不順の影響が大きかったため、天候要因が例年どおりであれば、それだけで増収増益のベース要因となると期待できる。食材原価や労務費においてはコストアップ要因があるが、前期にそれらをコントロールしたという実績があることは、期待感が高まる。
他方、トップライン成長に関しては、2014 年に引き続き積極出店・業態転換が計画されている。特に2015 年12 月期は2014 年に検証・熟成を重ねた小型業態(「とりやき 源氣」や「HIGHBALL’ S」など) がどの程度伸びるかに注目。小型業態では、2014 年のパイロット店舗の実績はいずれも坪当たり月商20 万円〜 30 万円超の極めて良好な実績を残しており、従来型業態に比べて高い売上実績を挙げている。出店コストや立地の制約の点で、収益性は高くなる潜在力があるとみられる。
■今第1四半期実績
第1四半期業績は、「倶楽部ダイナック」などの販売促進活動により、売上高は8,141百万円(前年同期比4.3%増)となった。利益面では、原材料価格の高騰やゴルフ場レストランの季節的な要因の影響もあるが、営業損失は71百万円(前年同期は営業損失138百万円)と赤字幅は縮小している。
■株主還元策
株主還元について同社では、配当による還元を基本方針として年間10 円の配当を行っている。加えて、株主優待制度も実施しており、所有株式数に応じて食事券またはお米(コシヒカリ) を株主に贈呈している。最低投資単位である100 株を保有している場合、株主優待として1,000 円の食事券2 枚(2,000円相当) またはコシヒカリ2kg が贈呈されることになる。
ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送
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