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スター・マイカ Research Memo(2):賃貸、売買により安定収益を生み出すユニークなビジネスモデル

注目トピックス 日本株
■会社概要

(1)沿革

スター・マイカ<3230>は2001年に代表取締役会長である水永政志(みずながまさし)氏が資産管理会社として設立した。同氏が前職の金融機関勤務時に、日本の不動産市場では入居中のファミリータイプの中古マンションの価格が空室の中古マンションに比べて安いことに着目し、入居中は賃貸、退去後はリノベーションを行い住居として売却する独自の事業モデルを構築した。設立後わずか5年で株式を大阪証券取引所ヘラクレス市場(当時)に上場した。また、中古マンションの買取り再販だけでなく、賃貸用物件を長期保有するインベストメント事業も拡大し、現在に至っている。

同社が2011年に受賞した「ポーター賞(競争戦略論と国際競争力研究の第一人者である米・ハーバード大学のマイケル・E・ポーター教授に由来)」は、製品やプロセス、経営手法においてイノベーションを起こし、それを土台に独自性がある戦略を実行した結果、業界において高い収益性を達成・維持している企業に与えられる。賃貸中の中古マンションという売買機会の乏しい市場にフォーカスし、独自のオペレーションやファイナンススキームを構築することで賃貸と売買から安定的に収益を生み出す同社の“ユニークなビジネスモデル“が高く評価された。

(2)事業内容

同社の事業は3つに分けられるが、主力は中古マンション事業である。各事業の概要は次のとおり。

●中古マンション事業
同事業では、中古マンションを1室単位で購入。購入後は、同社独自のノウハウでリノベーションを施し、中古マンションとして市場で販売して売却益を得る。また、同社では賃貸中の物件を積極的に購入しており、賃借人の入居期間中は賃料収入も得ている。なお、同社が対象とするのはファミリータイプのマンションであり、いわゆる投資対象であるワンルームマンションや高額マンションは事業対象としていない。

この中古マンション事業において同社が購入した物件は、「在庫」として流動資産(販売用不動産)に計上されている。これらの在庫資産が足元では賃料収入を生み出し、将来において販売された時点では、売上高及び売却益を生む形となる。このため、在庫の水準が同事業の将来の業績を計るうえで重要な指標となっている。中古マンションの保有残高(販売用不動産残高)は2015年5月末現在で34,176百万円と、業界トップクラスの規模を誇る。

●インベストメント事業
同事業では、中古マンション1戸単位ではなく、賃貸用不動産(住居用)を1棟買いし、それを継続保有して賃貸運用する。これらの不動産は有形固定資産に計上されている。2015年5月末現在の有形固定資産額は8,553百万円(前期末比15.7%減)で、この大部分がインベストメント事業用の賃貸用不動産である。残高が前期末比で減少しているのは、地方から首都圏へリソースを集中すべく資産入替を促進する中、地方物件の売却が先行したからである。

●アドバイザリー事業
同事業は前述の事業と異なり、バランスシートを使わない、純粋なフィービジネスである。金融と不動産のノウハウを融合し、エンドユーザーだけでなく、投資家、不動産保有者、開発業者等に対して様々な仲介・管理等のアドバイザリー・サービスを提供している。同分野においては、居住用マンションの取扱いに特化した仲介事業をスター・マイカ・レジデンス(株)、投資用物件の仲介・管理をファン・インベストメント(株)(ともに同社子会社)がそれぞれ展開している。なお、中古マンション事業における売却については、一部は販売子会社による直接販売も行っており、その外部顧客から受領する仲介手数料もこのアドバイザリー事業に含まれている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)



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