テクノアルファ Research Memo(2):半導体製造装置などを取り扱うエレクトロニクス事業が主力
[15/08/07]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業概要
テクノアルファ<3089>はワイヤボンダなど半導体製造装置の輸入商社から出発した技術専門商社である。事業セグメントは、パワー半導体用ワイヤボンダ及び消耗品を中心とした「エレクトロニクス事業」、「マリン・環境機器事業」、子会社のペリテックで手掛ける「SI事業」(計測・検査システムの製造販売、及びコンサルティングサービス)、子会社のKYAで手掛ける「サイエンス事業」(理化学機器の製造販売)と4つの事業セグメントに区分されている。
2014年11月期の事業別売上構成比で見ると、エレクトロニクス事業が66.1%、マリン・環境機器事業が14.5%、SI事業10.8%、サイエンス事業が8.4%となっており、エレクトロニクス事業が同社の主力事業となっている。
(1)エレクトロニクス事業
エレクトロニクス事業部門は半導体製造装置、電子材料・機器と大きく2つのカテゴリーに分けられる。このうち主力は半導体製造装置で、同事業部門の6〜7割程度を占めている。パワー半導体製造プロセスの後工程(組立工程)で用いられるワイヤボンダ(米Kulicke & Soffa(以下K&S)社製)並びにその部品や消耗品を仕入れ、同社が搬送装置などの付加価値を加えるなどした上で、国内の半導体メーカーに販売している。また、日系企業のアジア製造拠点等にも対応している。
パワー半導体は駆動電圧や電流が大きいため、端子とICチップをつなぐためのワイヤーは、比較的線径の太いアルミ線が主に使われている。このパワー半導体用ワイヤボンダの国内販売では、同社と超音波工業(株)が市場シェアを2分する格好となっており、ここ数年シェアの変動はない。主力顧客はトヨタ自動車<7203>系列の半導体製造会社を中心として、現在はほとんどの日系パワー半導体メーカーに納入している。
また、半導体装置の売上高は装置本体と消耗品に分けられるが、装置本体は半導体メーカーの設備投資動向に、消耗品は装置の稼働率(半導体の生産量)に影響を受ける。利益に関しては大半を消耗品で稼ぎ出す収益構造となっているため、同事業の収益はパワー半導体の生産動向と相関性が高いと言える。
半導体装置グループ
パワー半導体製造プロセスの後工程(組立)で使用されるアメリカKulicke & Soffa製のアルミ線ウェッジワイヤボンダーならびにその部品、消耗品の輸入販売、さらに技術サポートとして調整、オペレータ教育、保守を行っております。また、装置の導入前・導入後の顧客向けデモンストレーション及びトレーニングのためにワイヤボンダーに関する接合技術センターを本社内に設置しております。
一方、電子材料・機器の主な製品としては、半導体や電子部品、液晶などの組立工程で使用する接着剤や消耗品などのほか、卓上型ダイボンダやボンドテスタ、温度モニターシステムなどがある。国内外のメーカーから仕入れて、日系エレクトロニクスメーカーの開発部門や大学・研究所向けなどに販売している。このため、エレクトロニクス業界の研究開発投資動向に影響を受けやすい。
(2)マリン・環境機器事業
同事業の売上高の約7割を占めるマリン事業は、外国航路を就航する船舶に搭載される救命ボート(ニシエフ製)を国内の造船所に、救命ボートを昇降させるためのダビット(昇降機)を海上保安庁にそれぞれ販売している。ダビットの海上保安庁への納入シェアはほぼ100%となっている。
また、環境機器事業では、食品、化学、石油化学業界での液体分離を目的とした振動膜式ろ過装置やセラミック膜を海外から仕入れ、エンジニアリングを行った上で国内の顧客に販売している。
○SI事業
2011年9月に子会社化したペリテックの事業で、主に計測・検査システムを手掛けている。米大手計測制御機器メーカーであるナショナル・インスツルメンツ(NI)社のセレクト・アライアンスパートナーとなっており、NI社が開発したグラフィカルなプログラミング言語であるLabVIEW※を用いた計測・検査工程に関わるシステム開発に強みを持つ。主にNI社製の計測機器をベースに自社のソフトウェア開発力を生かして、顧客ニーズにマッチした計測・検査システムを作り上げ販売している。顧客には大手自動車、電子機器・部品メーカーが並び、また、宇宙航空研究開発機構(JAXA)からも表彰を受けるなど、試験・計測分野でのシステム開発力は高く評価されている。
※LabVIEW(Laboratory Virtual Instrumentation Engineering Workbench):NI社が開発したプログラミング言語の一種で、計測器分野ではデファクトスタンダードになっている。グラフィック言語となっているため、迅速なシステム開発が可能であること、WindowsやMacOSなど複数のOSでの互換性があり、マルチプラットフォームの開発環境を実現していることが特長となっている。
○サイエンス事業
2014年1月に子会社化したKYAの事業となる。同社は2001年設立のベンチャー企業で、国内の大学や研究機関等を主要顧客とし、理化学分野における各種分析器や消耗品の開発、製造販売を行っている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<HN>
テクノアルファ<3089>はワイヤボンダなど半導体製造装置の輸入商社から出発した技術専門商社である。事業セグメントは、パワー半導体用ワイヤボンダ及び消耗品を中心とした「エレクトロニクス事業」、「マリン・環境機器事業」、子会社のペリテックで手掛ける「SI事業」(計測・検査システムの製造販売、及びコンサルティングサービス)、子会社のKYAで手掛ける「サイエンス事業」(理化学機器の製造販売)と4つの事業セグメントに区分されている。
2014年11月期の事業別売上構成比で見ると、エレクトロニクス事業が66.1%、マリン・環境機器事業が14.5%、SI事業10.8%、サイエンス事業が8.4%となっており、エレクトロニクス事業が同社の主力事業となっている。
(1)エレクトロニクス事業
エレクトロニクス事業部門は半導体製造装置、電子材料・機器と大きく2つのカテゴリーに分けられる。このうち主力は半導体製造装置で、同事業部門の6〜7割程度を占めている。パワー半導体製造プロセスの後工程(組立工程)で用いられるワイヤボンダ(米Kulicke & Soffa(以下K&S)社製)並びにその部品や消耗品を仕入れ、同社が搬送装置などの付加価値を加えるなどした上で、国内の半導体メーカーに販売している。また、日系企業のアジア製造拠点等にも対応している。
パワー半導体は駆動電圧や電流が大きいため、端子とICチップをつなぐためのワイヤーは、比較的線径の太いアルミ線が主に使われている。このパワー半導体用ワイヤボンダの国内販売では、同社と超音波工業(株)が市場シェアを2分する格好となっており、ここ数年シェアの変動はない。主力顧客はトヨタ自動車<7203>系列の半導体製造会社を中心として、現在はほとんどの日系パワー半導体メーカーに納入している。
また、半導体装置の売上高は装置本体と消耗品に分けられるが、装置本体は半導体メーカーの設備投資動向に、消耗品は装置の稼働率(半導体の生産量)に影響を受ける。利益に関しては大半を消耗品で稼ぎ出す収益構造となっているため、同事業の収益はパワー半導体の生産動向と相関性が高いと言える。
半導体装置グループ
パワー半導体製造プロセスの後工程(組立)で使用されるアメリカKulicke & Soffa製のアルミ線ウェッジワイヤボンダーならびにその部品、消耗品の輸入販売、さらに技術サポートとして調整、オペレータ教育、保守を行っております。また、装置の導入前・導入後の顧客向けデモンストレーション及びトレーニングのためにワイヤボンダーに関する接合技術センターを本社内に設置しております。
一方、電子材料・機器の主な製品としては、半導体や電子部品、液晶などの組立工程で使用する接着剤や消耗品などのほか、卓上型ダイボンダやボンドテスタ、温度モニターシステムなどがある。国内外のメーカーから仕入れて、日系エレクトロニクスメーカーの開発部門や大学・研究所向けなどに販売している。このため、エレクトロニクス業界の研究開発投資動向に影響を受けやすい。
(2)マリン・環境機器事業
同事業の売上高の約7割を占めるマリン事業は、外国航路を就航する船舶に搭載される救命ボート(ニシエフ製)を国内の造船所に、救命ボートを昇降させるためのダビット(昇降機)を海上保安庁にそれぞれ販売している。ダビットの海上保安庁への納入シェアはほぼ100%となっている。
また、環境機器事業では、食品、化学、石油化学業界での液体分離を目的とした振動膜式ろ過装置やセラミック膜を海外から仕入れ、エンジニアリングを行った上で国内の顧客に販売している。
○SI事業
2011年9月に子会社化したペリテックの事業で、主に計測・検査システムを手掛けている。米大手計測制御機器メーカーであるナショナル・インスツルメンツ(NI)社のセレクト・アライアンスパートナーとなっており、NI社が開発したグラフィカルなプログラミング言語であるLabVIEW※を用いた計測・検査工程に関わるシステム開発に強みを持つ。主にNI社製の計測機器をベースに自社のソフトウェア開発力を生かして、顧客ニーズにマッチした計測・検査システムを作り上げ販売している。顧客には大手自動車、電子機器・部品メーカーが並び、また、宇宙航空研究開発機構(JAXA)からも表彰を受けるなど、試験・計測分野でのシステム開発力は高く評価されている。
※LabVIEW(Laboratory Virtual Instrumentation Engineering Workbench):NI社が開発したプログラミング言語の一種で、計測器分野ではデファクトスタンダードになっている。グラフィック言語となっているため、迅速なシステム開発が可能であること、WindowsやMacOSなど複数のOSでの互換性があり、マルチプラットフォームの開発環境を実現していることが特長となっている。
○サイエンス事業
2014年1月に子会社化したKYAの事業となる。同社は2001年設立のベンチャー企業で、国内の大学や研究機関等を主要顧客とし、理化学分野における各種分析器や消耗品の開発、製造販売を行っている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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