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ビューティ花壇---生花祭壇の巻き返しに生花卸売、ブライダル装花事業の成長

注目トピックス 日本株
ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』7月27日放送において、ビューティ花壇<3041>を取り上げている。主な内容は以下の通り。

■事業概要
ビューティ花壇<3041> は、葬儀の際に利用される生花祭壇等の企画・制作・設営を主力として、生花卸売やブライダル装花を含めた生花事業をコア事業としている。また、M&A を軸とした周辺事業の取り込みによる規模拡大と提案力向上にも積極的である。同社の特長は、技術難易度の高いデザイン性による差別化と、独自の調達ルートや大量仕入れを活かした価格競争力にある。特に価格競争力については、低価格による市場シェア拡大を狙う同社にとって重要な強みとなっている。ただ、大都市圏を中心とした葬儀の小型化により想定以上に単価下落が進んでいることに加え、円安に伴う仕入原価の高騰等が同社の業績停滞を招いている。

■足元の業績に関しては
2015 年6 月期第3 四半期累計期間(2014 年7 月- 2015 年3 月) の業績は、売上高が前年同期比1.8% 増の4,927 百万円、営業利益が51 百万円(前年同期は30 百万円の損失)、経常利益が26 百万円(同1 百万円の利益)、純損失が17 百万円(同9 百万円の損失)と増収及び営業黒字へ転換した。

主力の「生花祭壇事業」がおおむね横ばいで推移する一方、生花卸売事業を手掛けるマイ・サクセスの連結化による「生花卸売事業」の伸びに加えて、ビンク(人材派遣事業) 並びにセレモニーサービス(冠婚葬祭コンサルタント事業) の連結化により「その他の事業」が大きく伸長した。損益面では、依然として厳しい収益環境が続いているものの、台湾子会社(現在清算手続中) によるコスト要因がなくなったことに加えて、原価低減やコスト削減への取り組み、「その他の事業」による利益貢献等が損益改善につながった。なお、純損失が拡大したのは、投資不動産売却損を計上したことが原因である。

■15年6月期の見通し
同社は中期経営計画の初年度である2015 年6 月期の業績予想として、売上高を前期比1.7% 増の6,800 百万円、営業利益を433.9% 増の100 百万円、経常利益を同132.2% 増の100 百万円、当期純利益を同1.6% 増の50 百万円と業績回復を見込んでいる。なお、2015年5 月27 日付で「土木・建設事業」から撤退したが、期初会社予想からの変更はない。

事業別業績予想の開示はないが、「土木・建設事業」を除いて、各事業が伸長する見通しである。具体的には、低価格商品の推進による「生花祭壇事業」の巻き返しに加え、「生花卸売事業」におけるマイ・サクセスの連結化による上乗せや、「ブライダル装花事業」における新規拠点及び提携式場の稼働等による業績寄与などを想定している。また、「その他事業」についても、新たに連結化したビンク及びセレモニーサービスによる伸びを見込んでいる。

損益面では、原価低減やコスト削減に向けた施策の推進により、営業利益率は1.5% (前期は0.3%) に改善する見通しとなっている。

弊社では、2015 年6 月期第3 四半期までの実績等を考慮すると、同社予想の達成は可能であると判断している。「土木・建設事業」からの撤退による影響(約1 ヶ月分)は気になるものの、「生花祭壇事業」に回復の兆しが見られることや「その他事業」が大きく伸びていることがプラスの材料とみている。また、損益面でも、原価低減やコスト削減に向けた施策の効果が、第3 四半期以降、会計年度後半に向けて徐々に現れてくるものと予想している。

■中期経営計画
同社は、経常利益500 百万円と東証1 部への上場を中長期的な目標に掲げ、スケールメリットの追求や業界を束ねる企業体力を養うことにより、主導的な立場で業界再編を手掛ける構想を描いている。しかしながら、その構想自体に大きな見直しはないものの、想定以上に急激な単価下落による業績の落ち込みへの対応を図るため、新たに中期経営計画「Revival& Growth 2017」を策定した。初年度となる2015 年6 月期からの3 ヶ年を業績回復及び向上への期間と位置付けており、最終年度の2017 年6 月期には、売上高8,000 百万円、営業利益250 百万円(営業利益率3.1%) にまで業績回復を図る計画である。

同社グループのコア事業であり、強みを生かせるカテゴリーである生花事業(生花祭壇事業、生花卸売事業、ブライダル装花事業) に最大限注力するとともに、新規事業への投資については、成長性と収益性の期待できる事案に限定することで収益拡大を図ることを事業方針に掲げ、「ブランド力の再強化」「継続的な事業発展に向けた経営体制の強化」「既存事業の再構築と成長事業の更なる収益強化」「徹底したコストダウンによる筋肉質な企業体質への変革」「人材育成と新たな人事制度構築」など、将来の成長に向けた構造改革に取り組む内容となっている。


■配当や優待など株主還元策に関して
同社は、利益配分について「安定した配当の継続的な実行による株主に対する利益還元と内部留保の確保による将来の事業展開や経営環境の急激な変化への対応ができる経営基盤の強化」を基本方針としており、具体的な数値基準として配当性向30% を目安としている。

同社は、上場以来配当を継続しており、2009 年6 月期には赤字を計上したものの、無配とはしなかった。配当性向も30% 前後を維持している。2015 年6 月期も前期比0.05 円増配の年3.55 円配(配当性向30.1%) を予定している。

また、個人株主づくりを目的として毎年6 月30 日現在の株主を対象とした株主優待制度を導入している。具体的には、同社グループが運営するWeb サイトより胡蝶蘭を購入する際、または楽天市場よりプリザーブドフラワーを購入する際に、所有株数に応じた割引を受けることができる(プリザーブドフラワーは2014 年6 月期末より追加)。さらに、1 単元(100 株)以上を保有する株主全員に、熊本県のPR キャラクター「くまモン」をデザインしたグッズを贈呈する内容となっている。


ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送



<TM>

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