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木徳神糧 Research Memo(3):15/12期2Qの各利益の実績は修正予想を上回る

注目トピックス 日本株
■決算動向

(1) 2015年12月期第2四半期実績

●損益状況
木徳神糧<2700>の2015年12月期第2四半期決算は、売上高が51,082百万円(前年同期比5.3%減)、営業利益779百万円(同46.9%増)、経常利益797百万円(同45.0%増)、四半期純利益522百万円(同112.8%増)となった。同社は第1四半期決算発表時に第2四半期及び通期の予想を修正したが、第2四半期の実績はいずれの利益もこの修正予想を上回った。

セグメント別売上高は、米穀事業が41,036百万円(同5.5%減)、食品事業が3,870百万円(同10.7%減)、飼料事業が3,825百万円(同2.9%増)、鶏卵事業が2,350百万円(同4.9%減)となった。

またセグメント別営業利益(全社分消去前)は、主力の米穀事業が1,041百万円(同24.8%増)、食品事業が13百万円の損失(前年同期71百万円の損失)、飼料事業が144百万円(前年同期比10.3%増)、鶏卵事業が7百万円の損失(前年同期8百万円の損失)となった。

なお2014年6月までは、子会社東洋キトクフーズで行っていた惣菜事業が鶏卵事業の一部に含まれていたが、この惣菜事業から撤退したことで、鶏卵部門の事業内容は完全に鶏卵だけになった。これに伴い、同部門の費用の振替を行ったため前期の同部門のセグメント利益は下表のように修正されている。

主力の米穀事業では、2015年12月期第2四半期の米穀の総販売数量は214千トンとなり前年同期の205千トンから微増となった。内訳は、国内産精米97千トン(前年同期比2千トン増)、外国産精米(MA米含む)68千トン(同4千トン増)、玄米49千トン(同3千トン増)となっており、玄米も含めてすべての種類で増加した。向け先別では、生協やGMS経由で販売される一般家庭向けの精米販売は伸び悩んだが、一方でコンビニエンスストアや外食チェーン向け、いわゆる中食・外食向けの販売が増加したことで全体の精米販売量は微増となった。特に同社の大口顧客の1つであるセブン-イレブン向けが、同チェーンの四国や九州での出店増の影響もあり好調に推移した。

価格においては、平成25年産米の相対価格が14,000〜15,000円(キロ当たり)で推移したのに対し、平成26年産米は12,000円前後で推移した。このため同社の販売金額(売上高)は前年同期比で減少したが、一方で仕入価格も低位で推移したことから、十分な利益を確保することができた。加えて同社自身の努力による販売、製造、仕入の連携強化や販売規模の拡大、在庫管理の最適化、製販コスト見直しなどのコスト削減策も奏功しセグメント利益は増益となった。さらに米穀事業で特筆すべきは、海外事業(ベトナムでのジャポニカ米の事業)も利益拡大したことで、海外事業は今後も増益基調が続く見込みだ。

食品事業では、親会社が扱っている米加工食品等は比較的堅調であったが、子会社の内外食品(株)が行っている鶏肉事業が依然として不振であった。この鶏肉事業は以前から赤字を計上していたことから拠点の1つである船橋工場を閉鎖し、事業を茨城工場に集約して事業を縮小するリストラ策を進めてきた。このリストラは本来であれば2015年3月までに完了する予定であったが、遅れが出ており現時点では年内(12月)までに完了する計画となっている。

遅れてはいるものの、リストラは進んでおりセグメントの損失は前年同期に比較して縮小している点は評価できるだろう。最低でも収支トントンを目指しているが、黒字化のめどが立たないようであれば、事業撤退も含めた経営判断が必要となりそうだ。長年にわたる赤字事業であり、長期的な視点からは同事業の整理・精算は同社にとってプラス要因となるだろう。

飼料事業では、数量は横ばいで推移したが販売単価が上昇したことから増収となった。また穀類・牧草などが増加したことに加え、販売管理費を抑制したことから増益となった。

また鶏卵事業では、特殊卵の販売が減少したことから売上高は前年同期比で減少し、損益的には競争激化により仕入価格の上昇などもあり前年同期並みの営業赤字となった。

●財政状況
2015年12月期第2四半期の財政状況において、流動資産は13,693百万円(前期末比6,330百万円減)となった。主に決算期末を超えたことにより売掛債権が1,261百万円減少、在庫が順調に販売・消化されたことから商品及び製品が同917百万円減少、仕掛品・原材料・貯蔵品も同712百万円減少したことに加え借入金の返済等による現預金の減少960百万円、前渡金の減少2,504百万円などによる。固定資産は、投資その他資産の増加746百万円(主に投資有価証券)などにより全体で745百万円減少した。その結果、総資産は前期末比5,585百万円減の22,517百万円となった。

負債の部では、買掛債務が2,405百万円減少、さらに短期借入金(1年内償還予定の社債、1年内返済予定の長期借入金を含む)が1,604百万円減少、長期借入金等が694百万円減少したことから負債総額は6,232百万円減少し15,110百万円となった。四半期純利益の計上等により純資産は647百万円増加し7,406百万円となった。

●キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況は下表のようであった。営業活動によるキャッシュ・フローは、2,217百万円の収入となったが、主な収入は四半期純利益の計上(784百万円)、売上債権の減少(1,260百万円)、棚卸資産の減少(1,630百万円)などで、主な支出は仕入債務の減少(2,405百万円)であった。投資活動によるキャッシュ・フローは774百万円の支出となったが、主に有形固定資産の取得(206百万円)、投資有価証券の取得(428百万円)など。財務活動によるキャッシュ・フローは2,403百万円の支出となったが、主に短期借入金の減少(1,573百万円)、長期借入金の返済(1,149百万円)など。この結果、総額のキャッシュ・フローは960百万円減少し、期末の現金及び現金同等物残高は1,500百万円となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)



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