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サイオス Research Memo(3):既存事業の順調な推移などで増収も研究開発費増などで減益

注目トピックス 日本株
■決算動向

(1) 2015年12月期第2四半期累計決算の概要

7月29日付で発表されたサイオステクノロジー<3744>の2015年12月期第2四半期累計(2015年1月-6月)の連結業績は、売上高が前年同期比20.5%増の4,392百万円、営業損失が55百万円(前年同期は53百万円の利益)と増収減益となった。売上高は4月にKPSを子会社化したことに加えて、Red Hat,Inc.関連商品や「LifeKeeper」、MFP向けソフトウェアなど既存事業も順調に推移したことが大幅な増収要因となった。また、地域別売上高では、国内が前年同期比19.8%増の4,119百万円となったほか、海外も米国を中心に同32.2%増の272百万円と順調に拡大した。

一方、利益面では「SIOS iQ」など新製品開発のための研究開発費が前年同期比38.3%増の305百万円と増加したことや、営業・マーケティング費用の増加、「Red Hat Enterprise Linux」の競争激化による利益率低下などが減益要因となった。ただ、会社計画に対しては売上高、利益ともにほぼ計画どおりの進捗だったと言えよう。なお、連結従業員数はKPSの子会社化によって125名増の387名と大幅に増加した。KPS社員の大半はシステムエンジニアであり、開発面でのシナジーが今後期待できるとみている。事業セグメント別の動向は以下のとおり。

○オープンシステム基盤事業
オープンシステム基盤事業の売上高は前年同期比10.6%増の2,712百万円、セグメント損失は88百万円(前年同期は20百万円の損失)となった。

IT投資の拡大を背景に、Red Hat,Inc.関連商品や、OSSサポートサービスなどが順調に拡大した。また、「LifeKeeper」も国内が堅調に推移したほか、海外売上も円安効果によって2ケタ増収となった。特に「サイオスOSSよろず相談室」ではサイバーセキュリティ対策への関心の高まりもあって、顧客数も増加傾向となっている。

一方、利益面では新製品となる「SIOS iQ」の開発費増や、営業・マーケティング費用の増加が減益要因となった。また、「Red Hat Enterprise Linux」の競争激化による利益率低下もマイナス要因となった。

○Webアプリケーション事業
Webアプリケーション事業の売上高は前年同期比40.8%増の1,679百万円、セグメント利益は同55.6%減の32百万円となった。売上高の増収要因の大半はKPSの子会社化によるものだが、既存事業であるMFP向けソフトウェアも順調に推移した。

利益面では、MFP向けソフトウェアの機能拡張や新製品・サービスのための研究開発費などが増加したことが減益要因となっている。なお、KPSに関しては会社計画どおりの進捗となったようだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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