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三機工業 Research Memo(1):15/3期からひき続き増収増益で推移、積極的な株主還元も評価

注目トピックス 日本株

三機工業<1961>の主要事業は、オフィスビル、学校、病院、ショッピングセンター、工場、研究施設などの設備の企画・設計・施工・保守・改修などである。同社の強みは、多岐にわたる事業を横断的に融合させる総合エンジニアリングと90年の実績から培われた高い技術力や信用力である。

2015年3月期の業績は、受注高173,398百万円(前期比3.0%増)、売上高179,598百万円(同4.7%増)、売上総利益17,966百万円(同2.5%減)、営業利益2,951百万円(同4.7%増)、経常利益3,809百万円(同21.1%増)、当期純利益2,461百万円(同39.6%増)となり、前期比で増収増益となった。

2016年3月期第1四半期の業績は、受注高46,385百万円(前年同期比9.2%増)、売上高34,495百万円(同5.1%増)、売上総利益3,291百万円(同93.5%増)、営業損失630百万円(前年同期は2,085百万円の損失)、経常損失254百万円(同1,846百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失266百万円(同1,215百万円の損失)と前年同期比で増収および利益改善した。同社のような業態の場合、売上・利益が第4四半期に偏重するため、第1四半期の損益が赤字になるのは通例であるが、前年同期比で赤字幅が大きく縮小していることが注目される。

2016年3月期の通期業績は、受注高185,000百万円(前期比6.7%増)、売上高180,000百万円(同0.2%増)、売上総利益19,200百万円(同6.9%増)営業利益3,500百万円(同18.6%増)、経常利益4,000百万円(同5.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,600百万円(同5.6%増)が予想されている。国内の製造業を中心とした設備投資の回復により受注環境は引き続き追い風であることに加え、期中受注・期中売上の案件を確保していくことで増収増益を目指す。

同社は2016年3月期を最終年度とする中期経営計画「SANKI VITAL PLAN 90th」に取組んでいる。数値目標として売上高200,000百万円、経常利益10,000百万円を掲げているが、計画策定当時からこれまでの間の公共投資の減少や不動産事業における大型賃貸物件の契約期間満了に伴う利益の減少などに起因し、現時点で数値目標達成は容易ではなさそうだ。しかし中期経営計画の目的は、単に数値目標の達成だけではない。同社は定量的な目標以外にも多くの定性目標を掲げており、その目標に向けた施策を実施してきている点では着実に変化を遂げていると言えそうだ。また、安定配当に加え自社株買いなど積極的な株主還元を実施しており、2016年3月期は年間で普通配当18.0円を予定している。

■Check Point
・三井グループの大手設備工事会社、設備の企画・設計・施工・保守・改修を一貫して展開
・2015年3月期、2016年3月期第1四半期は連続増収増益へ、業界を取りまく環境は好調
・2016年3月期の配当は普通配当18円(年間)を予定

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)



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