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イーレックス Research Memo(1):電力小売事業を展開する新電力会社、電力全面自由化で高成長目指す

注目トピックス 日本株

イーレックス<9517>は電力小売事業を展開する独立系の特定規模電気事業者、いわゆる新電力(PPS:Power Producer and Supplier)企業である。競争力のあるベースロード電源、及び機動的な販売戦略といった特徴を武器に、2016年からの電力全面自由化の流れのなかで高成長を目指している。

同社の販売先は大きく卸売と小売に分けられるが、現在はマージンの高い小売を強化している。同社の販売面での特徴は電力小売において1,129店もの代理店を活用している点である。同社はこれらの代理店に対して販売面での価格設定において裁量を与えることで、代理店の販売動機付け及び同社自身の販売価格安定化を図っている。代理店を通じて主として高圧分野の顧客を中心に5,000超の顧客を獲得している(数字はいずれも2015年7月末現在)。

同社が成長シナリオの核と位置付けるのは、2016年4月に予定されている電力全面自由化である。これによって一般家庭、コンビニエンスストア、及び商店などを対象とする低圧需要家に対して電力販売が可能になる。同社は低圧市場自由化に向けて、経験豊富な米国Spark Energy社と連携して事業を展開する方針を選択し、この9月に合弁会社を設立した。同社が現在主戦場としているのは高圧分野であるが、この市場は今後もPPSにとっては成長余地が大きく、同社は、高圧及び低圧の2つの需要分野において顧客数増による更なる成長を目指す。

電力の調達ルートは自社発電、外部購入及び取引所取引である。同社の特徴は連結子会社で行っているPKS(Palm Kernel Shellの略で椰子の実の種からパーム油を搾り取った後の残り殻)を燃料とするバイオマス発電である。固定価格買取制度の活用によって大きなコスト優位性を実現し、同社にとって低コストのベースロード電源の確保に大きく貢献している。現在、2016年秋の稼働開始を目指して、より一層大型で同種のバイオマス発電所を建設中である。

■Check Point
・採算性が高いパーム椰子の殻を主原料とするバイオマス発電所
・低圧分野の自由化によって対象市場は実質的に倍増
・国内の低圧分野市場参入向けた実行可能性調査を開始

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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