ホットリンク Research Memo(4):新バージョン「e-mining7」のリリースで解約率が改善
[15/10/07]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
(2)サービス別売上動向
○SaaS
ホットリンク<3680>のSaaSの売上高は前年同期比6.1%増の390百万円となった。「e-mining」については、ソーシャルメディア上での風評被害に対するリスクマネジメントへの関心が高まるなか、大手企業だけでなく中堅企業にも需要が拡大しており、売上高の増加要因となった。また、1Qに使い勝手を向上した新バージョン「e-mining7」をリリースしたことで、解約率が前年同期比4.5%改善したことも増収要因につながった。新機能としては、Twitterのリツイート記事や複数媒体への同一内容の書き込み等の重複記事のまとめ閲覧機能や不要記事の除外機能を追加し、企業側担当者の作業効率を向上させている。
一方、「クチコミ@係長」に関しては新規契約が順調に推移しているものの、解約率の改善が進んでおらず、売上高は伸び悩む格好となっている。ただ、同サービスについても8月に新機能を追加し、大幅に使い勝手を向上させた新バージョンを発表しており、下期以降の解約率低減が期待される。具体的には、1度に検索できる条件数を従来の3条件から10条件に大幅拡大(国内では最大級)したほか、最大検索可能期間を3ヶ月から13ヶ月に拡大したことで検索回数の大幅削減を実現したほか、検索スピードも30%程度向上しており、結果的に、企業担当者のクチコミ分析にかかる作業時間を従来比1/3に圧縮している。また、リアルタイムでの検索結果やカスタマイズ可能なダッシュボード機能を搭載したことで、多様な顧客ニーズに対応できるサービスとなっている。
○ソリューションサービス
ソリューションサービスの売上高は、前年同期比532.4%増の822百万円と大幅増となった。Socialgistの子会社化により、米国や中国等のソーシャル・ビッグデータ販売が加算されたことが主因となっている。Socialgistの業績の開示はないものの、海外売上比率が56%となっていることから、売上高としては680百万円程度となり、前年同期比では2ケタ増収ペースが続いているものとみられる。IBMやオラクルなどグローバルIT企業に対して販売するソーシャル・データの種類が増加していること、新規顧客が拡大していることなどが売上好調の要因となっている。一方、利益面では前述したようにのれん償却やM&Aに伴う一時費用、中国大手SNSとの契約締結によるロイヤルティ費用などによって、160百万円程度のマイナス要因になったとみられる。
Socialgistでは中国のソーシャル・ビッグデータとして「Weibo」の販売を行っており、売上高の約3割が同SNSのデータ販売であったが、当第2四半期より新たに別の大手ソーシャルメディアのデータ販売も開始しており、中国市場におけるソーシャル・ビッグデータのコンテンツを充実させている。また、6月にはグローバルな金融市場において最大規模のSNSを運営する米StockTwits®とデータ販売権契約で締結し、金融領域におけるソーシャル・ビッグデータの販売も開始した。同SNSでは1日6.5万件以上の株式や債券、為替といった金融商品に関する投稿(91%がオリジナル投稿、88%が英語)が行われており、これらビッグデータを活用することで運用成績の向上を目指す投資家へ、分析ツールを提供するIT企業に対してデータを販売していく格好となる。
一方、国内ではOEM販売が頭打ちとなっているものの「クチコミ@係長」のAPI販売による受託開発サービスが順調に拡大したほか、6月からは訪日中国人のインバウンド消費動向を、ソーシャルメディアデータをベースに分析したレポート「図解 中国トレンドExpress」(月額8万円)を発刊し、インバウンド需要を取り込みたい企業などへの販売を開始した。訪日中国人のインバウンド消費を取り込みたいとする企業が多いなか、毎週分析レポートを発行している同社サービスに対するニーズは強く、契約状況は極めて順調に推移している。契約先は今のところ、流通企業や医薬品、化粧品メーカー、ホテル、各種公共団体などが多いようだ。同社では初年度100社の契約を目標としている。また、「図解 中国トレンドExpress」の契約企業から、カスタム調査の引き合いも増えてきており、今後は個別調査案件の売上拡大も期待できる。
なお、中国ソーシャル・ビッグデータを使った事業を今後拡大していくに当たって、業務提携先である普千(上海)と6月に資本提携を締結し、7月に19.9%の株式を取得(金額は僅少)している。普千は日系の広告・PR会社や日系大手ブランド企業を中心に、中国市場で展開するブランド・商品の広告、掲載記事や口コミ情報の統合的モニタリング業務を行っている。収集したデータをもとに、データ分析やレポート作成、マーケティング戦略等の立案にかかるコンサルティングサービス等を提供する会社であり、同社とは2014年7月に業務提携していた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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(2)サービス別売上動向
○SaaS
ホットリンク<3680>のSaaSの売上高は前年同期比6.1%増の390百万円となった。「e-mining」については、ソーシャルメディア上での風評被害に対するリスクマネジメントへの関心が高まるなか、大手企業だけでなく中堅企業にも需要が拡大しており、売上高の増加要因となった。また、1Qに使い勝手を向上した新バージョン「e-mining7」をリリースしたことで、解約率が前年同期比4.5%改善したことも増収要因につながった。新機能としては、Twitterのリツイート記事や複数媒体への同一内容の書き込み等の重複記事のまとめ閲覧機能や不要記事の除外機能を追加し、企業側担当者の作業効率を向上させている。
一方、「クチコミ@係長」に関しては新規契約が順調に推移しているものの、解約率の改善が進んでおらず、売上高は伸び悩む格好となっている。ただ、同サービスについても8月に新機能を追加し、大幅に使い勝手を向上させた新バージョンを発表しており、下期以降の解約率低減が期待される。具体的には、1度に検索できる条件数を従来の3条件から10条件に大幅拡大(国内では最大級)したほか、最大検索可能期間を3ヶ月から13ヶ月に拡大したことで検索回数の大幅削減を実現したほか、検索スピードも30%程度向上しており、結果的に、企業担当者のクチコミ分析にかかる作業時間を従来比1/3に圧縮している。また、リアルタイムでの検索結果やカスタマイズ可能なダッシュボード機能を搭載したことで、多様な顧客ニーズに対応できるサービスとなっている。
○ソリューションサービス
ソリューションサービスの売上高は、前年同期比532.4%増の822百万円と大幅増となった。Socialgistの子会社化により、米国や中国等のソーシャル・ビッグデータ販売が加算されたことが主因となっている。Socialgistの業績の開示はないものの、海外売上比率が56%となっていることから、売上高としては680百万円程度となり、前年同期比では2ケタ増収ペースが続いているものとみられる。IBMやオラクルなどグローバルIT企業に対して販売するソーシャル・データの種類が増加していること、新規顧客が拡大していることなどが売上好調の要因となっている。一方、利益面では前述したようにのれん償却やM&Aに伴う一時費用、中国大手SNSとの契約締結によるロイヤルティ費用などによって、160百万円程度のマイナス要因になったとみられる。
Socialgistでは中国のソーシャル・ビッグデータとして「Weibo」の販売を行っており、売上高の約3割が同SNSのデータ販売であったが、当第2四半期より新たに別の大手ソーシャルメディアのデータ販売も開始しており、中国市場におけるソーシャル・ビッグデータのコンテンツを充実させている。また、6月にはグローバルな金融市場において最大規模のSNSを運営する米StockTwits®とデータ販売権契約で締結し、金融領域におけるソーシャル・ビッグデータの販売も開始した。同SNSでは1日6.5万件以上の株式や債券、為替といった金融商品に関する投稿(91%がオリジナル投稿、88%が英語)が行われており、これらビッグデータを活用することで運用成績の向上を目指す投資家へ、分析ツールを提供するIT企業に対してデータを販売していく格好となる。
一方、国内ではOEM販売が頭打ちとなっているものの「クチコミ@係長」のAPI販売による受託開発サービスが順調に拡大したほか、6月からは訪日中国人のインバウンド消費動向を、ソーシャルメディアデータをベースに分析したレポート「図解 中国トレンドExpress」(月額8万円)を発刊し、インバウンド需要を取り込みたい企業などへの販売を開始した。訪日中国人のインバウンド消費を取り込みたいとする企業が多いなか、毎週分析レポートを発行している同社サービスに対するニーズは強く、契約状況は極めて順調に推移している。契約先は今のところ、流通企業や医薬品、化粧品メーカー、ホテル、各種公共団体などが多いようだ。同社では初年度100社の契約を目標としている。また、「図解 中国トレンドExpress」の契約企業から、カスタム調査の引き合いも増えてきており、今後は個別調査案件の売上拡大も期待できる。
なお、中国ソーシャル・ビッグデータを使った事業を今後拡大していくに当たって、業務提携先である普千(上海)と6月に資本提携を締結し、7月に19.9%の株式を取得(金額は僅少)している。普千は日系の広告・PR会社や日系大手ブランド企業を中心に、中国市場で展開するブランド・商品の広告、掲載記事や口コミ情報の統合的モニタリング業務を行っている。収集したデータをもとに、データ分析やレポート作成、マーケティング戦略等の立案にかかるコンサルティングサービス等を提供する会社であり、同社とは2014年7月に業務提携していた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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