ソーバル Research Memo(1):主力事業は好調、移転や体制変更による組織活性化の成果
[15/10/08]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
ソーバル<2186>は、2015年9月30日に2016年2月期第2四半期連結決算を発表した。事業の選択と集中の観点から、黒字だったRFID事業を3月に売却したにも関わらず、売上高・利益ともに前年同期を上回り、特に利益は20%以上の大幅な増加となった。期初予想に対しても同様な水準で上振れとなった。
主力のファームウェアを中心に受注が引き続き順調に伸びた。もともと案件が豊富にあることに加え、新規顧客の開拓が進み、既存顧客に関しても富士通<6702>グループからの受注が拡大した。4月入社の新卒社員の育成も順調で、早期に収益貢献した。5月1日に連結子会社化した、車載システム・生産ライン及び物流搬送設備の制御システム開発・製造のアンドールシステムサポート(株)が加わった点も売上面ではプラスとなった。
また、利益の大幅な増加に関しては、2014年6月の本社の移転に伴い、今まで分散していた技術者が本社オフィスに集約されたことによってノウハウの共有化が進み、工数が削減され、より多くの受注を効率的にこなせるようになったことが特に大きな成果と言える。さらに、ソーバル単体内はもとより、子会社を含めたグループ全体としても受注案件を相互に融通し合うといった柔軟な作業体制も実現しており、多いに評価すべきだろう。
主力のファームウェアは、デジタル機器の性能向上を担う中核のソフトウェアであり、同社はその開発を行っている。そのため、デジタル機器メーカーが新製品開発を延期するほどの大きな景気後退が起こらない限り、同社の掲げる「長期安定成長」が揺らぐ懸念は極めて低い。2016年2月期の通期予想は据え置きとなったものの、第2四半期の進捗を見る限り、上振れる可能性が極めて高いと考えていいだろう。
一方、事業の安定性をさらに盤石にし、更なる成長の加速を図るための戦略・戦術も引き続き着々と進んでいる。安定性をより盤石にするための最重要課題である特定顧客からの売上依存度低下は第2四半期においても着実に進んだ。成長の加速を図るための戦略・戦術に関しても、引き続き新規分野及び新規事業領域への進出と育成を図っている。新規分野では、アンドールシステムサポートのネットワークを活用した事業領域の拡大を進めているほか、第4のM&A先の発掘にも努めている。新規事業領域に関しても前期に進出したX線デジタル撮影装置の制御システムといった医療分野を着実に育てている。さらに、同社にとって最重要課題と言える優秀な人材確保に関しては、新卒採用のスケジュール変更により、一層厳しい環境になっているが、秋以降もセミナーやイベントを開催する戦略によって対応していく。また、新経営体制の発足に伴い、組織活性化も実施されている。
好業績と安定成長に支えられた株価上昇期待と併せて、株主還元策にも積極的に取り組んでいることから、中長期的な投資先として引き続き目の離せない銘柄と言えるだろう。
■Check Point
・新規顧客開拓も順調、既存では富士通グループなどの受注が伸長
・通期は保守的な予想、売上高・利益ともに上振れの可能性も
・中間・期末配当とも1円増配、配当性向は45.6%へ上昇
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤 邦光)
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主力のファームウェアを中心に受注が引き続き順調に伸びた。もともと案件が豊富にあることに加え、新規顧客の開拓が進み、既存顧客に関しても富士通<6702>グループからの受注が拡大した。4月入社の新卒社員の育成も順調で、早期に収益貢献した。5月1日に連結子会社化した、車載システム・生産ライン及び物流搬送設備の制御システム開発・製造のアンドールシステムサポート(株)が加わった点も売上面ではプラスとなった。
また、利益の大幅な増加に関しては、2014年6月の本社の移転に伴い、今まで分散していた技術者が本社オフィスに集約されたことによってノウハウの共有化が進み、工数が削減され、より多くの受注を効率的にこなせるようになったことが特に大きな成果と言える。さらに、ソーバル単体内はもとより、子会社を含めたグループ全体としても受注案件を相互に融通し合うといった柔軟な作業体制も実現しており、多いに評価すべきだろう。
主力のファームウェアは、デジタル機器の性能向上を担う中核のソフトウェアであり、同社はその開発を行っている。そのため、デジタル機器メーカーが新製品開発を延期するほどの大きな景気後退が起こらない限り、同社の掲げる「長期安定成長」が揺らぐ懸念は極めて低い。2016年2月期の通期予想は据え置きとなったものの、第2四半期の進捗を見る限り、上振れる可能性が極めて高いと考えていいだろう。
一方、事業の安定性をさらに盤石にし、更なる成長の加速を図るための戦略・戦術も引き続き着々と進んでいる。安定性をより盤石にするための最重要課題である特定顧客からの売上依存度低下は第2四半期においても着実に進んだ。成長の加速を図るための戦略・戦術に関しても、引き続き新規分野及び新規事業領域への進出と育成を図っている。新規分野では、アンドールシステムサポートのネットワークを活用した事業領域の拡大を進めているほか、第4のM&A先の発掘にも努めている。新規事業領域に関しても前期に進出したX線デジタル撮影装置の制御システムといった医療分野を着実に育てている。さらに、同社にとって最重要課題と言える優秀な人材確保に関しては、新卒採用のスケジュール変更により、一層厳しい環境になっているが、秋以降もセミナーやイベントを開催する戦略によって対応していく。また、新経営体制の発足に伴い、組織活性化も実施されている。
好業績と安定成長に支えられた株価上昇期待と併せて、株主還元策にも積極的に取り組んでいることから、中長期的な投資先として引き続き目の離せない銘柄と言えるだろう。
■Check Point
・新規顧客開拓も順調、既存では富士通グループなどの受注が伸長
・通期は保守的な予想、売上高・利益ともに上振れの可能性も
・中間・期末配当とも1円増配、配当性向は45.6%へ上昇
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤 邦光)
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