あいHD Research Memo(6):予想が達成される可能性は高く、更なる上方修正にも期待
[15/10/09]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■決算動向
(2) 2016年6月期予想
進行中の2016年6月期は、売上高52,000百万円(同25.8%増)、営業利益8,300百万円(同16.6%増)、経常利益8,600百万円(同2.1%増)、当期純利益5,700百万円(同2.4%増)が予想されている。あいホールディングス<3076>は常に達成確度の高い数字を予想として発表していること、また主要部門が好調に推移していることを考慮すると、この予想が達成される可能性は高く、新規事業(ラベルプリンタ)の立ち上がり状況等によっては更なる上方修正も期待できそうだ。なお営業利益の増益率に比べて経常利益以下の増益率が低いのは、営業外収益に計上される見込みである「持分法による投資利益」が、前年の1,284百万円から今年度は約300百万円に減少するためである。減少する要因は記述のように、前年度に計上された負ののれんによる利益計上(約900百万円)がなくなるためである。
会社はセグメント別の売上高、営業利益の詳細予想は公表していないが、主要部門については以下のように予想している。
●セキュリティ機器
依然としてマンション向けセキュリティ機器が好調であることから、通期の総導入件数は、5,000件、その内訳として新規獲得数は3,500件、自社更新分は1,500件を予想している。今までの主力であった分譲マンションに加え、昨年度からは賃貸マンションにも注力しており、この一環として積和不動産(株)と提携した。このため少しずつだが賃貸マンション向けも結果が出始めている。新規契約件数に占める賃貸マンションの比率は2014年6月期には11.1%だったが、2015年6月期には25.0%に上昇した。ただし分譲マンション向けに比較して賃貸マンション向けはカメラ台数が少ないこともあり、システム全体の平均単価は低くなるため、契約件数の増加率に比べて売上高の増加率は低くなる傾向にある。
また法人向けも、前述のように某大手食品工場での毒物混入事件や大手教育関連企業での個人情報漏洩事件などの影響から新規に防犯カメラの設置を行う企業が増加していることに加え、既に導入済みの金融機関や企業などでも既存の設備にカメラを増設する傾向にあることなどから売上高は順調に増加すると予想されている。さらに大手代理店として、今までの富士ゼロックスの販売会社に加えて2015年3月からリコーの販売会社が加わったことも法人向けの伸びを加速させると思われる。
このような状況から、セグメント別営業利益は3,264百万円(前期比9.4%増)が予想されているが、マンション向けの新規獲得件数や法人向け動向によっては現在の予想より上振れする可能性はありそうだ。
●カード機器及びその他事務用機器
以前は約90%近くが病院向け(診察券発行機等)であり、安定的ではあるが大きな伸びは期待しづらい部門であった。しかしここ数年は、記述のように地方銀行や大手都市銀行などでキャッシュカード即時発行機の導入が始まっており、金融機関向けが増加傾向にある。加えて2015年6月期第4四半期からは買収したNBS Technologies Inc.(Canada)が連結子会社となったことから、今後は金融機関向けの大型カード発行機関連の売上高も期待できそうだ。NBS Technologies Inc.(Canada)の今期売上高は4,000百万円、営業利益は300百万円(買収子会社ののれん償却前)が計画されており、それを含めて今期のセグメント別営業利益は1,174百万円(同20.5%増)が予想されている。
●情報機器
伸びの中心となるのは、引き続きシルエットのコンシューマー向けカッティングマシンだ。前期から今期にかけて投入した、あるいは投入予定の新製品群(下記参照)、各種消耗品、ソフトウェア等によって会員数の増加及び本体の販売増を目指している。このような状況から、シルエットの2016年6月期は売上高101百万ドル(前期比61.7%増)が予想されている。
さらに今期からは、新規製品であるラベルプリンタがこの部門に加わる。正式な販売開始は2015年8月の予定で当初は米国向けに販売し、初年度の売上台数は1,000台、売上高は1,860百万円を計画しているが、営業利益ベースでの寄与はさほど見込んでいないようだ。以上のような状況からセグメント営業利益は、引き続きシルエットによる貢献が主となり2,413百万円(同45.1%増)が見込まれている。
●設計事業
需要は国の公共施設の耐震化対策から、法制定に伴い民間の大規模建物の耐震診断へ移行しつつあり、この傾向は暫く続くと予想される。しかし、技術者の数は限られているため、急速な伸びは見込んでおらず、セグメント営業利益は718百万円(同0.0%)と前期並を予想している。
主要部門の予想は以上のようであるが、各セグメントとも比較的控え目で、余裕のある予想(前提)のように思われる。同社が発表する予想は常に確度の高いものであることと合わせると、現在の予想が上振れする可能性は高く、今後の動向は大いに注目する必要がありそうだが、特に新製品のラベルプリンタの動向は注視する必要がありそうだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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(2) 2016年6月期予想
進行中の2016年6月期は、売上高52,000百万円(同25.8%増)、営業利益8,300百万円(同16.6%増)、経常利益8,600百万円(同2.1%増)、当期純利益5,700百万円(同2.4%増)が予想されている。あいホールディングス<3076>は常に達成確度の高い数字を予想として発表していること、また主要部門が好調に推移していることを考慮すると、この予想が達成される可能性は高く、新規事業(ラベルプリンタ)の立ち上がり状況等によっては更なる上方修正も期待できそうだ。なお営業利益の増益率に比べて経常利益以下の増益率が低いのは、営業外収益に計上される見込みである「持分法による投資利益」が、前年の1,284百万円から今年度は約300百万円に減少するためである。減少する要因は記述のように、前年度に計上された負ののれんによる利益計上(約900百万円)がなくなるためである。
会社はセグメント別の売上高、営業利益の詳細予想は公表していないが、主要部門については以下のように予想している。
●セキュリティ機器
依然としてマンション向けセキュリティ機器が好調であることから、通期の総導入件数は、5,000件、その内訳として新規獲得数は3,500件、自社更新分は1,500件を予想している。今までの主力であった分譲マンションに加え、昨年度からは賃貸マンションにも注力しており、この一環として積和不動産(株)と提携した。このため少しずつだが賃貸マンション向けも結果が出始めている。新規契約件数に占める賃貸マンションの比率は2014年6月期には11.1%だったが、2015年6月期には25.0%に上昇した。ただし分譲マンション向けに比較して賃貸マンション向けはカメラ台数が少ないこともあり、システム全体の平均単価は低くなるため、契約件数の増加率に比べて売上高の増加率は低くなる傾向にある。
また法人向けも、前述のように某大手食品工場での毒物混入事件や大手教育関連企業での個人情報漏洩事件などの影響から新規に防犯カメラの設置を行う企業が増加していることに加え、既に導入済みの金融機関や企業などでも既存の設備にカメラを増設する傾向にあることなどから売上高は順調に増加すると予想されている。さらに大手代理店として、今までの富士ゼロックスの販売会社に加えて2015年3月からリコーの販売会社が加わったことも法人向けの伸びを加速させると思われる。
このような状況から、セグメント別営業利益は3,264百万円(前期比9.4%増)が予想されているが、マンション向けの新規獲得件数や法人向け動向によっては現在の予想より上振れする可能性はありそうだ。
●カード機器及びその他事務用機器
以前は約90%近くが病院向け(診察券発行機等)であり、安定的ではあるが大きな伸びは期待しづらい部門であった。しかしここ数年は、記述のように地方銀行や大手都市銀行などでキャッシュカード即時発行機の導入が始まっており、金融機関向けが増加傾向にある。加えて2015年6月期第4四半期からは買収したNBS Technologies Inc.(Canada)が連結子会社となったことから、今後は金融機関向けの大型カード発行機関連の売上高も期待できそうだ。NBS Technologies Inc.(Canada)の今期売上高は4,000百万円、営業利益は300百万円(買収子会社ののれん償却前)が計画されており、それを含めて今期のセグメント別営業利益は1,174百万円(同20.5%増)が予想されている。
●情報機器
伸びの中心となるのは、引き続きシルエットのコンシューマー向けカッティングマシンだ。前期から今期にかけて投入した、あるいは投入予定の新製品群(下記参照)、各種消耗品、ソフトウェア等によって会員数の増加及び本体の販売増を目指している。このような状況から、シルエットの2016年6月期は売上高101百万ドル(前期比61.7%増)が予想されている。
さらに今期からは、新規製品であるラベルプリンタがこの部門に加わる。正式な販売開始は2015年8月の予定で当初は米国向けに販売し、初年度の売上台数は1,000台、売上高は1,860百万円を計画しているが、営業利益ベースでの寄与はさほど見込んでいないようだ。以上のような状況からセグメント営業利益は、引き続きシルエットによる貢献が主となり2,413百万円(同45.1%増)が見込まれている。
●設計事業
需要は国の公共施設の耐震化対策から、法制定に伴い民間の大規模建物の耐震診断へ移行しつつあり、この傾向は暫く続くと予想される。しかし、技術者の数は限られているため、急速な伸びは見込んでおらず、セグメント営業利益は718百万円(同0.0%)と前期並を予想している。
主要部門の予想は以上のようであるが、各セグメントとも比較的控え目で、余裕のある予想(前提)のように思われる。同社が発表する予想は常に確度の高いものであることと合わせると、現在の予想が上振れする可能性は高く、今後の動向は大いに注目する必要がありそうだが、特に新製品のラベルプリンタの動向は注視する必要がありそうだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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