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テクノスジャパン Research Memo(3):解析ノウハウをもとに人工知能製品の開発に取り組む

注目トピックス 日本株
■AI・IoT市場を牽引、東証1部昇格のテクノスグループ、先見性のあるビッグデータ戦略

(3)人工知能製品などの製品群

ITと経営をつなぎ合わせる重要な領域であるビックデータ解析市場は、急拡大が予想されている。IoT、M2M、ウェアラブルデバイスなどのセンサー機器を通じて大量のデータが蓄積され、音声、画像、動画分析技術なども含めて幅広い業界でイノベーション創成が期待されている。IDC JAPANの調べによれば、国内ビジネスアナリティクス市場(ビックデータ解析市場)は2013年の93.63億円から2017年に114.00億円へ年成長率5%超過で成長すると見込まれている。

政府では文部科学省と経済産業省がAIやビッグデータ、IoTに関する予算要求を積極的に行っている。両省はこの3分野をセットにしたプロジェクトを提案。文部科学省は、人工知能を中心とした3分野について「世界最先端の人材が集まる研究開発拠点」を理化学研究所に構築する考えで、概算要求では「AIP(AdvancedIntegrated Intelligence PlatformProject)センター」の構築費用を含めた100億円を要求している。一方、経済産業省は2015年5月に、3分野の研究を担う「人工知能研究センター」を産業技術総合研究所に構築している。このように国家規模でのAI研究が着実に進もうとしている。

テクノスジャパン<3666>グループのTDSMは、社内に保有する優れた解析ノウハウをもとに、人工知能製品の開発に取り組んできた。この成果としてAI応用ソフトの新ブランド「scorobo(スコロボ)」を立ち上げて、クラウドSaaSベースで提供している。同製品は統計アルゴリズムを活用しており、機械学習を通じて今まで経験や勘に頼ってきた業務の精度向上をサポートする。更なる拡張を目指して、業界・業種別に使用できる「Omni-Scorobo」も発売、今後の顧客層拡大を図る。

また、TDSMは次世代ソーシャルメディア分析サービスとして自然言語処理学NLPを活用した人工知能製品「NetBase」のアジア総代理店でもある。既にソニー・コンピュータエンタテインメントをはじめ、食品、放送、流通大手などが顧客になっている。2015年8月にはSCSK<9719>と「NetBase」の戦略パートナーとして販売代理店契約を締結した。SCSKは保有する顧客の中でもCRM戦略構築で収益改善・売上拡大が期待される約1,000社の企業に対し、データサイエンティストによるコンサル営業を推進する。信用力の向上を背景に、両社での販売目標を3年で100社と掲げている。

更に、優秀な人材のプールを背景として、ディープラーニング(deep learning、深層学習:ニューラルネットワーク向けの機械学習手法、深い階層のニューラルネットを学習可能にするディープラーニングが登場したことで、画像認識や音声認識などで高い精度を実現できるようになった)の研究も活発化している。機械学習を使ったIoT分析手法では、各地に配置された多数の機器の故障予兆検知や消耗品消費予測、多くの要素からなる設備におけるパフォーマンス解析などを、用途に合った機械学習アルゴリズムを選定して実装している。

(執筆:フィスコアナリスト)




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