ソフトブレーン Research Memo(2):主力2事業で収益の9割を占める収益構造
[15/10/15]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業概要
ソフトブレーン<4779>の事業は「eセールスマネージャー関連事業」「フィールドマーケティング事業」「システム開発事業」「出版事業」の4つに区分されている。売上高、利益ともに「eセールスマネージャー関連事業」「フィールドマーケティング事業」の2事業で約9割を占めており、両事業が収益の2本柱となっている。連結子会社は2015年6月末で5社ある。
○eセールスマネージャー関連事業
営業支援ソフト「eセールスマネージャー」のライセンス販売、クラウドサービス、カスタマイズ開発及び営業コンサルティングや営業スキルトレーニングのほか、iPad等を活用した業務コンサルティング、教育サービスからなる。
「eセールスマネージャー」は、営業活動のプロセスマネジメントを行い、各工程を「見える化」することによって定量的に状況を把握し、改善点を見つけ出すことによって、営業効率の向上を図るソフトウェアツールとなる。
「eセールスマネージャー」の販売形態としては、ソフトのライセンス販売で収入を得るオンプレミス型と、月額使用料を徴収するクラウド型とに分けられる。ここ最近では、サーバーなどの設備負担を必要とせず、初期導入コストを抑えることができるクラウド型サービスの契約が大半を占めるようになっている。なお、クラウド型に関しては「eセールスマネージャーRemix Cloud」(1ユーザー当たり月額6,000円〜)のほか、従業員10名以下の中小企業向けに機能を絞った簡易版「eセールスマネージャーnano」(1ユーザー当たり月額1,000円)の提供を行っている。
SFA(営業支援システム)の国内市場規模は50〜80億円程度で、同社のシェアは2〜3割とみられる。競合企業は、NIコンサルティング(未上場)、セールスフォース・ドットコム(クラウド型のみ)など。クラウド市場ではセールスフォース・ドットコムが4割超のトップシェアを握っている。
「eセールスマネージャー」の導入実績は累計で3,000社を超えており、製造業からサービス業、大手から中小企業に至るまで幅広い企業に導入されている。同社製品の強みは、操作性や処理速度など使い勝手の良さに加えて、オンプレミス型、クラウド型と両方の販売形態に対応可能なこと、導入効果を高めるためのコンサルティング、教育研修サービスなどサポート体制が充実していることが挙げられる。
○フィールドマーケティング事業
子会社のソフトブレーン・フィールド(株)で展開している事業で、主に店頭におけるフィールド活動やマーケット調査などを、主婦層を中心としたキャスト(登録スタッフ)を活用して行っている。また、フィールド活動を行うラウンダー人材の派遣・紹介事業「ラウンダー人材バンク」や、Webマーケティング事業などにも展開している。
フィールド活動とは、主に食品や日用品など消費財メーカーの新商品発売時期に小売店舗において、当該商品に関する店舗商談、売場構築、POP広告設置作業などを行う業務がメインとなる。従来はメーカーの社員が行っていたが、販促費の効率化を進めるために、アウトソーシング化する流れとなっている。顧客企業は過去実績も含めて350社以上で、食品・飲料やヘルスケア関連メーカーを中心に多岐に広がっている。キャスト数は2015年6月末時点で5.5万人、カバー店舗数もドラッグストアやコンビニエンスストアなど様々な業態にわたり、全国で展開していることが強みとなっている。
また、Webマーケティング事業では、「購買理由データ提供サービス」(Point Of Buy:以下POB)を、流通カード最大手のクレディセゾン<8253>と共同で2013年より開始している。インターネットを介して、消費者が小売店で購入した商品、あるいは飲食店で注文したメニューなどに関する購買理由などをレシート付で収集することによって、より信頼性の高い消費行動分析をクライアントとなるメーカーや飲食店などに提供するサービスとなっている。消費者側にとっては、クレディセゾンが運営する「永久不滅.com」上でのポイントを獲得できるというメリットが生じる仕組みとなっている。登録会員数(消費者)は12万人を超え、国内最大級のプラットフォームを構築している。
○システム開発事業
子会社のソフトブレーン・オフショア(株)でソフトウェアの受託開発を行っている。2013年9月に事業構造改革により中国の開発子会社を売却したが、現在も同社を外注先として活用しているほか、ベトナムや国内ニアショアの活用も進めている。
○出版事業
子会社の(株)ダイヤモンド・ビジネス企画による営業販促関連に関する書籍の企画・発行・販売事業となる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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ソフトブレーン<4779>の事業は「eセールスマネージャー関連事業」「フィールドマーケティング事業」「システム開発事業」「出版事業」の4つに区分されている。売上高、利益ともに「eセールスマネージャー関連事業」「フィールドマーケティング事業」の2事業で約9割を占めており、両事業が収益の2本柱となっている。連結子会社は2015年6月末で5社ある。
○eセールスマネージャー関連事業
営業支援ソフト「eセールスマネージャー」のライセンス販売、クラウドサービス、カスタマイズ開発及び営業コンサルティングや営業スキルトレーニングのほか、iPad等を活用した業務コンサルティング、教育サービスからなる。
「eセールスマネージャー」は、営業活動のプロセスマネジメントを行い、各工程を「見える化」することによって定量的に状況を把握し、改善点を見つけ出すことによって、営業効率の向上を図るソフトウェアツールとなる。
「eセールスマネージャー」の販売形態としては、ソフトのライセンス販売で収入を得るオンプレミス型と、月額使用料を徴収するクラウド型とに分けられる。ここ最近では、サーバーなどの設備負担を必要とせず、初期導入コストを抑えることができるクラウド型サービスの契約が大半を占めるようになっている。なお、クラウド型に関しては「eセールスマネージャーRemix Cloud」(1ユーザー当たり月額6,000円〜)のほか、従業員10名以下の中小企業向けに機能を絞った簡易版「eセールスマネージャーnano」(1ユーザー当たり月額1,000円)の提供を行っている。
SFA(営業支援システム)の国内市場規模は50〜80億円程度で、同社のシェアは2〜3割とみられる。競合企業は、NIコンサルティング(未上場)、セールスフォース・ドットコム(クラウド型のみ)など。クラウド市場ではセールスフォース・ドットコムが4割超のトップシェアを握っている。
「eセールスマネージャー」の導入実績は累計で3,000社を超えており、製造業からサービス業、大手から中小企業に至るまで幅広い企業に導入されている。同社製品の強みは、操作性や処理速度など使い勝手の良さに加えて、オンプレミス型、クラウド型と両方の販売形態に対応可能なこと、導入効果を高めるためのコンサルティング、教育研修サービスなどサポート体制が充実していることが挙げられる。
○フィールドマーケティング事業
子会社のソフトブレーン・フィールド(株)で展開している事業で、主に店頭におけるフィールド活動やマーケット調査などを、主婦層を中心としたキャスト(登録スタッフ)を活用して行っている。また、フィールド活動を行うラウンダー人材の派遣・紹介事業「ラウンダー人材バンク」や、Webマーケティング事業などにも展開している。
フィールド活動とは、主に食品や日用品など消費財メーカーの新商品発売時期に小売店舗において、当該商品に関する店舗商談、売場構築、POP広告設置作業などを行う業務がメインとなる。従来はメーカーの社員が行っていたが、販促費の効率化を進めるために、アウトソーシング化する流れとなっている。顧客企業は過去実績も含めて350社以上で、食品・飲料やヘルスケア関連メーカーを中心に多岐に広がっている。キャスト数は2015年6月末時点で5.5万人、カバー店舗数もドラッグストアやコンビニエンスストアなど様々な業態にわたり、全国で展開していることが強みとなっている。
また、Webマーケティング事業では、「購買理由データ提供サービス」(Point Of Buy:以下POB)を、流通カード最大手のクレディセゾン<8253>と共同で2013年より開始している。インターネットを介して、消費者が小売店で購入した商品、あるいは飲食店で注文したメニューなどに関する購買理由などをレシート付で収集することによって、より信頼性の高い消費行動分析をクライアントとなるメーカーや飲食店などに提供するサービスとなっている。消費者側にとっては、クレディセゾンが運営する「永久不滅.com」上でのポイントを獲得できるというメリットが生じる仕組みとなっている。登録会員数(消費者)は12万人を超え、国内最大級のプラットフォームを構築している。
○システム開発事業
子会社のソフトブレーン・オフショア(株)でソフトウェアの受託開発を行っている。2013年9月に事業構造改革により中国の開発子会社を売却したが、現在も同社を外注先として活用しているほか、ベトナムや国内ニアショアの活用も進めている。
○出版事業
子会社の(株)ダイヤモンド・ビジネス企画による営業販促関連に関する書籍の企画・発行・販売事業となる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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