ソフトブレーン Research Memo(3):第2四半期累計の連結業績は2ケタ増収増益と好調な決算
[15/10/15]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■決算動向
(1) 2015年12月期第2四半期累計業績について
ソフトブレーン<4779>の7月30日付で発表された2015年12月期第2四半期累計(2015年1月−6月)の連結業績は、売上高が前年同期比20.3%増の2,949百万円、営業利益が同26.3%増の368百万円、経常利益が同27.3%増の370百万円、四半期純利益が同62.3%増の203百万円と2ケタ増収増益となり、会社計画に対しても売上高、利益ともに上回る好調な決算となった。
売上高はeセールスマネージャー関連事業、フィールドマーケティング事業の主力2事業が好調に推移し、半期ベースとして過去最高を更新した。また、利益面でもeセールスマネージャーを中心に全セグメントで増益となっている。売上原価率が前年同期比で1.1ポイント上昇したが、これはフィールドマーケティング事業において、原価率の高い派遣型案件の構成比が上昇した影響による。販管費も人件費を中心に増加したが、増収効果により販管費率は前年同期比1.7ポイント低下し、この結果、営業利益率は同0.6ポイント上昇の12.5%となった。四半期純利益の増益率が高くなっているが、これはソフトブレーン・フィールドの株式を追加取得し、出資比率が58.1%から85.6%に上昇したことで、少数株主利益が減少した影響が大きい。事業セグメント別の概況は以下のとおり。
○eセールスマネージャー関連事業
eセールスマネージャー関連事業の業績は、売上高(外部顧客向け、以下同様)が前年同期比12.5%増の1,510百万円、セグメント利益が同40.2%増の180百万円となった。主力の「eセールスマネージャー」は、スマートデバイスの普及により、企業の営業支援ツールとして活用する場が一段と広がるなど、市場環境が追い風となるなかで、操作性の向上や新機能追加、他社ソフトとの連携など商品力の強化に取り組んできたことで、新規顧客の開拓が順調に進み、前年同期比で2ケタ増収となった。特に、操作性の向上においてはスマートフォン版のデザイン刷新を1月に行った。また、新機能としては2014年に追加したタイムライン機能が、社内での迅速な情報共有化に加えて、若手営業マンの育成にも効果を発揮するといった事例も出てきており、好評を得ている。eセールスマネージャーの導入と合わせて、営業マン育成トレーニングやプロセスマネジメント大学といった各種コンサルティングサービスを受注するなどクロスセルの効果も出ており、売上好調の要因となっている。
セグメント利益は、「eセールスマネージャー」の機能拡充に向けた開発費や顧客獲得のための販促費が引き続き増加したものの、増収効果で吸収し大幅増益となった。
○フィールドマーケティング事業
フィールドマーケティング事業の業績は、売上高が前年同期比34.8%増の1,089百万円、セグメント利益が同4.4%増の159百万円と増収増益基調が続いた。売上面では新規の大型案件が軌道に乗ったほか、新規案件も順調に拡大したことに加えて、2014年に本格稼働した「ラウンダー人材バンク」においても大型案件の規模拡大や新規受注が好調に推移したことにより、大幅増収となった。インバウンド消費の拡大によって日用品や化粧品などの国内販売が好調に推移しているなかで、フィールド業務のアウトソーシング化の流れが続いており、新規受注の獲得において追い風になっているとみられる。
一方、セグメント利益は微増益にとどまったが、これは事業運営体制、管理体制を強化するための人材採用に加えて、「ラウンダー人材バンク」において粗利益率が相対的に低い派遣型案件が特に伸びたことが影響している。とはいえ、フィールドマーケティング事業を行う同業他社が5%前後の利益率であるのに対して、同社は10%を超える高い収益性を維持している。
○システム開発事業
システム開発事業の業績は、売上高が前年同期比0.5%増の227百万円、セグメント利益が同57.2%増の0.4百万円となった。オフショア開発(中国・ベトナム)とニアショア開発(九州)をミックスしつつ、プロジェクト管理や品質管理を見直し、不採算プロジェクトの防止に努めたことが増益につながった。
○出版事業
出版事業の業績は、売上高が前年同期比60.9%増の122百万円、セグメント利益は同226.1%増の28百万円となった。企業の出版ニーズが高まっており、新規顧客からの受注が増加したことで、増収増益となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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(1) 2015年12月期第2四半期累計業績について
ソフトブレーン<4779>の7月30日付で発表された2015年12月期第2四半期累計(2015年1月−6月)の連結業績は、売上高が前年同期比20.3%増の2,949百万円、営業利益が同26.3%増の368百万円、経常利益が同27.3%増の370百万円、四半期純利益が同62.3%増の203百万円と2ケタ増収増益となり、会社計画に対しても売上高、利益ともに上回る好調な決算となった。
売上高はeセールスマネージャー関連事業、フィールドマーケティング事業の主力2事業が好調に推移し、半期ベースとして過去最高を更新した。また、利益面でもeセールスマネージャーを中心に全セグメントで増益となっている。売上原価率が前年同期比で1.1ポイント上昇したが、これはフィールドマーケティング事業において、原価率の高い派遣型案件の構成比が上昇した影響による。販管費も人件費を中心に増加したが、増収効果により販管費率は前年同期比1.7ポイント低下し、この結果、営業利益率は同0.6ポイント上昇の12.5%となった。四半期純利益の増益率が高くなっているが、これはソフトブレーン・フィールドの株式を追加取得し、出資比率が58.1%から85.6%に上昇したことで、少数株主利益が減少した影響が大きい。事業セグメント別の概況は以下のとおり。
○eセールスマネージャー関連事業
eセールスマネージャー関連事業の業績は、売上高(外部顧客向け、以下同様)が前年同期比12.5%増の1,510百万円、セグメント利益が同40.2%増の180百万円となった。主力の「eセールスマネージャー」は、スマートデバイスの普及により、企業の営業支援ツールとして活用する場が一段と広がるなど、市場環境が追い風となるなかで、操作性の向上や新機能追加、他社ソフトとの連携など商品力の強化に取り組んできたことで、新規顧客の開拓が順調に進み、前年同期比で2ケタ増収となった。特に、操作性の向上においてはスマートフォン版のデザイン刷新を1月に行った。また、新機能としては2014年に追加したタイムライン機能が、社内での迅速な情報共有化に加えて、若手営業マンの育成にも効果を発揮するといった事例も出てきており、好評を得ている。eセールスマネージャーの導入と合わせて、営業マン育成トレーニングやプロセスマネジメント大学といった各種コンサルティングサービスを受注するなどクロスセルの効果も出ており、売上好調の要因となっている。
セグメント利益は、「eセールスマネージャー」の機能拡充に向けた開発費や顧客獲得のための販促費が引き続き増加したものの、増収効果で吸収し大幅増益となった。
○フィールドマーケティング事業
フィールドマーケティング事業の業績は、売上高が前年同期比34.8%増の1,089百万円、セグメント利益が同4.4%増の159百万円と増収増益基調が続いた。売上面では新規の大型案件が軌道に乗ったほか、新規案件も順調に拡大したことに加えて、2014年に本格稼働した「ラウンダー人材バンク」においても大型案件の規模拡大や新規受注が好調に推移したことにより、大幅増収となった。インバウンド消費の拡大によって日用品や化粧品などの国内販売が好調に推移しているなかで、フィールド業務のアウトソーシング化の流れが続いており、新規受注の獲得において追い風になっているとみられる。
一方、セグメント利益は微増益にとどまったが、これは事業運営体制、管理体制を強化するための人材採用に加えて、「ラウンダー人材バンク」において粗利益率が相対的に低い派遣型案件が特に伸びたことが影響している。とはいえ、フィールドマーケティング事業を行う同業他社が5%前後の利益率であるのに対して、同社は10%を超える高い収益性を維持している。
○システム開発事業
システム開発事業の業績は、売上高が前年同期比0.5%増の227百万円、セグメント利益が同57.2%増の0.4百万円となった。オフショア開発(中国・ベトナム)とニアショア開発(九州)をミックスしつつ、プロジェクト管理や品質管理を見直し、不採算プロジェクトの防止に努めたことが増益につながった。
○出版事業
出版事業の業績は、売上高が前年同期比60.9%増の122百万円、セグメント利益は同226.1%増の28百万円となった。企業の出版ニーズが高まっており、新規顧客からの受注が増加したことで、増収増益となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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