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ビューティ花壇 Research Memo(7):2015年6月期はわずかに減収ながら大幅な営業増益

注目トピックス 日本株
■2015年6月期の決算概要

ビューティ花壇<3041>の2015年6月期の業績は、売上高が前期比1.0%減の6,617百万円、営業利益が同504.8%増の113百万円、経常利益が同96.0%増の84百万円、当期純損失が89百万円(前期は49百万円の純利益)と微減収ながら大幅な営業増益となった。ただ、期初会社予想に対しては、売上高、各利益ともに下回る着地であった。

なお、当期純損失に陥ったのは、生花祭壇事業の一部の固定資産に対する減損損失や不動産売却損等を特別損失に計上したことによるものである。

事業別売上高では、主力の「生花祭壇事業」がおおむね横ばいで推移する一方、マイ・サクセスの連結化により「生花卸売事業」が大きく伸長したものの、前期に特殊要因があった「土木・建設事業」の反動減が減収を招いた。

損益面では、依然として厳しい収益環境が続いているものの、台湾子会社(現在清算手続中)による収益圧迫要因がなくなったことに加えて、労務費圧縮や業務効率化の推進による損益改善により大幅な営業増益となった。また、「土木・建設事業」からの撤退に伴い子会社株式の売却益77百万円が特別利益に計上された半面、減損損失61百万円や不動産売却損28百万円などが特別損失に計上されたことから当期純損失に陥った。

貸借対照表の状況は、投資不動産の売却等により固定資産が減少したものの、現預金が大きく増加したことから総資産が3,405百万円(前期比13.0%増)に拡大した一方、純資産が純損失の計上により縮小したことから自己資本比率は16.0%(前期末は21.2%)に低下した。また、有利子負債残高は長短合わせて1,997百万円(前期末比17.7%増)に増加したが、流動比率は112.7%と高い水準にあるため、短期の支払い能力には懸念はない。

事業別の業績は以下のとおりである。

「生花祭壇事業」は、売上高が前期比0.4%減の3,171百万円、セグメント利益が同17.7%増の191百万円であった。業界全体が単価横ばいから下落傾向にあるなかで、生花の調達力を活かした低価格商品の推進等により、生花祭壇(単体)の施行件数が16,754件(前期比5.6%増)に拡大したものの、平均単価が68,129円(前期比4.2%減)に低下したことから売上高はほぼ横ばいとなった。特に、関東エリアにおける葬儀の小規模化や生花祭壇価格の下落の傾向が続いており業績の足を引っ張っている。もっとも、その他エリア(仙台、西日本)においては、施行件数の拡大によって売上高は比較的堅調に推移しており、同社の低価格戦略は一定の成果が出始めているようだ。一方、損益面では、労務費の圧縮策が奏功したことや台湾子会社による収益圧迫要因がなくなったことから大幅な増益となった。

「生花卸売事業」は、売上高が前期比20.0%増の1,860百万円、セグメント利益が同26.4%増の146百万円であった。2013年10月に連結化したマイ・サクセスが期初から上乗せ(6ヶ月分)されたことが業績の伸びに寄与した(約528百万円の増収効果)。また、損益面でも、マイ・サクセスとのシナジー(生花輸入業務の一本化による業務効率化やボリュームディスカウントの享受等)が創出されてきたことから大幅な増益となった。

「ブライダル装花事業」は、売上高が前期比2.8%増の475百万円、セグメント利益が同39.0%減の52百万円であった。少子化の影響を受け結婚式場業の売上高、件数ともに減少傾向にあるなかで、前期におけるスポット案件の反動はあったものの、積極的な店舗展開(豊洲、福岡、葉山など新規拠点の開設)等により比較的好調に推移した。また、銀座及び葉山の2会場(ゲストハウスウェディング)での生花装飾の独占業務委託契約を締結するなど、今後の成長に向けた営業施設に取り組んだが、それらに伴う人件費及びその他販売管理費の増加によりセグメント利益は減益となった。

「土木・建設事業」は、売上高が前期比43.5%減の560百万円、セグメント利益が同5.5%増の25百万円であった。公共投資が好調に推移するなかで、一部繰越工事のあった前期との対比では減収となったが、公共工事を始め総じて工事採算性が向上したこと等から増益となった。ただ、コア事業である生花事業に最大限注力する方針の下、5月27日付で昇建設(株)の全株式を譲渡し、当事業から撤退するに至った。

「その他事業」は、売上高が前期比10.2%増の549百万円、セグメント利益が同54.3%減の14百万円であった。各事業がそれぞれ堅調に推移するとともに、新たに追加された就労継続支援事業による業績寄与から増収となったが、不動産管理事業において販売用不動産評価減12百万円を計上したこと等により減益となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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