ファーストロジック Research Memo(3):不動産投資用ポータルサイト「楽待」が主力事業
[15/10/22]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
(2)事業の概要(事業の内容、経営基本方針=3つのミッション)と同社の強み
ファーストロジック<6037>の事業における基本方針は3つのビジョンから成り立っている。すなわち、「不動産投資家の支援」、「不動産投資市場の健全化」、「投資用不動産価格の透明性向上」の3点だ。同社はこのビジョンに基づいて、主力事業である不動産投資用ポータルサイト「楽待」の運営を行っている。これは投資用不動産の購入意欲を有する個人会員と不動産会社のマッチング機能を提供するサービスだ。2015年7月には投資用不動産のオーナーをサポートする新しいポータルサイト「大家さんの味方」をローンチした。この新ポータルサイトは不動産投資家をサポートするもので、これにより同社は不動産投資家のサイクルのすべてを収益源とすることが可能となった。またこれは、個人投資家が不動産投資市場に参加するハードルを下げることに貢献すると期待される。事業構造という面では、2015年7月期までは「楽待」の1本足だったものが、2016年7月期以降は「大家さんの味方」を加えた2本柱体制へと事業構造が変わっていくことになる。
両事業の収益モデルの詳細は後述するが、同社の事業の特徴は、「個人」と「投資」、及び「マッチングに特化」という3つのキーワードで表すことができる。
「個人」というキーワードは、坂口社長が創業に当たってリサーチした際に個人投資家が安心して売買に参加できる市場環境が存在していなかったことにオリジンがある。それまでは法人を対象にした10億円を超えるような大型案件を対象にしたものが主体であった。また、個人についてはいわゆる地主を対象とした遊休土地活用という観点での市場(いわゆるプライマリー市場)が主体で、既存の投資用物件を個人が売買するセカンダリー市場というものは限定的であった。同社はそこに切り込んだ。
「投資」というキーワードは、「住宅用」や「賃貸用」との対比の関係にある。個人の不動産に対するニーズは、所有にしても賃貸にしても、自らが住むことが大多数であり、そのためのポータルサイトは既に多くのものが存在していた。他方、投資用物件についてのポータルサイトはほぼ皆無といってよい状況であった。上述の「個人」というキーワードと合わせて、「個人用投資物件」を事業ドメインとして「楽待」で他社に先駆けてスタートを切ったことが、現在の業界No.1という地位の確立につながっている。
「マッチングに特化」というキーワードは、同社の収益モデルとの関係で重要なポイントだ。詳細は後述するが、同社は個人会員(投資家)と不動産会社(物件情報)とをマッチングさせることに対して課金しており、成約に伴う成功報酬などは設定してない。これを行う場合には、同社自身が不動産会社としてのライセンスが必要になる公算が大きく、またそうなった場合には、顧客である不動産会社との間で利益相反などのコンプライアンス・イシューが発生する可能性もある。同社はそのような状況を回避すべく、あくまで両者のマッチングに特化した収益モデルを採用している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
<HN>
(2)事業の概要(事業の内容、経営基本方針=3つのミッション)と同社の強み
ファーストロジック<6037>の事業における基本方針は3つのビジョンから成り立っている。すなわち、「不動産投資家の支援」、「不動産投資市場の健全化」、「投資用不動産価格の透明性向上」の3点だ。同社はこのビジョンに基づいて、主力事業である不動産投資用ポータルサイト「楽待」の運営を行っている。これは投資用不動産の購入意欲を有する個人会員と不動産会社のマッチング機能を提供するサービスだ。2015年7月には投資用不動産のオーナーをサポートする新しいポータルサイト「大家さんの味方」をローンチした。この新ポータルサイトは不動産投資家をサポートするもので、これにより同社は不動産投資家のサイクルのすべてを収益源とすることが可能となった。またこれは、個人投資家が不動産投資市場に参加するハードルを下げることに貢献すると期待される。事業構造という面では、2015年7月期までは「楽待」の1本足だったものが、2016年7月期以降は「大家さんの味方」を加えた2本柱体制へと事業構造が変わっていくことになる。
両事業の収益モデルの詳細は後述するが、同社の事業の特徴は、「個人」と「投資」、及び「マッチングに特化」という3つのキーワードで表すことができる。
「個人」というキーワードは、坂口社長が創業に当たってリサーチした際に個人投資家が安心して売買に参加できる市場環境が存在していなかったことにオリジンがある。それまでは法人を対象にした10億円を超えるような大型案件を対象にしたものが主体であった。また、個人についてはいわゆる地主を対象とした遊休土地活用という観点での市場(いわゆるプライマリー市場)が主体で、既存の投資用物件を個人が売買するセカンダリー市場というものは限定的であった。同社はそこに切り込んだ。
「投資」というキーワードは、「住宅用」や「賃貸用」との対比の関係にある。個人の不動産に対するニーズは、所有にしても賃貸にしても、自らが住むことが大多数であり、そのためのポータルサイトは既に多くのものが存在していた。他方、投資用物件についてのポータルサイトはほぼ皆無といってよい状況であった。上述の「個人」というキーワードと合わせて、「個人用投資物件」を事業ドメインとして「楽待」で他社に先駆けてスタートを切ったことが、現在の業界No.1という地位の確立につながっている。
「マッチングに特化」というキーワードは、同社の収益モデルとの関係で重要なポイントだ。詳細は後述するが、同社は個人会員(投資家)と不動産会社(物件情報)とをマッチングさせることに対して課金しており、成約に伴う成功報酬などは設定してない。これを行う場合には、同社自身が不動産会社としてのライセンスが必要になる公算が大きく、またそうなった場合には、顧客である不動産会社との間で利益相反などのコンプライアンス・イシューが発生する可能性もある。同社はそのような状況を回避すべく、あくまで両者のマッチングに特化した収益モデルを採用している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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