メディシノバ Research Memo(1):創薬ベンチャーで8つのプログラムの開発を進める
[15/10/22]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
メディシノバ<4875>(MediciNova,Inc.)は、2000年に設立された米国本社の創薬ベンチャーで、東証JASDAQと米NASDAQに株式を上場している。現在は米国を中心に事業活動を行っており、主にMN-166(イブジラスト)、MN-001(タイペルカスト)の2つの低分子化合物、8つのプログラムの開発を進めている。将来的には開発品のライセンスアウトだけでなく、販売も行うグローバル製薬企業を目指している。
MN-166は進行型多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患のほか、覚せい剤依存症やアルコール依存症など薬物・嗜好品依存症の治療薬としての開発を進めている。現在はいずれもフェーズ2の段階で、国立衛生研究所(NIH)やその下部組織などから助成金を得て、医療施設と連携しながら治験を進めている。また、クラッベ病向け治療薬として、2015年6月にオーファンドラッグ指定を受けている。将来、同プログラムで新薬承認が得られれば、米国食品医薬品局(FDA)が発行する「優先審査バウチャー」を取得できる可能性が高い。同バウチャーは自由に売買でき、その価値は100〜300億円とも言われているだけに、今後の動向が注目される。
一方、MN-001は、非アルコール性脂肪性肝炎(以下、NASH)適応では、現在フェーズ2の治験開始に向けた準備中、特発性肺線維症(以下、IPF)治療薬は、2015年10月にフェーズ2の治験を開始している。NASHではファストトラック指定を、IPFではファストトラック及びオーファンドラッグ指定を受けており、いずれも開発ニーズの高い治療薬として注目されている。特に、NASH治療薬はピーク時の市場規模が年間350〜400億ドルになるとの予測もあるだけに、要注目と言える。
当面の業績は赤字が続く見通しだ。2015年12月期は売上計上の予定がなく、営業損失で10百万ドル(前期は9百万ドルの損失)を見込んでいる。現在開発中の2つの化合物の治験が順調に進めば、フェーズ2の結果が出た段階でいずれかのライセンスアウト交渉を進める可能性があるものの、少なくとも2〜3年は先になることが予想される。なお、資金繰りに関しては8月に米国で公募増資を実施し、約16百万ドルを調達している。8月末時点の現金及び現金同等物は約24百万ドルとみられ、約2年分の運転資金を確保したことになる。今後もエクイティファイナンスを中心に事業資金を調達していく方針と考える。
■Check Point
・上市まで進んだ開発品はないため開発フェーズの企業
・社会的ニーズの高い治療薬やオーファンドラッグの開発が中心
・赤字経営が続くが事業資金は株式市場からすべて調達している
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<HN>
MN-166は進行型多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患のほか、覚せい剤依存症やアルコール依存症など薬物・嗜好品依存症の治療薬としての開発を進めている。現在はいずれもフェーズ2の段階で、国立衛生研究所(NIH)やその下部組織などから助成金を得て、医療施設と連携しながら治験を進めている。また、クラッベ病向け治療薬として、2015年6月にオーファンドラッグ指定を受けている。将来、同プログラムで新薬承認が得られれば、米国食品医薬品局(FDA)が発行する「優先審査バウチャー」を取得できる可能性が高い。同バウチャーは自由に売買でき、その価値は100〜300億円とも言われているだけに、今後の動向が注目される。
一方、MN-001は、非アルコール性脂肪性肝炎(以下、NASH)適応では、現在フェーズ2の治験開始に向けた準備中、特発性肺線維症(以下、IPF)治療薬は、2015年10月にフェーズ2の治験を開始している。NASHではファストトラック指定を、IPFではファストトラック及びオーファンドラッグ指定を受けており、いずれも開発ニーズの高い治療薬として注目されている。特に、NASH治療薬はピーク時の市場規模が年間350〜400億ドルになるとの予測もあるだけに、要注目と言える。
当面の業績は赤字が続く見通しだ。2015年12月期は売上計上の予定がなく、営業損失で10百万ドル(前期は9百万ドルの損失)を見込んでいる。現在開発中の2つの化合物の治験が順調に進めば、フェーズ2の結果が出た段階でいずれかのライセンスアウト交渉を進める可能性があるものの、少なくとも2〜3年は先になることが予想される。なお、資金繰りに関しては8月に米国で公募増資を実施し、約16百万ドルを調達している。8月末時点の現金及び現金同等物は約24百万ドルとみられ、約2年分の運転資金を確保したことになる。今後もエクイティファイナンスを中心に事業資金を調達していく方針と考える。
■Check Point
・上市まで進んだ開発品はないため開発フェーズの企業
・社会的ニーズの高い治療薬やオーファンドラッグの開発が中心
・赤字経営が続くが事業資金は株式市場からすべて調達している
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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