ワールドホールディングス<2429>リノベーション事業が堅調に推移
[15/10/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』10月29日放送において、ワールドホールディングス<2429>を取り上げている。主な内容は以下の通り。
■会社の概要
ワールドホールディングス<2429>は、「人材・教育ビジネス」「不動産ビジネス」「情報通信ビジネス」の3つの事業を柱とする持ち株会社である。製造派遣・請負では業界トップクラスで、不動産事業ではマンションデベロッパーから総合不動産事業へと業容を拡大している。新興市場の好業績銘柄として位置付けられ、第3四半期(2015年1月-9月)決算発表に向けて注目度が高まるとみている。また、人材関連事業を手掛けることから、製造業の国内回帰や人手不足、安倍首相の掲げる「一億総活躍社会」といった投資テーマに沿った銘柄としても注目しておきたい。
■3事業の内容について
「人材・教育ビジネス(人材派遣・業務請負)」では、研究開発から設計・生産技術、製造、物流、販売、アフターサービスと、ものづくりの川上から川下に至るまで、ほぼすべての工程において事業を展開しており、特に製造派遣・請負業務では国内トップクラスの規模を誇っている。なお、「人材・教育ビジネス」は分野ごとに「ファクトリー事業」「テクノ事業」「R&D事業」「セールス&マーケティング事業」といった報告セグメントに分類されている。
2005年から事業を開始した「情報通信ビジネス(情報通信事業)」には、九州圏における携帯電話のショップ運営事業と法人向け事業(OA機器、LED照明等の販売)が含まれる。
2010年から事業を開始した「不動産ビジネス(不動産事業)」では、デベロッパーとしてマンションの分譲開発、及び戸建住宅の開発販売などを行っている。営業エリアは首都圏、東北、近畿エリアに加えて、2014年12月より九州を地盤とする総合不動産会社、みくに産業を子会社化したことで、九州、北海道、中京エリアまで拡大して全国展開の体制を構築した。みくに産業は主に戸建のリノベーション事業のほか、建物管理業務などストック型のビジネスモデルを中心とした事業を展開している。
■足元の業績は
2015年12月期の上期(2015年1月−6月)業績は、人材・教育及び不動産ビジネスをけん引役に、売上高が前年同期比55.4%増の528.66億円、営業利益が同2.5倍の44.84億円、経常利益が同2.5倍の44.64億円、四半期純利益が同3.2倍の31.06億円と大幅増収増益で推移している。半期ベースでは過去最高業績を更新し、営業利益、経常利益、四半期純利益に関しては2014年通期の実績を上回る格好となった。また、同社は第1四半期決算発表時に期初計画を上方修正していたが、その修正数字も上回る結果となった。
2015年12月期の通期業績については、売上高が前期比27.5%増の877.52億円、営業利益が同25.4%増の47.00億円、経常利益が同24.2%増の46.24億円、当期純利益が同73.0%増の34.45億円と2ケタ増収増益が計画されている。ただ、半期ベースで見ると下期は上期と比較して収益水準が落ち込む見通しとなっている。不動産事業において大型プロジェクトの販売が上期に集中した反動で、下期が落ち込むとみているためだ。ただ、通期の計画は第1四半期決算発表時に上方修正した数字を据え置いたものであること、不動産事業ではリノベーション事業が堅調に推移するほか、新たに子会社化したユニットハウス事業が加わることなどもあり、今後の市場環境に変化がなければ上振れする可能性もあるだろう。
なお、2015年12月期の1株当たり配当金は利益増に伴い、前期比17.6円増の41.3円を予定している。同社は配当方針として、配当性向で20%以上を基準としており、今後も収益拡大が続けば配当成長が期待される。
■中長期的な見通しについて
同社は2012年に、2016年12月期を最終年度とする中期経営計画を発表している。具体的な経営目標値としては、最終年度で売上高1000億円、営業利益50億円、ROE20%以上、自己資本比率25%以上、配当性向20%以上と設定している。
2014年12月期まで利益ベースでは当初計画を大きく上回っており、2015年12月期に関しては売上高も当初計画を上回る勢いとなっている。2012年の計画策定時以降に不動産事業でM&Aを積極的に進めてきたことがプラスに寄与している。最終年度の目標達成に向けては不動産事業がカギを握ることになりそうだが、マンション開発以外の事業拡大が進んでいることもあり、国内景気が堅調に推移すれば達成の可能性は十分あると考えられる。
また、2017年からスタートする次期中期計画では、国内での既存事業の強化やM&Aの積極推進による成長加速に加えて、海外市場の拡大が主要なテーマの1つとなることが想定される。今後の成長戦略が注目されよう。
事業環境に目を向けると、(1)改正労働者派遣法が施行されたことで業界の淘汰が進み、市場の活性化がさらに加速するとみられること、(2)2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控え、不動産市況の堅調推移が見込まれること、(3)政府が中古住宅市場の活性化を推進していることなど、同社にとってプラス効果が期待される要因が数多く見られる。前述の成長戦略に加え、こうした事業環境の追い風を受けて、中長期的にも業績の拡大基調が続くことが見込まれる。
■株価動向
足元で25日線を支持線としたリバウンド基調が継続している。一目均衡表では上値を抑えていた雲下限をここに来て突破してきている。雲の中での推移なので強弱感が対立しやすいところだが、雲上限が位置する1810円辺りを意識したトレンド形成となってきそうだ。
なお、第3四半期の決算発表は11月9日に予定されている。過去のパターンでは、決算発表前から業績期待の高まりを背景に強い値動きとなる傾向がある。「人材・教育ビジネス」や「不動産ビジネス」において良好な事業環境が続いていることを考慮すれば、今回も同様の動きを見せてくることが期待される。
ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送
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