アデランス Research Memo(4):購入後の顧客を店舗に誘導するオム二チャネル化に向け施策を開始
[15/11/26]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■国内女性市場の回復のシナリオ
(3) 2016年2月期第2四半期におけるアデランスの競争環境
アデランス<8170>は、国内の女性向けの商品として、オーダーメイド・ウィッグとレディメイド・ウィッグの両方をラインアップしており、それぞれの分野において国内トップシェアを有している。同社は、オーダーメイドとレディメイドとでは、商品の特性の違いもあって販売・マーケティングの手法を変えて対応しているが、2016年2月期第2四半期においては、オーダーメイドとレディメイドの双方において、販売低迷が同時に起こって業績低迷へとつながった。
オーダーメイド・ウィッグの同社の販売戦略は大きく2つだ。1つは「ダイレクトレスポンス」というもので、テレビ等でCMを投下し、それに反応して同社に問い合わせの電話をしてきた顧客に販売するという流れだ。もう1つは展示会型マーケティングで、百貨店の催事場において「レディスアデランス」ブランドのオーダーメイド・ウィッグの体験・相談会を催して集客を行い販売につなげるというものだ。
足元の状況は、ダイレクトレスポンスについては、CM視聴者からのレスポンス数が低下している状況だ。その明確な原因は同社も把握し切れていないもようだが、社会情勢の変化によって、テレビの媒体としての有効性が低下していることも一因と考えられる。展示会については、同社は年間300回ほどの展示会を催している。一方、その会場となる百貨店は全国に130店程度しかないため、1店舗当たり、年間に数回の展示会を行うことも珍しくない。それが結果的にイベントのマンネリ化や消費者の飽きへとつながり効果が減少しているものとみられる。
レディメイド・ウィッグは、百貨店やGMSなどへ出店しての販売手法となっている。同社はレディメイド・ウィッグの草分けとしてトップシェアを保持してきている。同社のレディメイド・ウィッグの中心価格帯は10万円〜15万円程度となっている。最近ではTVショッピングや、カタログ通販などでレディメイド・ウィッグを販売しており、商品発送の際に、自社店舗でメンテナンスができるクーポンを同封して、購入後の顧客を店舗に誘導するといった、オムニチャネル化に向けた施策を開始している。
女性向けウィッグ市場は同社とアートネイチャー<7823>の2大企業が市場を分け合ってきたが、ここにきて他業態や新興勢力による新規参入が目立っている。背景には「アンチエイジング」製品の市場急拡大がある。同社やアートネイチャーがテレビCMを打つため女性向けウィッグに対する消費者の認知度が十分高くなっているところに、低価格のレディメイド・ウィッグを武器に新規参入して先行2社のシェアを奪っているのが現在の状況だ。価格帯を比較すると、新興勢力の製品は安価なものは1万円を大きく下回る価格で販売されており、高いものでも3、4万円ほどが主流だ。前述の同社の中心価格帯との比較では圧倒的な価格差がある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
<HN>
(3) 2016年2月期第2四半期におけるアデランスの競争環境
アデランス<8170>は、国内の女性向けの商品として、オーダーメイド・ウィッグとレディメイド・ウィッグの両方をラインアップしており、それぞれの分野において国内トップシェアを有している。同社は、オーダーメイドとレディメイドとでは、商品の特性の違いもあって販売・マーケティングの手法を変えて対応しているが、2016年2月期第2四半期においては、オーダーメイドとレディメイドの双方において、販売低迷が同時に起こって業績低迷へとつながった。
オーダーメイド・ウィッグの同社の販売戦略は大きく2つだ。1つは「ダイレクトレスポンス」というもので、テレビ等でCMを投下し、それに反応して同社に問い合わせの電話をしてきた顧客に販売するという流れだ。もう1つは展示会型マーケティングで、百貨店の催事場において「レディスアデランス」ブランドのオーダーメイド・ウィッグの体験・相談会を催して集客を行い販売につなげるというものだ。
足元の状況は、ダイレクトレスポンスについては、CM視聴者からのレスポンス数が低下している状況だ。その明確な原因は同社も把握し切れていないもようだが、社会情勢の変化によって、テレビの媒体としての有効性が低下していることも一因と考えられる。展示会については、同社は年間300回ほどの展示会を催している。一方、その会場となる百貨店は全国に130店程度しかないため、1店舗当たり、年間に数回の展示会を行うことも珍しくない。それが結果的にイベントのマンネリ化や消費者の飽きへとつながり効果が減少しているものとみられる。
レディメイド・ウィッグは、百貨店やGMSなどへ出店しての販売手法となっている。同社はレディメイド・ウィッグの草分けとしてトップシェアを保持してきている。同社のレディメイド・ウィッグの中心価格帯は10万円〜15万円程度となっている。最近ではTVショッピングや、カタログ通販などでレディメイド・ウィッグを販売しており、商品発送の際に、自社店舗でメンテナンスができるクーポンを同封して、購入後の顧客を店舗に誘導するといった、オムニチャネル化に向けた施策を開始している。
女性向けウィッグ市場は同社とアートネイチャー<7823>の2大企業が市場を分け合ってきたが、ここにきて他業態や新興勢力による新規参入が目立っている。背景には「アンチエイジング」製品の市場急拡大がある。同社やアートネイチャーがテレビCMを打つため女性向けウィッグに対する消費者の認知度が十分高くなっているところに、低価格のレディメイド・ウィッグを武器に新規参入して先行2社のシェアを奪っているのが現在の状況だ。価格帯を比較すると、新興勢力の製品は安価なものは1万円を大きく下回る価格で販売されており、高いものでも3、4万円ほどが主流だ。前述の同社の中心価格帯との比較では圧倒的な価格差がある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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