サンワテクノス Research Memo(6):FA・産業機器業界向けや海外の売上が増加し上期としては過去最高
[15/11/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
(1) 2016年3月期第2四半期決算
サンワテクノス<8137>の2016年3月期第2四半期決算は売上高54,457百万円(前年同期比7.2%増)、営業利益1,417百万円(同8.7%減)、経常利益1,545百万円(同9.7%減)、当期利益1,033百万円(同6.8%減)と増収減益で着地した。売上高は主力のFA・産業機器業界向けや海外現法の売上が増加し、第2四半期(上期)としては過去最高を計上した。利益面では売上高総利益率が縮小したことに加え、人件費を中心に販管費が増加したため減益となった。
計画対比では売上高、利益ともに下回る結果となった。要因は主力のFA・産業機器向け売上高が計画を下回ったためである。結果的に計画が高過ぎたということだが、直接的な原因は、スマートフォン関連のFA・産業機器向け需要が期待ほどには拡大しなかったことが大きい。人気機種のモデルチェンジがあったものの、新旧モデルの外形サイズが同一で、FA・産業機器業界に生産ラインの更新需要が波及しなかったということだ。
部門別に見ると、電機部門の売上高は前年同期比2.2%減の10,108百万円となった。半導体製造装置向けサーボモータの販売が増加したが、太陽光発電システム向けの制御機器の販売が減少した。電子部門は同11.0%増の40,469百万円となった。産業機械業界向け、自動車関連業界向け及び産業用ロボット向けの電子部品の販売が順調に増加した。機械部門は同3.1%減の3,880百万円となった。自動車業界向けの生産設備の販売は増加したが、液晶搬送設備向けの設備機器の販売が減少した。
所在地別では、日本は、半導体製造装置向けサーボモータの販売へ、産業機械業界向け及び自動車関連業界向けの電子部品の販売が伸びたが増収幅が前年同期比1.2%にとどまる一方、人件費や営業関連費用が増加したことで営業利益は同5.0%の減益となった。アジアは、産業機械業界向け、産業用ロボット向け及びアミューズメント向けの電子部品の販売が伸び、同26.5%の増収となった。しかし、中国・上海拠点での賃上げやタイでの人員増強などに伴う人件費増加が利益を圧迫し、営業利益は同9.7%の減益となった。欧米は、自動車業界向けの生産設備の販売及びインバータ、サーボモータ向けの電子部品の販売が伸びて同17.0%の増収となったが、人件費の増加などで営業利益は同79.1%の減益となった。
費用面で2016年3月期第2四半期を総括すると、次代の成長に向けた先行投資を敢行する1年というのが期初からの計画であり、今第2四半期においても、計画どおり費用投下が行われた。内容は主として人件費である。製造設備を持たない商社にとって最大の稼働資産は人材ということで、同社も海外拠点の増強や、育成中のエンジニアリング事業関連の人材増強などに積極的に取り組んだ。また国内外の既存の人員に対しても賃上げを行い、モチベーション向上に努めた。来期以降も海外拠点の拡充が行われる予定で、人件費の増加傾向は続くと考えられるが、短期的な業績に影響されることなく、中長期的視点に立った経営計画を着実に実行していく同社のスタンスは、次の需要拡大局面で効果を発揮すると期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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(1) 2016年3月期第2四半期決算
サンワテクノス<8137>の2016年3月期第2四半期決算は売上高54,457百万円(前年同期比7.2%増)、営業利益1,417百万円(同8.7%減)、経常利益1,545百万円(同9.7%減)、当期利益1,033百万円(同6.8%減)と増収減益で着地した。売上高は主力のFA・産業機器業界向けや海外現法の売上が増加し、第2四半期(上期)としては過去最高を計上した。利益面では売上高総利益率が縮小したことに加え、人件費を中心に販管費が増加したため減益となった。
計画対比では売上高、利益ともに下回る結果となった。要因は主力のFA・産業機器向け売上高が計画を下回ったためである。結果的に計画が高過ぎたということだが、直接的な原因は、スマートフォン関連のFA・産業機器向け需要が期待ほどには拡大しなかったことが大きい。人気機種のモデルチェンジがあったものの、新旧モデルの外形サイズが同一で、FA・産業機器業界に生産ラインの更新需要が波及しなかったということだ。
部門別に見ると、電機部門の売上高は前年同期比2.2%減の10,108百万円となった。半導体製造装置向けサーボモータの販売が増加したが、太陽光発電システム向けの制御機器の販売が減少した。電子部門は同11.0%増の40,469百万円となった。産業機械業界向け、自動車関連業界向け及び産業用ロボット向けの電子部品の販売が順調に増加した。機械部門は同3.1%減の3,880百万円となった。自動車業界向けの生産設備の販売は増加したが、液晶搬送設備向けの設備機器の販売が減少した。
所在地別では、日本は、半導体製造装置向けサーボモータの販売へ、産業機械業界向け及び自動車関連業界向けの電子部品の販売が伸びたが増収幅が前年同期比1.2%にとどまる一方、人件費や営業関連費用が増加したことで営業利益は同5.0%の減益となった。アジアは、産業機械業界向け、産業用ロボット向け及びアミューズメント向けの電子部品の販売が伸び、同26.5%の増収となった。しかし、中国・上海拠点での賃上げやタイでの人員増強などに伴う人件費増加が利益を圧迫し、営業利益は同9.7%の減益となった。欧米は、自動車業界向けの生産設備の販売及びインバータ、サーボモータ向けの電子部品の販売が伸びて同17.0%の増収となったが、人件費の増加などで営業利益は同79.1%の減益となった。
費用面で2016年3月期第2四半期を総括すると、次代の成長に向けた先行投資を敢行する1年というのが期初からの計画であり、今第2四半期においても、計画どおり費用投下が行われた。内容は主として人件費である。製造設備を持たない商社にとって最大の稼働資産は人材ということで、同社も海外拠点の増強や、育成中のエンジニアリング事業関連の人材増強などに積極的に取り組んだ。また国内外の既存の人員に対しても賃上げを行い、モチベーション向上に努めた。来期以降も海外拠点の拡充が行われる予定で、人件費の増加傾向は続くと考えられるが、短期的な業績に影響されることなく、中長期的視点に立った経営計画を着実に実行していく同社のスタンスは、次の需要拡大局面で効果を発揮すると期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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