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ティア Research Memo(6):16/9期も増収増益が続く見通し

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

(1) 2016年9月期の業績見通し

ティア<2485>の2016年9月期の業績は、売上高が前期比5.8%増の10,800百万円、営業利益が同0.7%増の1,085百万円、経常利益が同2.7%増の1,050百万円、当期純利益が同5.8%増の690百万円と増収増益基調が続く見通し。

新規出店は直営店で4店舗、FC店で4店舗を計画している。このうち現段階で決まっているのは、直営店で1店舗(2016年春オープン、名古屋市)、FC店で2店舗(神奈川県大和市、茨城県土浦市)となっている。直営店については名古屋であと2店舗を今期中に出店する予定となっている。

業績予想の前提となる葬儀件数は、前期比5.8%増の8,481件、葬儀単価は前期比0.1%増の107.3万円を見込んでいる。このうち既存店の葬儀件数は前期比1.5%増を想定している。前提条件は過去2年間の平均値を基準に、過去3年間の葬儀件数の伸びを見込んでいる。前期の勢いを考えるとやや保守的な想定と言えよう。

一方、経常利益がやや伸び悩むのは販管費が前期比で260百万円増加することが主因となっている。主な増加要因は、人件費や採用・教育費などで90百万円、減価償却費で47百万円、支払手数料で35百万円、その他経費の増加で69百万円となっている。このうち減価償却費に関しては、10月より稼働した新基幹システムの減価償却分となる。売上原価率に関して見れば、今期も前期比で0.5ポイント程度の改善が続く見通しだ。引き続き葬儀付帯業務の内製化によるコスト低減を推進していく。今期は寝台車に加えて、霊柩車業務や接客業務などの内製化を進めていく計画となっている。

(2)関東圏の店舗状況

2012年9月より進出した関東圏では現在、埼玉県に直営店舗2店舗を出店し、同商圏に加え、東京都を中心に一都三県の葬儀に対応している。都内エリアに関しては、貸しホールを借りて葬儀を請け負うなど無店舗での展開も進めており、まずは葬儀件数をこなし、「ティア」のブランド力向上を図ることを優先している。

店舗の収益動向を見ると、2012年9月に出店した「ティア越谷」に関しては積極的な営業施策により、2015年9月期に初めて単年度で黒字化を達成した。現状は毎月安定して損益分岐点を超えるペースとなってきており、収益貢献が見込まれている。一方、2013年8月に出店した「ティア鳩ヶ谷」についてはまだ赤字ではあるものの、2015年9月単月では損益分岐点近くまで葬儀件数が増加しており、2016年9月期には単年度で黒字化が見込める状況となっている。

こうした状況から、同社では関東3号店の出店を計画するとともに、新フォーマットでの出店も検討を始めている。新フォーマットとは、会館を持つのではなく営業サロン的な店舗をイメージしている。東京においては既に都内全域の式場と提携しており、会館を持たなくても葬儀件数をこなせる体制が構築できているためだ。

また、今期に関東で出店するFC店の動向も注目される。なかでも、茨城県の店舗は運営会社であるいっしんが介護施設の運営を行っており、地元自治体とのつながりも強いことから、会員数も順調に増えている。一方、神奈川県の店舗については会員数の獲得でやや苦戦している。神奈川県内には大手競合先があるほか、ティアの認知度がまだ低いことが要因とみられる。このため地域でのイベント開催などPR活動を強化しながら、認知度の向上を進めていく考えだ。両FC加盟社ともに、まずは1店舗を出店して、収益化してから2店舗目の出店を検討していくものとみられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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