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ソフトバンテク Research Memo(2):構造改革によりストックビジネスが堅調に推移

注目トピックス 日本株
■2016年3月期第2四半期連結決算

(1)概要

2016年3月期第2四半期(2015年4月−9月期)連結決算は、売上高が前年同期比0.2%減の19,640百万円、営業利益が同13.5%増の650百万円、経常利益が同19.3%増の645百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同4.5%増の345百万円となった。

a)売上高の分析
ソフトバンク・テクノロジー<4726>の事業セグメントは、デジタルマーケティング、プラットフォームソリューション、システムインテグレーションの3事業で構成される。しかし、同社では3事業それぞれに注力事業を掲げており、それらを抜き出して6事業とし、投資家向けに情報を提供している。具体的には、デジタルマーケティングは、EC(電子商取引)関連の商品販売やサービスを行うECサービス事業と、ビッグデータ関連のサービスをワンストップで提供するデータアナリティクス事業(注力事業)、プラットフォームソリューションは、基盤システムを構築するプラットフォームソリューション事業と、情報セキュリティサービスを提供するセキュリティソリューション事業(注力事業)、システムインテグレーションは、システムソリューションの構築を行うシステムインテグレーション事業と、日本マイクロソフト(株)のクラウドサービスを基盤としたソリューションサービスを提供するマイクロソフトソリューション事業(注力事業)に分かれる。本レポートでも、同社の事業セグメントを6事業として分析する。

売上高が減少した理由は、ソフトバンクグループ向けの機器販売及びシステム開発が減少したことによる。売上高を形態別に見ると、機器販売は前年同期比21.8%減の23億円、システム開発は同6.2%減の31億円となったが、保守・運用及び自社サービスは同6.1%増の142億円となった。さらに、売上高を顧客別に見直すと、グループ内は前年同期比23.7%減の43億円だったのに対し、グループ外は同13.9%増の67億円となり、また、個人向けは同6.3%増の85億円となった。

ソフトバンクグループとの関係に注目すると、同社が構造改革を進める中で、単に顧客としての位置付けだけでなく、官公庁を始めとした大型案件を協力して受注するというパートナー的な位置付けに拡大させている。今後はグループ外からの受注拡大が進み、ソフトバンクグループに対しては、パートナーとしての位置付けがさらに強まっていくと予想される。また、顧客としての位置付けでも、ソフトバンクグループの4社統合によるシステム投資が今後、期待できる。

売上高に関しては、むしろ、同社が構造改革の中核に位置付け、拡大を目指しているストックビジネスの保守・運用及び自社サービスが堅調に推移している点に注目すべきであろう。特に注力3事業に関しては、ストック売上高がデータアナリティクス事業で前年同期比29.7%増の625百万円、セキュリティソリューション事業で同4.6%増の1,073百万円、マイクロソフトソリューション事業で同74.6%増の281百万円といずれも拡大している。

以上のことから、構造改革という側面からは、売上高の減少は過大に問題視する必要はないと考えていいだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤 邦光)



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