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ユニリタ Research Memo(1):データ活用分野に強みを持つビーコンITと合併、シナジー創出で成長加速

注目トピックス 日本株

ユニリタ<3800>は、金融や製造を始め、幅広い業種向けに基幹業務システムの運用管理を行うパッケージソフトウェアの開発、販売、サービスを主力とするほか、データ活用によるソリューション提供にも注力している。2015年4月に連結子会社の(株)ビーコン インフォメーション テクノロジー(以下、ビーコンIT)を吸収合併するとともに、社名を「(株)ビーエスピー(BSP)」から「(株)ユニリタ」に変更した。成長領域であるデータ活用分野に強みを持つビーコンITとの経営資源の統合を図ることで、環境変化に対応するための事業構造変革を早期に進めるところに狙いがある。これまで同社の業績を支えてきた既存事業(システム運用の自動化、効率化の推進により顧客の生産性向上に貢献する領域)とビーコンITの事業(データ活用により顧客の企業価値向上に直接貢献する領域)とのシナジー創出により新たな成長ステージに入るものとみられる。

同社は、今期(2016年3月期)から「第2次中期経営計画」をスタートした。経営資源を成長領域に大きくシフト(技術の入れ替え)することにより、最終年度の2018年3月期には、売上高100億円(3年間の平均成長率12.8%)、経常利益24億円(経常利益率24.0%)、ROE14.0%を目指している。

2016年3月期上期の業績は、売上高が前年同期比1.0%増の3,438百万円、営業利益が同23.5%増の646百万円と増収増益ながら、期初予想を下回る進捗であった。1)パッケージソフトウェアメーカーとしての製品開発力並びにサービス力の強化、2)顧客の経営課題解決に必要とされるITスキルの強化、3)新・企業文化創りを基本方針に掲げ、既存事業から新規・成長事業分野への人材の重点配置や提案力の強化に取り組んできたが、新営業体制の運用において若干もたつきがあったこと、新規・成長事業分野の立ち上げや新製品及び新サービスの市場投入が遅れたことが計画未達の要因となった。

ただ、2016年3月期の業績予想について同社は期初予想を据え置いており、売上高を前期比6.7%増の7,600百万円、営業利益を同2.3%増の1,500百万円と見込んでいる。マイナンバー対応やシステム更改のほか、新規・成長事業分野における案件の引き合いが増加していることから下期での巻き返しを図る方針である。

弊社では、上期実績が計画を下回ったものの、システム運用事業の既存製品が好調であることに加えて、スロースタートとなった新規・成長事業分野の稼働や市場投入が遅れた製品の拡販等による業績貢献、各子会社の業績の伸びなどから同社業績予想の達成は可能と判断している。また、マイナンバー対応など、金融業界や生損保業界からの大型の特需案件が計画に対する上振れ要因となる可能性にも注意する必要がある。今後も、中長期的な視点から経営統合の効果や事業構造変革の進捗に注目していきたい。

■Check Point
・今期からデータ活用によるソリューション提供にも注力
・マイナンバー関連、IoT、セキュリティ等のソリューションにも着手
・新規・成長事業分野における案件の引き合いが増加

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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