EMシステムズ Research Memo(5):電子薬歴対応による売上高増と子会社コスモシステムズ(株)が上振れ主要因
[15/12/24]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■決算動向
(1) 2016年3月期第2四半期累計(2015年4月〜9月)業績
11月6日に発表されたEMシステムズ<4820>の2016年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比21.8%増の6,249百万円、営業利益は同126.3%増の685百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同113.1%増の805百万円となった。
2ケタ増収となったのは、システム事業及びその関連事業(前年同期比16.1%増)とその他の事業(同268.9%増)ともに伸びたことが主要因。売上総利益について見ると、売上総利益率は利益率の低いその他の事業が大きく伸びたために52.6%へ低下したものの、開発部門を中心に原価低減に取り組んだプラス効果により同18.1%増の3,284百万円と増益を確保した。また、販管費についても経費の継続的な圧縮の取り組みの効果の顕在化により、売上高を下回る前年同期比で4.9%増の伸びに止めることに成功。この結果、営業利益は、同126.3%増の685百万円と大幅増益となり、営業利益率は11.0%へ上昇(前年同期は5.9%)した。一方、親会社株主に帰属する四半期純利益が営業利益を上回るのは、投資有価証券売却益226百万円を計上したことによる。
セグメント別に見ると、医科システム販売件数が前年同期比1.1%増の189件にとどまったために、医科システム売上高も同1.4%増の546百万円と伸び悩んだ。対照的に、調剤システムは、システムの販売件数こそ前年同期比で6.5%の減少(販売件数は536件)となったものの、電子薬歴対応による売上高増加がプラスに寄与したことに加えて、コスモシステムズ(株)の「ぶんぎょうめいと」のリプレースの活発化などから、同12.0%増の3,764百万円と2ケタの伸びを確保した。加えて、2014年10月にM&Aしたコスモシステムズ(株)がフルに寄与したこと等により保守サービスも同102.8%増の609百万円と好調に推移した。さらに、その他の事業も(株)ブリック薬局が寄与したことで同268.9%増の425百万円と大幅な伸びとなった。
期初計画(売上高5,865百万円、営業利益494百万円)対比では、売上高で384百万円、営業利益で191百万円計画を上回ったほか、9月24日に上方修正した見込み数値も上回った。期初計画比で上振れた要因は1)「ぶんぎょうめいと」のリプレース活発化などによりコスモシステムズ(株)が売上高、営業利益ともに寄与した、2) 5月から調剤薬局事業を開始した(株)ブリック薬局が売上高で寄与した?ことによる。
なお、同社では10月1日付で予定していた会社分割による持株会社体制への移行を実施時期未定として延期することを決断した。これは、各事業会社に対する重複作業の増加、事業会社間での相互取引における処理の複雑化による管理コストの増大並びに経営の非効率化を招く可能性、またグループ全体を通した内部統制能力の弱体化を招く可能性を慎重に検討した結果による。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)
<SF>
(1) 2016年3月期第2四半期累計(2015年4月〜9月)業績
11月6日に発表されたEMシステムズ<4820>の2016年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比21.8%増の6,249百万円、営業利益は同126.3%増の685百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同113.1%増の805百万円となった。
2ケタ増収となったのは、システム事業及びその関連事業(前年同期比16.1%増)とその他の事業(同268.9%増)ともに伸びたことが主要因。売上総利益について見ると、売上総利益率は利益率の低いその他の事業が大きく伸びたために52.6%へ低下したものの、開発部門を中心に原価低減に取り組んだプラス効果により同18.1%増の3,284百万円と増益を確保した。また、販管費についても経費の継続的な圧縮の取り組みの効果の顕在化により、売上高を下回る前年同期比で4.9%増の伸びに止めることに成功。この結果、営業利益は、同126.3%増の685百万円と大幅増益となり、営業利益率は11.0%へ上昇(前年同期は5.9%)した。一方、親会社株主に帰属する四半期純利益が営業利益を上回るのは、投資有価証券売却益226百万円を計上したことによる。
セグメント別に見ると、医科システム販売件数が前年同期比1.1%増の189件にとどまったために、医科システム売上高も同1.4%増の546百万円と伸び悩んだ。対照的に、調剤システムは、システムの販売件数こそ前年同期比で6.5%の減少(販売件数は536件)となったものの、電子薬歴対応による売上高増加がプラスに寄与したことに加えて、コスモシステムズ(株)の「ぶんぎょうめいと」のリプレースの活発化などから、同12.0%増の3,764百万円と2ケタの伸びを確保した。加えて、2014年10月にM&Aしたコスモシステムズ(株)がフルに寄与したこと等により保守サービスも同102.8%増の609百万円と好調に推移した。さらに、その他の事業も(株)ブリック薬局が寄与したことで同268.9%増の425百万円と大幅な伸びとなった。
期初計画(売上高5,865百万円、営業利益494百万円)対比では、売上高で384百万円、営業利益で191百万円計画を上回ったほか、9月24日に上方修正した見込み数値も上回った。期初計画比で上振れた要因は1)「ぶんぎょうめいと」のリプレース活発化などによりコスモシステムズ(株)が売上高、営業利益ともに寄与した、2) 5月から調剤薬局事業を開始した(株)ブリック薬局が売上高で寄与した?ことによる。
なお、同社では10月1日付で予定していた会社分割による持株会社体制への移行を実施時期未定として延期することを決断した。これは、各事業会社に対する重複作業の増加、事業会社間での相互取引における処理の複雑化による管理コストの増大並びに経営の非効率化を招く可能性、またグループ全体を通した内部統制能力の弱体化を招く可能性を慎重に検討した結果による。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)
<SF>