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シュッピン Research Memo(9):データ活用による効果的なマーケティングを2段階に分けて強化

注目トピックス 日本株
■2016年3月期第2四半期決算EC成長加速に向けた取り組み:現状と今後

(3) Webマーケティング

シュッピン<3179>は広告宣伝費が売上高の0.3%(30百万円、2016年3月期第2四半期実績)と非常に低くなっている。しかし他方で、同社は効果的なマーケティングを常に模索してきた。現状は、会員及びメールマガジン登録者に対して新着商品情報などを掲載したメールをデイリーで配信することや、SNS、ブログを通じた情報提供などが行われている。

現状のマーケティングの問題点は、26万人超の会員についての取引履歴データ、「欲しいものリスト」の登録状況、商品ごとの需要・供給状況、価格の推移などの豊富なデータを有しながら、データの活用が商品仕入などマーチャンダイジング寄りとなっており、マーケティングにおいて十分活用できていなかったことだ。マーケティングおいても個々の客を識別できる材料がありながら、すべての客に画一的にマーケティングを行っていた。

同社は今年4月に新基幹システムを導入した。この大きな機能・メリットの1つが、保有するデータベースの活用力が大幅に向上することだ。同社は2016年3月期第4四半期から、Phase1とPhase2の2段階に分けてマーケティングを強化する方針だ。

Phase1は今第4四半期に開始予定で、ポイントはグループ対応にある。26万人の会員をいくつかのグループに切り分けて、各グループに合ったアプローチを手動で行うものだ。手動というのは機械化ができないという意味ではなく、各グループに合った企画や施策を練りあげたうえでアプローチする、という意味だ。あるメーカーのユーザーグループに当該メーカーの新製情報をただ送るのではなく、もう一歩踏み込んだコンテンツを作成して送付するということだ。グループ分けの切り口を変えれば、機械的な対応は難しくなるが、それだけ企画力や商品知識、在庫力など同社の強みを発揮できると期待される。

Phase2は2017年3月期上期中にスタート予定で、Phase1からさらに進めて、個人ごとにニーズに合った情報を提供しようというものだ。同社が保有するデータベースを最大限活用すればそういう流れになるのは当然だが、Phase1と異なり対象数が膨大のため手動による対応ではなく、機械化対応となる。この場合、データベース内の情報量と質に加え、個別マーケティング情報を生成すためのアルゴリズムの完成度が大きなカギを握ることになろう。データベースの量と質の点では同社の創業以来の実績が、アルゴリズムについては同社スタッフが有する深い商品や技術への造詣が、それぞれ担保となって、高品質なマーケティング情報が提供されるものと弊社では期待している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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