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アイレップ Research Memo(8):市場環境変化に対応した施策の効果顕在化により業績の成長ペースが再加速

注目トピックス 日本株
■業績動向

●過去の業績推移と、「長期経営方針」及び「中期経営計画2016」の発表
業績はインターネットの普及に足並みを合わせる格好で成長を遂げてきたが、2009年に紺野俊介氏が社長に就任し、創業来蓄積してきた社内ノウハウの共有化、クライアントの成果向上を第一に考えた評価基準などの社内体制の強化を行ったことと、DACグループとの連携強化の効果が相まって、成長ペースが加速。2013年9月期には連結売上高が47,390百万円、営業利益は950百万円となり、過去最高を記録した。

アイレップ<2132>では、2013年9月期までの業績成長をより強固なものにすることを狙い、2020年を目途とした同社グループ全体の“目指すべき姿”を示した「長期経営方針」とその実現に向けた成長戦略である3ヵ年計画(2014年9月期〜2016年9月)としての「中期経営計画2016」を策定、同年11月に公表した。

1)「長期経営方針」の概要
同社は、「ユーザーへの最適な情報流通を通じ、クライアント企業のビジネス成長を最大化へと導く国内ナンバーワンエージェンシー」の立場を確固たるものにする。加えて、米国・中国・APACを対象としたグローバル展開を本格化する。さらに、子会社でデジタルマーケティング事業以外の新規事業に挑戦し、2020年に売上高営業利益率5%の達成を目標とする。

2)「中期経営計画2016」の概要
具体的には、(a)運用型広告での絶対的ナンバーワンエージェンシーを目指す、(b)SEO、Web解析など広告周辺ソリューション事業の強化と多様化による成長、(c)APAC、米国での子会社設立、アライアンス等によるグローバル事業の基盤確立、(d)統合プラットフォーム「Marketia」の進化、の4つを経営目標として掲げ、2016年9月期に売上高63,150百万円、営業利益1,831百万円を達成することを目指した。

「中期経営計画2016」の初年度である2014年9月期業績は、売上高が前期比13.1%増の53,615百万円となったものの、営業利益は同46.0%減の512百万円となり、2ケタ増収ながら大幅営業減益を強いられる格好となった。中期経営計画の目標との対比では、売上高こそ目標水準をクリアしたものの、営業利益は目標を大きく下回ることとなった。

この要因は、主力の広告代理サービスの原価率の上昇により、売上総利益が同1.9%増の5,080百万円と微増益(売上総利益率は10.5%→9.5%へ低下)に止まった、売上総利益率の低下にもかかわらず研究開発投資、人材強化、システム開発などへの成長投資を継続したため、販管費が前期比で533百万円増加した、などによる。

なお、原価率が悪化した要因を具体的にみると、広告商材のラインナップ拡大とそれに伴う政策的値引きをしたこと、また、リスティング広告で一部クライアントにおける競争激化で値引きを余儀なくされたことに加えて、業務の複雑化、業務量の増加等で生産性がダウンしたことで、リスティング広告の売上高成長率が鈍化したために主要メディアとの仕入れ条件が悪化したことが挙げられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)



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