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ラクーン Research Memo(5):16/4期2Qは半期ベースで過去最高業績を更新、各セグメントで増収増益

注目トピックス 日本株

■決算動向

(1) 2016年4月期第2四半期累計の業績概要

11月26日付で発表されたラクーン<3031>の2016年4月期第2四半期累計(2015年5月−10月)の連結業績は、売上高が前年同期比8.1%増の1,077百万円、営業利益が同22.2%増の183百万円、経常利益が同19.9%増の181百万円、四半期純利益が同23.2%増の117百万円と増収増益とり、半期ベースで過去最高業績を更新した。

EC事業の新サービスとなる「SD export」の立ち上げ負担で16百万円の費用増があったものの、増収効果と販管費を抑制したことでカバーし増益基調を維持した。EC事業、Paid事業、売上債権保証事業とすべてのセグメントで増収増益となり、特にPaid事業に関してはサービス開始以降、初めて黒字化したことが注目される。

通期会社計画に対する進捗率は、売上高で47.5%、営業利益で44.2%と50%には達していないものの、同社のビジネスモデルがストック型で会員数などの増加とともに収益も拡大するため、下期のほうに比重が高くなる傾向にある。実際、直近4年間の通期計画に対する第2四半期までの平均進捗率は売上高で48.0%、営業利益で41.2%となっており、売上高、利益ともに順調に進んでいると言えよう。

(2)事業セグメント別動向

○EC事業
EC事業の売上高は前年同期比1.8%増の773百万円、セグメント利益は同27.6%増の113百万円となった。売上高は「スーパーデリバリー」の流通額が前年同期比1.5%減の4,626百万円と減少し、システム利用料が減収となったものの、10月末の会員小売店舗数が前年同期比5,031店舗増加の47,634店舗、出展企業数が同42社増加の1,085社となり、月会費や基本料収入の増収でカバーした。利益面では増収効果に加えて、前期に見直しを図ったポイント制度にかかる費用や送料など、変動費が減少したことで2ケタ増益となった。

購入単価については、ほぼ前年同期並みの水準であった。

また、「SD export」については8月25日のサービス開始以降、10月末までに登録会員数が約1,700店舗、出展企業数が513社となった。登録会員については71ヶ国からの登録があり、構成比で見れば、米国、香港、インド、台湾の順に多く、これら4市場で全体の約5割を占めた。流通額に関しては月額で数百万円の水準となっており、その大半は香港や台湾、韓国などアジア向けで占められた。現在はサービス開始以降に寄せられた会員小売店や出展企業からの要望などに合わせ、サイトの仕組み変更や機能追加などのシステム強化に取り組んでいる段階にあるが、流通額は徐々に増加傾向にある。

海外向けに関しては「スーパーデリバリー」の中にも従来から取引している400店舗以上の会員が含まれており、その流通額は前年同期比60%増の197百万円と大きく伸びている。月額会費は無料となるものの、「SD export」と比較するとサイトの使い勝手が良いほか、商材掲載数も約50万件(SD exportは約14万件)と豊富なことが要因となっている。

「COREC」の事業については2014年9月より有料プランの課金を開始しているが、引き続き知名度の向上と会員数の獲得に注力する段階と位置付けている。会員数拡大に向けた取り組みとして業務提携を推進しており、2015年8月には(株)リクルートライフスタイルと提携し、同社が運営する店舗サービス提案サイト「Airマーケット」を通じて、「Airレジ」ユーザーの取り込みを進めている。2015年10月末時点の会員数は、前年同期比2,705社増の3,815社となり、順調に拡大していると言えよう(12月時点では4,000社超)。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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