AMBITION Research Memo(2):サブリース(転貸)物件の入居率は92%以上で安定して高い
[16/01/21]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
(1)沿革
AMBITION<3300>は、2007年に現在も指揮を執る清水剛(しみずたけし)社長により設立された新興の不動産会社である。東京23区を中心に、借り上げたマンションを転貸するサブリース(転貸)事業で急成長をとげ、2014年9月には早くも上場(東証マザーズ)を果たした。現在は自社物件を含む住居の賃貸仲介事業、売買事業も展開する。
(2)事業概要
売上構成としては、プロパティマネジメント事業(73.1%)、賃貸仲介事業(9.4%)、インベスト事業(17.5%)となっている。営業利益の構成としては、プロパティマネジメント事業(68.4%)、賃貸仲介事業(-2.4%)、インベスト事業(34.0%)となっている。主力のプロパティマネジメント事業では、都内を中心にサブリース(転貸)を展開しており、5,205戸(2015年9月末、前年同期末比1,065戸増)の物件を転貸する。賃貸仲介事業はプロパティマネジメント事業で借り上げた物件を入居者に紹介する機能も果たしており、単体では収益が出ていないものの全社への貢献は大きい。インベスト事業は、物件を購入しリノベーションした後に売却するパターンとともに、売り手と買い手の間に入って仲介するパターンの両方があり、利益で会社を支える。
(3)事業環境とビジネスモデル
首都圏、特に東京23区の市場環境は特殊性があり、変化が激しい。同社が着目している市場の特徴としては、1)持ち家から借家への嗜好の変化、2)東京圏内における20代・30代の増加、外国人の増加、3)首都圏における中古マンション流通の増加の3点である。このような特徴や変化に対して同社では、プロパティマネジメント事業において、都会の若年層向けマンション・デザイナーズマンションなどの個性のある物件に注力し、その売り方・マーケティング方法を磨いてきた。賃貸仲介事業の店舗がサブリース(転貸)物件の販売に寄与するだけではなく、顧客のニーズを把握するチャネルとして役割を果たしていることは論を待たない。また、売買した物件にリノベーションを施してバリューアップして売却するインベスト事業も、都心中古マンション市場においては、有効に機能している。
(4)強み
一般論として、サブリース(転貸)事業には空室リスクが伴う。一方で、同社の過去2年間のサブリース(転貸)物件の入居率は92%から95%で安定して高い。これは、ハイスピードで借り上げ物件数を増やしながらの数字としては、評価に値する。高い入居率の維持のメカニズムとしては、1)顧客接点(ルームピアなどでの的確なニーズ把握)、2)ニーズに合った物件の仕入れ、3)適正な賃料設定、4)物件の魅力を伝える訓練されたスタッフ、などがうまく噛み合っているためと考えられる。店舗での顧客接点が、良い仕入れ、良い提案につながり、強いシステムが形作られている。
2015年9月末時点では、ルームピアは都内13店舗、(渋谷店/池袋店/上野店/新宿店/中目黒店/渋谷道玄坂店/高田馬場店/早稲田店/六本木駅前店/秋葉原店/錦糸町店/銀座店/Web・法人・学生課)、神奈川県1店舗(相模大野店)、子会社化した(株)VALORの5店舗(横浜店/日吉店/上大岡店/二俣川店/武蔵小杉店)の合計19店舗を展開している。ターミナル駅を中心とした展開であるが、出店余地はまだあり、同社としても年間数店の出店を考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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(1)沿革
AMBITION<3300>は、2007年に現在も指揮を執る清水剛(しみずたけし)社長により設立された新興の不動産会社である。東京23区を中心に、借り上げたマンションを転貸するサブリース(転貸)事業で急成長をとげ、2014年9月には早くも上場(東証マザーズ)を果たした。現在は自社物件を含む住居の賃貸仲介事業、売買事業も展開する。
(2)事業概要
売上構成としては、プロパティマネジメント事業(73.1%)、賃貸仲介事業(9.4%)、インベスト事業(17.5%)となっている。営業利益の構成としては、プロパティマネジメント事業(68.4%)、賃貸仲介事業(-2.4%)、インベスト事業(34.0%)となっている。主力のプロパティマネジメント事業では、都内を中心にサブリース(転貸)を展開しており、5,205戸(2015年9月末、前年同期末比1,065戸増)の物件を転貸する。賃貸仲介事業はプロパティマネジメント事業で借り上げた物件を入居者に紹介する機能も果たしており、単体では収益が出ていないものの全社への貢献は大きい。インベスト事業は、物件を購入しリノベーションした後に売却するパターンとともに、売り手と買い手の間に入って仲介するパターンの両方があり、利益で会社を支える。
(3)事業環境とビジネスモデル
首都圏、特に東京23区の市場環境は特殊性があり、変化が激しい。同社が着目している市場の特徴としては、1)持ち家から借家への嗜好の変化、2)東京圏内における20代・30代の増加、外国人の増加、3)首都圏における中古マンション流通の増加の3点である。このような特徴や変化に対して同社では、プロパティマネジメント事業において、都会の若年層向けマンション・デザイナーズマンションなどの個性のある物件に注力し、その売り方・マーケティング方法を磨いてきた。賃貸仲介事業の店舗がサブリース(転貸)物件の販売に寄与するだけではなく、顧客のニーズを把握するチャネルとして役割を果たしていることは論を待たない。また、売買した物件にリノベーションを施してバリューアップして売却するインベスト事業も、都心中古マンション市場においては、有効に機能している。
(4)強み
一般論として、サブリース(転貸)事業には空室リスクが伴う。一方で、同社の過去2年間のサブリース(転貸)物件の入居率は92%から95%で安定して高い。これは、ハイスピードで借り上げ物件数を増やしながらの数字としては、評価に値する。高い入居率の維持のメカニズムとしては、1)顧客接点(ルームピアなどでの的確なニーズ把握)、2)ニーズに合った物件の仕入れ、3)適正な賃料設定、4)物件の魅力を伝える訓練されたスタッフ、などがうまく噛み合っているためと考えられる。店舗での顧客接点が、良い仕入れ、良い提案につながり、強いシステムが形作られている。
2015年9月末時点では、ルームピアは都内13店舗、(渋谷店/池袋店/上野店/新宿店/中目黒店/渋谷道玄坂店/高田馬場店/早稲田店/六本木駅前店/秋葉原店/錦糸町店/銀座店/Web・法人・学生課)、神奈川県1店舗(相模大野店)、子会社化した(株)VALORの5店舗(横浜店/日吉店/上大岡店/二俣川店/武蔵小杉店)の合計19店舗を展開している。ターミナル駅を中心とした展開であるが、出店余地はまだあり、同社としても年間数店の出店を考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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