DVx Research Memo(3):心臓ペースメーカはMRI対応の新商品が増加し売上高は過去最高更新
[16/01/22]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■決算動向
(1) 2016年3月第2四半期累計の業績概要
ディーブイエックス<3079>の2016年3月期第2四半期累計の業績は、売上高が前年同期比3.9%増の14,753百万円、営業利益が同17.3%減の592百万円、経常利益が同19.2%減の586百万円、四半期純利益が同52.1%増の702百万円となり、売上高は過去最高を更新したものの、営業利益、経常利益は減益となった。また、期初計画比でも四半期純利益を除いて下回った。
売上高は主力商品の販売数量増加により増収基調を維持したものの、虚血事業の売上げがやや伸び悩んだことに加えて、その他事業における大型案件の販売が下期にずれ込んだことが影響して、期初計画を下回った。また、利益面では円安の進展による輸入商品の仕入れコスト上昇や人員増強による人件費の増加、エキシマレーザ血管形成システムの下肢末梢動脈治療に関する臨床試験の費用増などが減益要因となっている。四半期純利益については、投資有価証券売却益476百万円を計上したことで増益となっている。3Dマッピング装置メーカーのCardioInsight(米国)をメドトロニックが買収したことに伴い、保有株式を全株売却した。事業セグメント別の状況は以下のとおり。
○不整脈事業
不整脈事業の売上高は前年同期比6.1%増の12,194百万円、セグメント利益は同4.5%増の1,704百万円となった。地域別では西日本エリアでの新規顧客開拓が進んだほか、既存顧客の深耕も引き続き進んでいる。西日本エリアでは2015年1月に宮崎、同年9月に沖縄に出張所を開設しており、売上増に寄与している。また、大阪営業所では営業体制を強化したことで、4つの大学病院を含む8件の新規顧客の開拓に成功しており、今後の売上増が期待される。
商品別では心臓ペースメーカや冷凍アブレーションカテーテル※1、心腔内エコーカテーテルなどが好調に推移した。心臓ペースメーカはMRI対応の新商品が増加し、冷凍アブレーションカテーテルは2014年7月の発売以降、順調に売上を伸ばしている。また、心腔内エコーカテーテル※2も検査システムの3Dマッピング化とともに需要が拡大中だ。
※1冷凍アブレーションカテーテル(メドトロニック製)・・・2014年7月に保険適用となった「カテーテル心筋冷凍焼灼術」で用いられるカテーテル。従来の高周波アブレーションと比べて手術時間が3分の2と短時間で済み、確実な心房細動治療が可能となる。発作性心房細動に有効とされる。
※2心腔内エコーカテーテル(J&J製)・・・不整脈の検査システムとして2010年に薬事承認が得られたJ&J製の3Dマッピングシステムで用いられる専用カテーテル。2011年に薬事承認が得られ、2014年3月期より普及拡大し始めた。
○虚血事業
虚血事業の売上高は前年同期比3.0%増の2,225百万円、セグメント利益は同12.0%減の626百万円となった。売上高は、主力商品である自動造影剤注入装置(ACIST)用消耗品が堅調に推移したほか、エキシマレーザ血管形成システムの消耗品となるコロナリー(冠動脈治療用)カテーテルも約2割増と好調に推移した。一方、利益は円安の進展で輸入品の仕入れコストが上昇したことが減益要因となり、セグメント利益率も32.9%から28.1%に低下した。円安の影響(139百万円)がなければ、利益も増益を確保していたことになる。
エキシマレーザ血管形成システムの導入台数は86台と前期末比で17台増加した。内訳は累計販売台数で55台、レンタル台数が31台となり、前期末比ではレンタル台数が13台増と大きく伸びている。導入を促進するため、レンタル機活用の提案に注力したことが要因で、レンタル時期が終了すれば、その効果の高さから大半の医療施設が買取りに切り替えるものとみられる。例えば、冠動脈手術時においてステント治療を行う場合、ステントを血管内に挿入する前にエキシマレーザで血管表面を平滑にすることで、その後の再狭窄率が低下する効果が期待できると言う。
○その他事業
その他事業の売上高は前年同期比39.4%減の332百万円、セグメント利益は同24.6%減の43百万円となった。前年同期に好調だった脳外科関連商品(ステント、カテーテル等)が落ち込んだほか、大型医療機器であるシネ装置(循環器系X線撮影システム)の売上げも当第2四半期累計はなかったことが減収減益要因となっている。
セグメント利益率は10.6%から13.2%に上昇したが、これは利益率が相対的に低い大型医療機器や脳外科関連商材の売上げが減少したことが要因となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<YF>
(1) 2016年3月第2四半期累計の業績概要
ディーブイエックス<3079>の2016年3月期第2四半期累計の業績は、売上高が前年同期比3.9%増の14,753百万円、営業利益が同17.3%減の592百万円、経常利益が同19.2%減の586百万円、四半期純利益が同52.1%増の702百万円となり、売上高は過去最高を更新したものの、営業利益、経常利益は減益となった。また、期初計画比でも四半期純利益を除いて下回った。
売上高は主力商品の販売数量増加により増収基調を維持したものの、虚血事業の売上げがやや伸び悩んだことに加えて、その他事業における大型案件の販売が下期にずれ込んだことが影響して、期初計画を下回った。また、利益面では円安の進展による輸入商品の仕入れコスト上昇や人員増強による人件費の増加、エキシマレーザ血管形成システムの下肢末梢動脈治療に関する臨床試験の費用増などが減益要因となっている。四半期純利益については、投資有価証券売却益476百万円を計上したことで増益となっている。3Dマッピング装置メーカーのCardioInsight(米国)をメドトロニックが買収したことに伴い、保有株式を全株売却した。事業セグメント別の状況は以下のとおり。
○不整脈事業
不整脈事業の売上高は前年同期比6.1%増の12,194百万円、セグメント利益は同4.5%増の1,704百万円となった。地域別では西日本エリアでの新規顧客開拓が進んだほか、既存顧客の深耕も引き続き進んでいる。西日本エリアでは2015年1月に宮崎、同年9月に沖縄に出張所を開設しており、売上増に寄与している。また、大阪営業所では営業体制を強化したことで、4つの大学病院を含む8件の新規顧客の開拓に成功しており、今後の売上増が期待される。
商品別では心臓ペースメーカや冷凍アブレーションカテーテル※1、心腔内エコーカテーテルなどが好調に推移した。心臓ペースメーカはMRI対応の新商品が増加し、冷凍アブレーションカテーテルは2014年7月の発売以降、順調に売上を伸ばしている。また、心腔内エコーカテーテル※2も検査システムの3Dマッピング化とともに需要が拡大中だ。
※1冷凍アブレーションカテーテル(メドトロニック製)・・・2014年7月に保険適用となった「カテーテル心筋冷凍焼灼術」で用いられるカテーテル。従来の高周波アブレーションと比べて手術時間が3分の2と短時間で済み、確実な心房細動治療が可能となる。発作性心房細動に有効とされる。
※2心腔内エコーカテーテル(J&J製)・・・不整脈の検査システムとして2010年に薬事承認が得られたJ&J製の3Dマッピングシステムで用いられる専用カテーテル。2011年に薬事承認が得られ、2014年3月期より普及拡大し始めた。
○虚血事業
虚血事業の売上高は前年同期比3.0%増の2,225百万円、セグメント利益は同12.0%減の626百万円となった。売上高は、主力商品である自動造影剤注入装置(ACIST)用消耗品が堅調に推移したほか、エキシマレーザ血管形成システムの消耗品となるコロナリー(冠動脈治療用)カテーテルも約2割増と好調に推移した。一方、利益は円安の進展で輸入品の仕入れコストが上昇したことが減益要因となり、セグメント利益率も32.9%から28.1%に低下した。円安の影響(139百万円)がなければ、利益も増益を確保していたことになる。
エキシマレーザ血管形成システムの導入台数は86台と前期末比で17台増加した。内訳は累計販売台数で55台、レンタル台数が31台となり、前期末比ではレンタル台数が13台増と大きく伸びている。導入を促進するため、レンタル機活用の提案に注力したことが要因で、レンタル時期が終了すれば、その効果の高さから大半の医療施設が買取りに切り替えるものとみられる。例えば、冠動脈手術時においてステント治療を行う場合、ステントを血管内に挿入する前にエキシマレーザで血管表面を平滑にすることで、その後の再狭窄率が低下する効果が期待できると言う。
○その他事業
その他事業の売上高は前年同期比39.4%減の332百万円、セグメント利益は同24.6%減の43百万円となった。前年同期に好調だった脳外科関連商品(ステント、カテーテル等)が落ち込んだほか、大型医療機器であるシネ装置(循環器系X線撮影システム)の売上げも当第2四半期累計はなかったことが減収減益要因となっている。
セグメント利益率は10.6%から13.2%に上昇したが、これは利益率が相対的に低い大型医療機器や脳外科関連商材の売上げが減少したことが要因となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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