フリービット Research Memo(3):インフラからコンサルティング、ソリューションなど幅広く提供
[16/01/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業の概要
同社グループは、フリービット<3843>のほか、DTI、ギガプライズ、フルスピードなどの連結子会社11社、及びトーンモバイルなどの持分法適用会社2社で構成される。
手掛ける事業は、「SiLK VISION 2012」のSmart Infra戦略に基づいた6つの事業セグメント(ブロードバンドインフラ事業(15年4月期売上構成比32.2%)、クラウドコンピューティングインフラ事業(同8.5%)、アドテクノロジーインフラ事業(同37.4%)、次世代インターネット・ユビキタスインフラ事業(同0.1%)、B2C事業(21.1%)とその他事業(同0.7%))で開示されていた。しかし、2016年4月期より今後の注力事業の動向について明確化をすることを目的に事業セグメントをブロードバンド事業(2016年第2四半期売上構成比35.9%)、モバイル事業(同14.0%)、アドテクノロジー事業(同43.0%)、クラウド事業(同6.7%)、その他(同0.4%)へ変更した。
●ブロードバンド事業
同社、ギガプライズ及びDTIが事業を手掛ける。日本全国にある約300のISPや集合住宅(マンション)向けに、固定回線やモバイル回線で高速インターネットのバックボーンを提供し、ブロードバンド化を支えるISPのためのISPサービスを展開。
また、DTIが個人向けにインターネット接続サービスを提供する。足元は、ギガプライズが技術調査・仕様設計からメンテナンスまでの一貫したマンション向けISPサービスの拡大に注力しているほか、不動産業界向けのトータルITソリューションの提供強化を狙い、15年10月にイオンモール<8905>の不動産仲介業「イオンハウジング」のフランチャイズを展開する(株)フォーメンバーズと資本・業務提携し、フォーメンバーズを持分法適用会社(出資比率19.98%)化した。
主要ユーザーは、同社の子会社DTI、ギガプライズのほか、(株)Hi-Bitなど、約300社に上るISP事業者で、提供社数ベースで国内トップシェアを誇る。注力している集合住宅向けISP導入実績は2015年4月末100,829戸、2015年10月末122,009戸となっている。競合企業は法人向けがインターネットイニシアティブ<3774>(以下、IIJ)、個人向けは朝日ネット<3834>など。
●モバイル事業
同社、DTIと持分法適用会社トーンモバイルが事業を展開する。同社はMVNE(仮想移動体通信サービス提供者)※1として、MVNO参入事業者向けの支援パッケージ「freebit MVNO Pack」※2を提供する。加えて、訪日外国人観光客向けのプリペイドSIM販売/レンタルルータの提供を行うほか、トーンモバイル向けにスマートフォンを提供するスマートデバイス事業を手掛けている。このほか、DTIが業界内最安値プランを実現したモバイル高速データ通信サービス「DTI SIM」の提供を行っている。
※1 MVNEはMVNOの事業参入支援等を行う事業者。通信事業者とMVNOとの間に立ち、課金制御、ユーザーサポート、アプリケーションプラットフォームやコンテンツの提供、システム運用管理、カスタマケアから移動体通信事業者との交渉まで様々なサービスの提供を行う。
※2同社が提供する、あらゆる事業者が低コスト・低リスク・短期間でMVNOを事業化できるパッケージサービス。
「freebit MVNO Pack」の主要ユーザーは、U-NEXT<9418>(モバイルデータ通信サービス「U-mobile*d」)、東芝<6502>(M2Mサービス)、(株)ベネフィットジャパン、ヤマダ電機<9831>(YAMADA SIM)のほか、同社グループのトーンモバイル、DTI(格安SIMサービス)など。導入社数の増加に伴う利用者数拡大により、2015年末のfreebit MVNO Pack帯域幅は2014年末に比べ4.6倍になるペースで拡大している。競合企業として日本通信<9424>、IIJなどを挙げることができる。
一方、同社グループとCCCとの合弁会社であるトーンモバイル※3が主にMVNOとして個人向けにスマートフォンを提供している。11月から「すべてのヒトに安心品質」をコンセプトに同社が開発したLTE対応新端末「TONE(m15)」(端末料金29,800円、月額利用料1,000円)の販売が二子玉川蔦屋家電、代官山蔦屋書店で開始された。今後、TSUTAYAの直営店、FC店へ販売が拡大する予定になっている※4。
※3モバイル領域で100万ユーザーの獲得を目指す上での企画・営業力を強化するために2015年2月にCCCと資本・業務提携したことにより誕生した。前身は同社グループが2013年11月に参入したスマートフォンキャリア事業をベースとするフリービットモバイル(2015年1月設立)で、2015年3月に社名変更、CCCへの第三者割当増資を行い同社の持分法適用会社(同社出資比率49%)となる。
※4 12月18日現在、北海道1店舗、東北1店舗、関東8店舗(うち東京7店舗)、中部2店舗、関西2店舗、中国・四国1店舗、九州3店舗で販売されている。
●アドテクノロジー事業
連結子会社フルスピードとフルスピードの子会社フォーイットが行う。フルスピードが自社開発したマーケティングプラットフォーム「AdMatrix」※5シリーズ、フォーイットが開発したプログラム「アフィリエイトB」を活用し、SEO、リスティング広告、ソーシャル・メディアマーケティング、ディスプレイ広告、アフィリエイト広告などにおける独自性の高いインターネット広告ソリューションサービスを提供する。
※5フルスピードが提供する広告運用統合プラットフォーム。サイト利用者が広告を認知してから申し込みや購入に至るまでの導線のすべてを一元管理することで、広告の最大化を実現する。
なお、フルスピードは10月にアイレップと運用広告の専門性の向上、業界最大級のサービス提供体制の強化を図ることを目的に戦略的業務提携を行い、合弁会社シンクスを設立したほか、ライヴエイドが運営するスマートフォン向けアドネットワーク事業等の事業を譲受するなど、アドテクノロジー事業の強化を推進している。
主要ユーザーは、特定業種に偏りのない約1,500社。競合は、サイバーエージェント<4751>グループの(株)マイクロアド、VOYAGE GROUP<3688>、フリークアウト<6094>、ユナイテッド<2497>など多数存在する。
●クラウド事業
同社、ベッコアメ・インターネットとDTIが行っている事業。ブロードバンドインフラ運用にて培ったデータセンター運用ノウハウを活かし、IaaS※1やSaaS※2、VPNなど幅広いクラウドサービスを展開するほか、クラウドを最大限利用した仮想サーバーサービスや大規模メールシステムなどを提供している。
※1情報システム稼働に必要な機材や回線などのインフラを、インターネット上のサービスとして遠隔から利用できるようにしたもの。
※2インターネットなどを通じて、ソフトウェアを利用者が必要なときに呼び出して使える仕組み。
仮想データセンターサービス(VDC:Virtual Data Center)※3の主要ユーザーはゲーム会社やTV局などの法人。一方、クラウドサービスは法人及び個人。競合はIIJのほか、さくらインターネット<3778>、ビットアイル<3811>など。
※3データセンターの機能を仮想的に構築し、インターネット上から利用できる仕組みまたはサービス。
●その他
上記に含まれないサービスで、SI事業等が該当する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)
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同社グループは、フリービット<3843>のほか、DTI、ギガプライズ、フルスピードなどの連結子会社11社、及びトーンモバイルなどの持分法適用会社2社で構成される。
手掛ける事業は、「SiLK VISION 2012」のSmart Infra戦略に基づいた6つの事業セグメント(ブロードバンドインフラ事業(15年4月期売上構成比32.2%)、クラウドコンピューティングインフラ事業(同8.5%)、アドテクノロジーインフラ事業(同37.4%)、次世代インターネット・ユビキタスインフラ事業(同0.1%)、B2C事業(21.1%)とその他事業(同0.7%))で開示されていた。しかし、2016年4月期より今後の注力事業の動向について明確化をすることを目的に事業セグメントをブロードバンド事業(2016年第2四半期売上構成比35.9%)、モバイル事業(同14.0%)、アドテクノロジー事業(同43.0%)、クラウド事業(同6.7%)、その他(同0.4%)へ変更した。
●ブロードバンド事業
同社、ギガプライズ及びDTIが事業を手掛ける。日本全国にある約300のISPや集合住宅(マンション)向けに、固定回線やモバイル回線で高速インターネットのバックボーンを提供し、ブロードバンド化を支えるISPのためのISPサービスを展開。
また、DTIが個人向けにインターネット接続サービスを提供する。足元は、ギガプライズが技術調査・仕様設計からメンテナンスまでの一貫したマンション向けISPサービスの拡大に注力しているほか、不動産業界向けのトータルITソリューションの提供強化を狙い、15年10月にイオンモール<8905>の不動産仲介業「イオンハウジング」のフランチャイズを展開する(株)フォーメンバーズと資本・業務提携し、フォーメンバーズを持分法適用会社(出資比率19.98%)化した。
主要ユーザーは、同社の子会社DTI、ギガプライズのほか、(株)Hi-Bitなど、約300社に上るISP事業者で、提供社数ベースで国内トップシェアを誇る。注力している集合住宅向けISP導入実績は2015年4月末100,829戸、2015年10月末122,009戸となっている。競合企業は法人向けがインターネットイニシアティブ<3774>(以下、IIJ)、個人向けは朝日ネット<3834>など。
●モバイル事業
同社、DTIと持分法適用会社トーンモバイルが事業を展開する。同社はMVNE(仮想移動体通信サービス提供者)※1として、MVNO参入事業者向けの支援パッケージ「freebit MVNO Pack」※2を提供する。加えて、訪日外国人観光客向けのプリペイドSIM販売/レンタルルータの提供を行うほか、トーンモバイル向けにスマートフォンを提供するスマートデバイス事業を手掛けている。このほか、DTIが業界内最安値プランを実現したモバイル高速データ通信サービス「DTI SIM」の提供を行っている。
※1 MVNEはMVNOの事業参入支援等を行う事業者。通信事業者とMVNOとの間に立ち、課金制御、ユーザーサポート、アプリケーションプラットフォームやコンテンツの提供、システム運用管理、カスタマケアから移動体通信事業者との交渉まで様々なサービスの提供を行う。
※2同社が提供する、あらゆる事業者が低コスト・低リスク・短期間でMVNOを事業化できるパッケージサービス。
「freebit MVNO Pack」の主要ユーザーは、U-NEXT<9418>(モバイルデータ通信サービス「U-mobile*d」)、東芝<6502>(M2Mサービス)、(株)ベネフィットジャパン、ヤマダ電機<9831>(YAMADA SIM)のほか、同社グループのトーンモバイル、DTI(格安SIMサービス)など。導入社数の増加に伴う利用者数拡大により、2015年末のfreebit MVNO Pack帯域幅は2014年末に比べ4.6倍になるペースで拡大している。競合企業として日本通信<9424>、IIJなどを挙げることができる。
一方、同社グループとCCCとの合弁会社であるトーンモバイル※3が主にMVNOとして個人向けにスマートフォンを提供している。11月から「すべてのヒトに安心品質」をコンセプトに同社が開発したLTE対応新端末「TONE(m15)」(端末料金29,800円、月額利用料1,000円)の販売が二子玉川蔦屋家電、代官山蔦屋書店で開始された。今後、TSUTAYAの直営店、FC店へ販売が拡大する予定になっている※4。
※3モバイル領域で100万ユーザーの獲得を目指す上での企画・営業力を強化するために2015年2月にCCCと資本・業務提携したことにより誕生した。前身は同社グループが2013年11月に参入したスマートフォンキャリア事業をベースとするフリービットモバイル(2015年1月設立)で、2015年3月に社名変更、CCCへの第三者割当増資を行い同社の持分法適用会社(同社出資比率49%)となる。
※4 12月18日現在、北海道1店舗、東北1店舗、関東8店舗(うち東京7店舗)、中部2店舗、関西2店舗、中国・四国1店舗、九州3店舗で販売されている。
●アドテクノロジー事業
連結子会社フルスピードとフルスピードの子会社フォーイットが行う。フルスピードが自社開発したマーケティングプラットフォーム「AdMatrix」※5シリーズ、フォーイットが開発したプログラム「アフィリエイトB」を活用し、SEO、リスティング広告、ソーシャル・メディアマーケティング、ディスプレイ広告、アフィリエイト広告などにおける独自性の高いインターネット広告ソリューションサービスを提供する。
※5フルスピードが提供する広告運用統合プラットフォーム。サイト利用者が広告を認知してから申し込みや購入に至るまでの導線のすべてを一元管理することで、広告の最大化を実現する。
なお、フルスピードは10月にアイレップと運用広告の専門性の向上、業界最大級のサービス提供体制の強化を図ることを目的に戦略的業務提携を行い、合弁会社シンクスを設立したほか、ライヴエイドが運営するスマートフォン向けアドネットワーク事業等の事業を譲受するなど、アドテクノロジー事業の強化を推進している。
主要ユーザーは、特定業種に偏りのない約1,500社。競合は、サイバーエージェント<4751>グループの(株)マイクロアド、VOYAGE GROUP<3688>、フリークアウト<6094>、ユナイテッド<2497>など多数存在する。
●クラウド事業
同社、ベッコアメ・インターネットとDTIが行っている事業。ブロードバンドインフラ運用にて培ったデータセンター運用ノウハウを活かし、IaaS※1やSaaS※2、VPNなど幅広いクラウドサービスを展開するほか、クラウドを最大限利用した仮想サーバーサービスや大規模メールシステムなどを提供している。
※1情報システム稼働に必要な機材や回線などのインフラを、インターネット上のサービスとして遠隔から利用できるようにしたもの。
※2インターネットなどを通じて、ソフトウェアを利用者が必要なときに呼び出して使える仕組み。
仮想データセンターサービス(VDC:Virtual Data Center)※3の主要ユーザーはゲーム会社やTV局などの法人。一方、クラウドサービスは法人及び個人。競合はIIJのほか、さくらインターネット<3778>、ビットアイル<3811>など。
※3データセンターの機能を仮想的に構築し、インターネット上から利用できる仕組みまたはサービス。
●その他
上記に含まれないサービスで、SI事業等が該当する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)
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