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三機工業 Research Memo(1):原価管理の徹底などによりすべての利益で増益

注目トピックス 日本株
三機工業<1961>の主要事業は、オフィスビル、学校、病院、ショッピングセンター、工場、研究施設などの設備の企画・設計・施工・保守・改修などである。同社の強みは、多岐にわたる事業を横断的に融合させる総合エンジニアリングと90年の実績から培われた高い技術力や信用力である。

2016年3月期第2四半期(2015年4月−9月)の業績は、受注高99,206百万円(前年同期比22.1%増)、売上高75,480百万円(同0.0%減)、売上総利益8,103百万円(同64.5%増)、営業利益176百万円(前年同期は2,705百万円の損失)、経常利益524百万円(同2,325百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益255百万円(同1,327百万円の損失)となった。原価管理の徹底に加え、受注環境の改善などから利益率が大きく改善し、各利益ともに黒字を計上した。

2016年3月期の業績は、受注高185,000百万円(前期比6.7%増)、売上高180,000百万円(同0.2%増)、営業利益6,000百万円(同103.3%増)、経常利益6,500百万円(同70.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,400百万円(同78.8%増)が予想されている。好調な上半期の結果を受けて、各利益は期初予想(営業利益3,500百万円、経常利益4,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2,600百万円)から上方修正された。手持工事が豊富であること、引き続き原価管理を徹底していることなどから、この目標達成の可能性は高そうだ。

同社は2016年3月期を最終年度とする中期経営計画「SANKI VITAL PLAN 90th」(数値目標:売上高200,000百万円、経常利益10,000百万円)を掲げているが、計画策定当時からこれまでの間の公共投資の減少や不動産事業における大型賃貸物件の契約満了に伴う利益の減少などに起因し、現時点でこの数値目標達成は容易ではなさそうだ。しかし同社は定量的な目標以外にも多くの定性的目標を掲げており、その目標に向けた施策を実施してきている点では着実に変化を遂げていると言えそうだ。来年度までには新しい中期経営計画が発表される予定であり、その内容が注目される。また、安定配当に加え自社株買いなど積極的な株主還元を実施しており、2016年3月期は年間で普通配当18.0円を予定している。計画どおりの利益が計上されれば配当性向は44%に達し、この点も注目に値する。

■Check Point
・幅広い事業を横断的に融合した「総合エンジニアリング」
・好調な上半期の結果を受けて通期の業績予想を上方修正
・定量的な利益目標以外にも多くの定性的目標を掲げる

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)



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