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タナベ経営 Research Memo(2):2016年3月期2Q末でのロイヤルカスタマー数は1150社

注目トピックス 日本株
■事業概要

タナベ経営<9644>の事業セグメントは2016年3月期より、経営コンサルティング事業(従来のコンサルティング事業、ネットワーク事業を統合)、SPコンサルティング事業(従来のSP事業)の2つの事業セグメントで開示している。2015年3月期の売上構成比を新セグメント区分に組み替えて見ると、経営コンサルティング事業が53.2%、SPコンサルティング事業が46.8%とほぼ拮抗した格好となっているが、営業利益では経営コンサルティング事業で全体の90%以上を占めており、この傾向はここ数年変わっていない。

コンサルティング会社の種類としては、経営全般に関するコンサルティングを行う「総合型」、ITや財務、生産など機能ごとに専門化したコンサルを行う「機能特化型」、また、医療分野など専門的な知識などが求められる「業界特化型」、調査分析を専門に行う「シンクタンク」の大きく4種類に分類される。同社はこのうち総合型のコンサルティング事業を展開しており、「ファーストコールカンパニー(100年先も一番に選ばれる会社)」の創造を経営ミッションとして、各種コンサルティングサービスを展開している。

(1)経営コンサルティング事業

同事業の売上高はサービスの内容によって、チームコンサルティング型経営協力、人材育成・教育、セミナー(社長教室、ファーストコールカンパニーフォーラム、後継経営者スクール等)、各種会(戦略ドメイン&マネジメント研究会、地域トップ会)、アライアンス(提携)&会員部門に分かれているが、なかでもチームコンサルティング型経営協力が主力サービスとなっており、同事業売上高の5割強を占めている。また、人材育成やセミナー、各種会などはチームコンサルティング型経営協力サービスにつなげていくための導線となるサービスの位置付けになる。その他、各種サービスの企画・プロデュースやセミナー・出版、分析レポートなどの作成、発信を行う戦略総合研究所も同事業セグメントの中に含まれている。

同社ではこれらサービスの中で契約期間が半年以上となるコンサルティングサービスを提供している顧客を「ロイヤルカスタマー」と位置付け、その社数・売上高をKPIに設定している。2016年3月期第2四半期末時点のロイヤルカスタマー数は1,150社と順調に拡大している。内訳を見ると、2011年よりサービスを開始した戦略ドメイン&マネジメント研究会が大きく伸びていることがわかる。サービス単価が安価なため、売上高への貢献という点では軽微であるものの、同研究会の参加を通じてチームコンサルティング型経営協力の契約に結び付くケースも増えてきており、導線としての役割は十分果たしていると言えよう。2011年3月期以降、同社の業績は増収増益基調が続いているが、こうしたロイヤルカスタマーの拡大戦略が大きく貢献していると考えられる。

なお、アライアンス(提携)&会員部門は従来のネットワーク事業になるが、アライアンス先としては地域金融機関を中心に当第2四半期末時点で148件となっている。主に金融機関向けの支店長研修を中心とした階層別研修サービスのほか、その顧客企業の後継経営者向け勉強会である「経営塾」にコンサルタントが講師として出向いており、同サービスを通じて経営協力サービスの契約に結び付けていく戦略となっている。また、会員サービスは、イーグルクラブやニュー・リーダーズ・クラブ等の各種経営情報サービスを有料で提供するサービスで、会員数は2015年9月末で10,307社となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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