【FISCOソーシャルレポーター】個人投資家株道氏:マイナス金利導入で買われる銘柄、売られる銘柄
[16/02/01]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家株道氏(ブログ「株道−人に教えたくない私の相場帳−」を運営)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。
----
※2016年1月29日21時に執筆
日銀がついに史上初となるマイナス金利の導入に踏み切りました。
黒田総裁の「なんでもやる」発言は嘘ではなかったことになります。「世界市場混乱が国内に波及するリスクを防ぐ」という明確な意志を国内外に示しました。
マイナス金利とは、お金を借りることにメリットがあり、現預金で持つことがデメリットになる政策です。
メガバンク3社(三菱UFJ<8306>、みずほFG<8411>、三井住友<8316>)の薄利による収益悪化予測からパニック暴落する一方で、不動産・証券・その他金融・建設などが大幅に買われています。今後、設備投資・新規事業などにも物色の手が回るかも知れません。企業が設備投資を渋り、先送りした結果、景気にブレーキがかかっていました。そこにメスを入れた格好です。
お金が業種から業種へ、投資から投資へと回り始めるきっかけとしては最大級のサプライズです。
最大のポイントは、マイナス金利を取り入れたことにより、日銀の手詰まり感が払拭されたということです。デフレ脱却・物価目標の未達成リスクに際し、「日銀の打つ手はない」という閉塞感が完全に消え去りました。
こういうリバウンド相場のコツは、売り方の心境になることです。買い方の心境のままでいると、利食いを急いでしまったり、いつまでも買えなかったり、買ったら高値掴みをしたり、ということになりかねません。
イベント前だったので、ポジションを減らした投資家が多いと思います。それはそれで正解です。
より上昇余力の高い銘柄に再投資するタイミングとなり得ます。
需給、日柄、テクニカルともに強気に切り替わる可能性が出てきましたので、相場の転換点をしっかりと見極める段階です。週明けは利食い、損切りも錯綜しますが、引き続き、マイナス金利の恩恵を受ける銘柄が空売りの買い戻しで大きく動いてくる可能性があります。本日買えなかった人がほとんどかも知れませんが、慌てて急騰株を高値で掴むことだけはお気を付け下さい。株式投資は自己責任です。株は上げている最中に買うものではなく、下げた時に買うものです。
本日のザラ場を振り返ると、日銀発表後、空売りの買い戻しで急騰。その後、株も為替も売られた後、同水準の高値に戻っています。急落は投資家の懐疑心を利用したイベントドリブンの仕掛けに過ぎません。
日銀総裁は、株が売られるようなことをするのかどうか。冷静に考えれば素直に買いだと思いますが、裏切られ続ける相場に個人投資家の心も疲弊していました。疑う気持ちも分からなくもありません。
これから日本株に起こることを整理しましょう。
2月16日からマイナス0.1%金利導入。当初は緩やかな動きでも、着実に日銀に投じられていた銀行のお金は市場に供給され、銀行に預けられていた企業・個人資産は、やがて投資へとシフトしていきます。消費増税に向けて、政府・日銀はカードを切ったことになります。
それにしても結果的に絶妙なタイミングと認めざるを得ません。
----
執筆者名:株道
ブログ名:株道−人に教えたくない私の相場帳−
<NO>