フルスピード Research Memo(2):アドネットワーク事業が利益の大半を占める
[16/02/03]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■事業概要
フルスピード<2159>は、リスティング広告・検索エンジン最適化サービス(SEO)等のインターネットマーケティング事業と、自社開発するアフィリエイト・サービスやRTB型ディスプレイ広告等のアドテクノロジー事業を両輪として事業展開している。連結子会社に、アフィリエイト・サービス・プロバイダー(以下、ASP事業)を行う(株)フォーイット、情報メディア事業を行う(株)ファンサイド、中国・上海でインターネット広告代理店事業を行う上海賦絡思広告有限公司の3社がある(出資比率はいずれも100%)。
事業セグメントは、インターネットマーケティング事業、アドテクノロジー事業、その他事業の3つに区分されている。2016年4月期第2四半期累計のセグメント別構成比で見ると、売上高はインターネット広告代理店事業が47.0%、アドネットワーク事業が52.3%とほぼ2分しているが、セグメント利益ではアドネットワーク事業が74.3%と大半を占めている。これは、自社開発で収益性の高いASP事業が含まれていることが要因となっている。
○インターネットマーケティング事業
インターネットマーケティング事業には、SEO(検索エンジン最適化)を中心としたSEM広告ソリューションサービス、リスティング広告のほか、アフィリエイト広告、純広告の販売などが含まれている。また、ここ最近需要が拡大しているソーシャルメディア関連広告であるネイティブ広告※1も同事業セグメントに含まれる。同事業のセグメント利益率は約4%程度とアドテクノロジー事業が10%以上となっているのに対して低くなっているが、これは売上高の過半が利益率の低いリスティング広告で占められているためだ。売上高構成比は1割強と低いものの業界でもトップクラスの技術ノウハウを持つSEOなどSEM広告ソリューションサービスについては利益率も高い。
※1ネイティブ広告:FacebookやTwitterなどのSNSやキュレーションサイト上に周囲の記事と同じ体裁で表示される記事型広告やタイアップ広告のこと
○アドテクノロジー事業
アドテクノロジー事業には、子会社のフォーイットで展開している成果課金型アドネットワークのプラットフォームを提供するASP事業と、RTB(Real Time Bidding)型ディスプレイ広告事業が中心となる。RTB型ディスプレイ広告とは、複数のWebサイトの広告枠を束ね、その広告枠に最適なディスプレイ広告をクライアント側(広告主)のDSP(Demand-Side Platform)と媒体側のSSP(Supply-Side Platform)との間で瞬時に入札を行い配信するサービスで、同社はディスプレイ型アドネットワークに対応するサービスとして、「AdMatrix DSP」のほか「AdMatrix 3PAS※2」などを開発、商品化している。
※2 3PAS(第三者配信):複数メディアへの広告を一括管理することで、複数メディアの配信と効果測定を一元的に管理することができるアドサーバーのこと。広告主から見れば、メディアごとに広告配信する必要がなくなるほか、効果測定を一元的に管理することによって、広告予算の最適化が図れるというメリットがある。
○その他
その他の事業としては、情報メディア事業のほかWebサイトやバナー広告の制作など広告代理店事業に付随するサービスが含まれるが、売上高、利益ともに規模は小さく、全体の業績に与える影響は軽微となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<HN>
フルスピード<2159>は、リスティング広告・検索エンジン最適化サービス(SEO)等のインターネットマーケティング事業と、自社開発するアフィリエイト・サービスやRTB型ディスプレイ広告等のアドテクノロジー事業を両輪として事業展開している。連結子会社に、アフィリエイト・サービス・プロバイダー(以下、ASP事業)を行う(株)フォーイット、情報メディア事業を行う(株)ファンサイド、中国・上海でインターネット広告代理店事業を行う上海賦絡思広告有限公司の3社がある(出資比率はいずれも100%)。
事業セグメントは、インターネットマーケティング事業、アドテクノロジー事業、その他事業の3つに区分されている。2016年4月期第2四半期累計のセグメント別構成比で見ると、売上高はインターネット広告代理店事業が47.0%、アドネットワーク事業が52.3%とほぼ2分しているが、セグメント利益ではアドネットワーク事業が74.3%と大半を占めている。これは、自社開発で収益性の高いASP事業が含まれていることが要因となっている。
○インターネットマーケティング事業
インターネットマーケティング事業には、SEO(検索エンジン最適化)を中心としたSEM広告ソリューションサービス、リスティング広告のほか、アフィリエイト広告、純広告の販売などが含まれている。また、ここ最近需要が拡大しているソーシャルメディア関連広告であるネイティブ広告※1も同事業セグメントに含まれる。同事業のセグメント利益率は約4%程度とアドテクノロジー事業が10%以上となっているのに対して低くなっているが、これは売上高の過半が利益率の低いリスティング広告で占められているためだ。売上高構成比は1割強と低いものの業界でもトップクラスの技術ノウハウを持つSEOなどSEM広告ソリューションサービスについては利益率も高い。
※1ネイティブ広告:FacebookやTwitterなどのSNSやキュレーションサイト上に周囲の記事と同じ体裁で表示される記事型広告やタイアップ広告のこと
○アドテクノロジー事業
アドテクノロジー事業には、子会社のフォーイットで展開している成果課金型アドネットワークのプラットフォームを提供するASP事業と、RTB(Real Time Bidding)型ディスプレイ広告事業が中心となる。RTB型ディスプレイ広告とは、複数のWebサイトの広告枠を束ね、その広告枠に最適なディスプレイ広告をクライアント側(広告主)のDSP(Demand-Side Platform)と媒体側のSSP(Supply-Side Platform)との間で瞬時に入札を行い配信するサービスで、同社はディスプレイ型アドネットワークに対応するサービスとして、「AdMatrix DSP」のほか「AdMatrix 3PAS※2」などを開発、商品化している。
※2 3PAS(第三者配信):複数メディアへの広告を一括管理することで、複数メディアの配信と効果測定を一元的に管理することができるアドサーバーのこと。広告主から見れば、メディアごとに広告配信する必要がなくなるほか、効果測定を一元的に管理することによって、広告予算の最適化が図れるというメリットがある。
○その他
その他の事業としては、情報メディア事業のほかWebサイトやバナー広告の制作など広告代理店事業に付随するサービスが含まれるが、売上高、利益ともに規模は小さく、全体の業績に与える影響は軽微となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<HN>