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エスプール Research Memo(4):障がい者雇用支援サービスなどが大幅な増収増益

注目トピックス 日本株
■業績動向

(2)事業セグメント別の動向

○ビジネスソリューション事業
エスプール<2471>のビジネスソリューション事業の売上高は、前期比10.9%増の3,000百万円、営業利益は同41.7%減の163百万円となった。事業別の動向を見ると、主力のロジスティクスアウトソーシングの売上高は前期比2%減の1,712百万円と3期ぶりの減収となった。ネット通販の商品発送代行業務が順調に推移した一方で、期後半にかけて物流センター代行運営業務のうち低収益案件の絞り込みを実施したことが減収要因となった。利益面においても、人材の採用難が続くなかで、採用費を含めた人件費負担が上昇したことにより、前期比で19百万円の減益となった。

障がい者雇用支援サービスは売上高が前期比55%増の568百万円と好調に推移した。当期に新設した農園は、2015年5月に市原第2、11月に茂原第2と千葉わかばの合計3つで、前期比2倍増となる240区画を完売した。また、これら農園で就労する障がい者107名の雇用支援を実施した。利益面でも増収効果により、前期比で124百万円増と大幅増益を達成している。

フィールドマーケティングサービスの売上高は前期比17%減の310百万円となった。新規に事業を開始したスマートメーター設置業務の売上高が167百万円となったが、通信キャリアの電波調査業務などが大きく減少したことが減収要因となっている。なお、スマートメーター設置業務の営業損失は263百万円となったが、このうち144百万円は事業開始のための投資費用(作業員の採用費や研修費、事務所14ヶ所の開設費、工具・資材費)で、残りの119百万円は業務開始後(2015年8月−11月)の損失となっている。当初の計画では売上高で525百万円、利益ベースでも若干の赤字にとどまるとみていた。想定を大きく下回った原因として、会社側では以下の3点を挙げている。第1に、担当地域が想定以上に広く業務効率の低い地域が発生したこと、第2に、業務開始当初は外部業者(地域の電気工事業者等)への委託が大半を占め、主体的な運営ができなかったこと、第3に、研修が外部委託であったため、研修時期が限定され作業員の育成が計画どおり進まなかったことである。

こうした原因に対する対応策として、同社ではまず担当エリア(群馬県、栃木県、茨城県、東京都中央区、千葉県東葛・京葉地区以外、静岡県沼津・三島・伊豆半島地区)のうち、遠隔地の7地区の返上を実施し、担当地域を11地区とした。この影響によってプロジェクト受注額(2015年7月−2017年3月)は約24億円から約15億円に減額されることとなるが、プロジェクト全体の収益性を考えればプラスになると判断した。また、業務効率の向上を図るため、自社作業員比率を3割から2016年3月には7割まで引き上げる計画となっている。自社での研修実施の許可を取得したことで、随時、研修の実施が可能となり、自社作業員をスムーズに増やせるようになったことが大きく、3月末で人員補充は完了する予定となっている。月次損益状況は12月、1月と月数百万円の損失に縮小しており、同社では、2016年3月−5月期での単月黒字化を目指していくとしている。

その他業務のうち、セールスサポート業務は全国規模での大型調査案件が増加傾向にあり、売上高は前期比2ケタ増収の356百万円と好調に推移した。2015年6月に業務提携を発表したフルキャストホールディングス<4848>の人材採用力を活用するなど、協業の効果も売上高の拡大に寄与している。また、顧問派遣サービスについては、会社計画よりも伸びなかったものの、売上高は堅調に推移した。その他業務の利益はセールスサポート業務の好調を主因として、前期比で61百万円の増益となっている。

○人材ソリューション事業
人材ソリューション事業の売上高は前期比8.1%増の4,302百万円、営業利益は同16.3%増の360百万円と増収増益基調を継続した。主力の携帯電話販売支援・コールセンター業務の売上高は前期比23%増の3,780百万円となったが、このうちコールセンター業務が地方を中心に前期比45.4%増と大幅増収となったことがけん引役となった。携帯電話販売支援業務については、スタッフ採用難などの影響で前期比10.3%減と低迷した。

利益面では、派遣スタッフの業務期間の長期化に伴う社会保険料負担の増加があったものの、相対的に利益率の高い人材紹介サービスが伸びたことで、売上総利益率は前期並みの水準を確保した。また、販管費の増加はあったものの増収効果で吸収し、営業利益率は前期比0.6ポイント上昇の8.4%と2期連続で上昇した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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