イデアインター Research Memo(4):キッチン雑貨、トラベル用品が好調
[16/02/25]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業部門別動向と成長戦略
(2)注力商品・事業別動向
イデアインターナショナル<3140>の取り扱う商品は幅広いが、その中で収益への貢献度が大きい商品別の動向を以下に詳述する。
a)ホットプレート
同社が扱うキッチン雑貨の中でも現在の主力商品はキッチン家電のホットプレートだ。ホットプレートを中心とするキッチン雑貨は同社の小売店舗でも販売されているが、製造卸売事業部門での貢献度が目立つ。ホットプレートの単月売上高は、2015年12月に2.5万台を記録し、累計販売台数は23万台を突破した。このホットプレートがけん引役となって、インテリア雑貨ブランド「ブルーノ(BRUNO)」全体が活性化し、売れ行きが伸びるという好循環にある。
ホットプレートの好調はここ数年の同社の業績回復の主たる要因であったことはまぎれもない事実だ。しかしそれだけにホットプレートの先行きに懸念を持つ向きもあろう。この点について同社は、更なる成長に自信を見せている。同社はこれまで、従来のキッチン家電にはなかったカラフルな色使いというデザイン性を武器に需要を掘り起こしてきた。今後は機能向上(例えばセラミックコートの深鍋でお鍋にも対応)やサイズ拡大、限定カラー追加などで更なる需要掘り起こしを狙っている。また、ホットプレートで高まった「ブルーノ」のブランド価値を生かして、ピクニック用品など、女性向け市場を中心に新商品開発にも注力する方針だ。
b)トラベル用品
トラベル用品「ミレスト」ブランドは、主として同社の直営トラベルショップで販売されている。同社のショップ業態は、オーガニック化粧品(「テラクオーレ」)、インテリア雑貨(「イデアセブンスセンス(Idea Seventh Sense)」など)及びトラベル用品(「トラベルショップミレスト(TRAVEL SHOP MILESTO)」など)の3業態に大別されるが、その中でトラベル用品の比重は年々高まっている状況だ。
同社はトラベル用品の小売店舗を、2015年6月期末の6店舗から、2018年6月期末までに55店舗に増やす計画を発表済みだ。50店の純増となり、2016年6月期に10店舗、2017年6月期と2018年6月期にそれぞれ20店舗、新規出店する計画だ。この店舗増設計画がそのまま同社の成長戦略の一角でもある。
既存5店舗は都心部の駅ビルもしくは駅近の商業ビルと成田空港という立地だ。そのため各店の収益性も高く、ブランドの浸透にも貢献してきた。この成功を原資に、地方進出しようというのが同社の戦略だ。このとき、ECでカバーして店舗コストを避けるという判断は働かないのかを疑問に思う向きもあろう。この点について同社では、旅行という非日常的イベントを控えて、実際にモノを手に取って選ぶというワクワク感を得られるのはリアル店舗ならではの醍醐味として、店舗網拡大を決定したとしている。この点には一定の説得力があると弊社では考えている。
ただし、新規出店については、地方主体となる見通しだ。典型的な出店先は集客力のあるリージョナルショッピングセンター(RSC)で、商品構成や価格帯も既存5店舗とは変えてある。こうした出店戦略にあっては、ローコスト型収益モデルの確立は不可欠だ。同社は、初期出店費用について店舗面積や什器類の費用削減などで従来型出店から大きく引き下げることに成功している。また、運営面でも店員の配置(人数や雇用形態)で工夫を凝らし、店舗運営費用削減にも努めている。そして店舗ブランドも「トラベルスタイルバイミレスト(TRAVEL STYLE by MILESTO)」とし、既存の店舗ブランド区別している。
こうしたローコスト・オペレーションが奏功して、今第2四半期に出店した店舗はいずれも、開業から2ヶ月目で単月黒字化を実現している(イオンモール常滑店は開業後日が浅いため“黒字化見込”−レポート作成時点)。
足元の出店状況は、物件の選定などは順調に進んでおり、2016年6月期中の10店の出店にはほぼめどがついた状態だ。出店先の既存テナントの立ち退きのタイミングなどで、同社店舗の開業日が期を跨いで来期にずれ込む可能性はあるが、全般には順調に進んでいると言えよう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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(2)注力商品・事業別動向
イデアインターナショナル<3140>の取り扱う商品は幅広いが、その中で収益への貢献度が大きい商品別の動向を以下に詳述する。
a)ホットプレート
同社が扱うキッチン雑貨の中でも現在の主力商品はキッチン家電のホットプレートだ。ホットプレートを中心とするキッチン雑貨は同社の小売店舗でも販売されているが、製造卸売事業部門での貢献度が目立つ。ホットプレートの単月売上高は、2015年12月に2.5万台を記録し、累計販売台数は23万台を突破した。このホットプレートがけん引役となって、インテリア雑貨ブランド「ブルーノ(BRUNO)」全体が活性化し、売れ行きが伸びるという好循環にある。
ホットプレートの好調はここ数年の同社の業績回復の主たる要因であったことはまぎれもない事実だ。しかしそれだけにホットプレートの先行きに懸念を持つ向きもあろう。この点について同社は、更なる成長に自信を見せている。同社はこれまで、従来のキッチン家電にはなかったカラフルな色使いというデザイン性を武器に需要を掘り起こしてきた。今後は機能向上(例えばセラミックコートの深鍋でお鍋にも対応)やサイズ拡大、限定カラー追加などで更なる需要掘り起こしを狙っている。また、ホットプレートで高まった「ブルーノ」のブランド価値を生かして、ピクニック用品など、女性向け市場を中心に新商品開発にも注力する方針だ。
b)トラベル用品
トラベル用品「ミレスト」ブランドは、主として同社の直営トラベルショップで販売されている。同社のショップ業態は、オーガニック化粧品(「テラクオーレ」)、インテリア雑貨(「イデアセブンスセンス(Idea Seventh Sense)」など)及びトラベル用品(「トラベルショップミレスト(TRAVEL SHOP MILESTO)」など)の3業態に大別されるが、その中でトラベル用品の比重は年々高まっている状況だ。
同社はトラベル用品の小売店舗を、2015年6月期末の6店舗から、2018年6月期末までに55店舗に増やす計画を発表済みだ。50店の純増となり、2016年6月期に10店舗、2017年6月期と2018年6月期にそれぞれ20店舗、新規出店する計画だ。この店舗増設計画がそのまま同社の成長戦略の一角でもある。
既存5店舗は都心部の駅ビルもしくは駅近の商業ビルと成田空港という立地だ。そのため各店の収益性も高く、ブランドの浸透にも貢献してきた。この成功を原資に、地方進出しようというのが同社の戦略だ。このとき、ECでカバーして店舗コストを避けるという判断は働かないのかを疑問に思う向きもあろう。この点について同社では、旅行という非日常的イベントを控えて、実際にモノを手に取って選ぶというワクワク感を得られるのはリアル店舗ならではの醍醐味として、店舗網拡大を決定したとしている。この点には一定の説得力があると弊社では考えている。
ただし、新規出店については、地方主体となる見通しだ。典型的な出店先は集客力のあるリージョナルショッピングセンター(RSC)で、商品構成や価格帯も既存5店舗とは変えてある。こうした出店戦略にあっては、ローコスト型収益モデルの確立は不可欠だ。同社は、初期出店費用について店舗面積や什器類の費用削減などで従来型出店から大きく引き下げることに成功している。また、運営面でも店員の配置(人数や雇用形態)で工夫を凝らし、店舗運営費用削減にも努めている。そして店舗ブランドも「トラベルスタイルバイミレスト(TRAVEL STYLE by MILESTO)」とし、既存の店舗ブランド区別している。
こうしたローコスト・オペレーションが奏功して、今第2四半期に出店した店舗はいずれも、開業から2ヶ月目で単月黒字化を実現している(イオンモール常滑店は開業後日が浅いため“黒字化見込”−レポート作成時点)。
足元の出店状況は、物件の選定などは順調に進んでおり、2016年6月期中の10店の出店にはほぼめどがついた状態だ。出店先の既存テナントの立ち退きのタイミングなどで、同社店舗の開業日が期を跨いで来期にずれ込む可能性はあるが、全般には順調に進んでいると言えよう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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