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デリカフーズ Research Memo(1):生産性改善活動への取り組みなどで四半期ベースでは過去最高益更新

注目トピックス 日本株
デリカフーズ<3392>は外食・中食業界向けにカット野菜、ホール野菜を卸す、いわゆる「業務用の八百屋」の国内最大手であると同時に、野菜の機能性に早くから着目し、農産物の分析研究においても、国内で他の追随を許さないデータベースを蓄積している。顧客企業に対して、こうした研究成果を活かした野菜を中心とした健康に導くメニュー提案をできることが強みで、「農と健康を繋ぐ付加価値創造型企業」として更なる成長を目指している。

2月10日付で発表された2016年3月期第3四半期累計(2015年4月−12月)の連結業績は、売上高が前年同期比12.5%増の23,675百万円、経常利益が同1.4%減の602百万円となった。売上高は第3四半期に入っても外食、量販店向けを中心に好調を持続した。また、経常利益は第3四半期累計では微減益となったものの、第3四半期(10月−12月)だけで見ると、前年同期比61.7%増の391百万円と急回復をみせた。第2四半期までは天候不順の影響で野菜調達価格が高騰したほか、野菜品質の悪化による作業効率の低下が減益要因となったが、第3四半期は天候に恵まれ野菜価格の高騰が一段落したこと、顧客との価格調整が進んだことに加えて、生産性改善活動に取り組んだ効果などにより、四半期ベースで過去最高益を更新した。

また、第3四半期までの進捗状況を受けて通期業績の上方修正も併せて発表している。売上高は前期比10.5%増の31,000百万円(期初計画比1,400百万円増)、経常利益は同10.5%減の685百万円(同105百万円増)となる見通しだ。利益ベースでは期初段階で見込んでいた西東京FSセンター、名古屋FSセンターの立上げ費用が、開設時期の変更により来期以降にズレ込むことになったことが主因となっている。

西東京FSセンターでは新たな機能として、加熱野菜やキット野菜などの製造ラインを導入していく。とりわけ加熱野菜に関しては、外食企業が頭を悩ませている人手不足の問題を解消する一助になるだけでなく、新メニューの開発を容易にするといったメリットが期待できることから潜在的な需要は大きいと見られ、早期にフル稼働になることが予想される。加熱野菜やキット野菜は今後、奈良FSセンターや名古屋FSセンターでも量産していく予定となっており、これら付加価値商品の販売を強化していくことによって、今後も収益の拡大が続くものと予想される。

■Check Point
・10年以上にわたる野菜の機能性研究の分析データを蓄積
・取引シェア拡大と新顧客獲得が計画を上回り業績見通しを上方修正
・業界トップクラスの収益性を維持

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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